私は今65歳 26年前に離婚して、ある街に越してきた。 ずっと田舎暮らしだった私には、少々慌ただしく感じる時もあるけど、このままこの街で1人ひっそりと歳を重ねていこうかと考えながら過ごしていた。 ある晴れた朝、私は花が綺麗な公園のベンチに座っていると、突然 あのらすいません人違いだったらごめんなさい、さっちゃん? びっくりして立ち上がると目の前に、あの日のままの彼の笑顔があった。 あの時から30年近くたっても、忘れなかったあの笑顔、 思わず涙が溢れてきたどうしてここに? 彼が心配そうな顔で尋ねてきた、私はあれからの事を話した。 あの時まだ大学生だった彼は夫に呼び出され暴力を受け、脅され、大学も辞めてこの街に来て、一人前になって私を迎えに行こうと必死で働いて10年経って、昔の家の近くまで行って近所の人に離婚してどこに行ったか分からないと言われて、茫然とした。らしい 初めて出会ってから30年、私はすっかりおばあちゃん それでも、今日私の頭をポンポンしながら逢いたかったゆ、と泣き出しそうな青年のままの 彼がいる