<サッカーW杯>ツアー業者と連絡取れず 相談相次ぐ
4月30日15時0分配信
6月に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)を巡り、開催地・南アフリカでの宿泊場所や移動手段の手配を請け負った、東京都内に事務所を置く旅行業者に連絡が取れなくなり、申込者に不安が広がっている。旅行業法に基づく登録は観光庁や都にされておらず、同法に抵触する可能性もある。今月下旬以降、在南アフリカ日本大使館などに相談が相次ぎ、同大使館も調査している。【安高晋】
連絡が取れなくなっている業者は「Toer Afrika」(ツールアフリカ)。南アフリカで会社が設立されたとして、観戦チケットや往復航空券を自ら確保している個人旅行者向けに「現地で大学の寮を借り、宿泊施設として提供する」とホームページ(HP)などで宣伝。昨年6月ごろから申し込みを受け付けていた。
同社は、連絡先としてメールアドレスと南アフリカでの電話番号をHPに掲載。問い合わせには、日本人とみられるスタッフが応対していた。申込者に伝えた東京都日野市のマンション一室の事務所には表札も掲げられているが、現在は不在で電話もつながらず、毎日新聞のメールでの取材にも返信がない状態が続いている。
在南アフリカ日本大使館に相談が寄せられるようになったのは今月20日ごろから。「ツアー代金を振り込んだが、3月末以降連絡が取れなくなった」などと日本からの電話が相次ぎ、27日までに10件に上った。同様の相談は在日南アフリカ大使館や国民生活センターにも寄せられている。
在南アフリカ日本大使館によると、業務内容確認のため3月初旬に同社に問い合わせた際には日本人とみられる男性から折り返し電話があり「宿泊先は現地業者を通じ確保する」との説明があった。今は連絡が取れず、同社が折衝相手に挙げた現地業者は「昨年8月以降、同社からの業務は受けていない」と関係を否定したという。
観光庁は、海外に本店があっても国内の店舗で営業や契約を行っている実態があれば、旅行業法に基づく登録が必要としている。
06年ドイツ大会でも「無登録業者によるツアー募集が行われている」と日本旅行業協会などが注意を呼び掛ける騒ぎがあった。
◇申込者、募る不安
ツアーに申し込んだという東京都世田谷区の男性(45)は「110万円を振り込んだ。ワールドカップの度にこんな話が起きる」と嘆いた。
男性は日本戦3試合のチケットや往復航空券は別途入手済み。約20日間滞在する予定で、HPを見た知人から教えられ、1月下旬から「Toer Afrika」とメールでやり取りした。
当時の同社は現地の情報をHPで頻繁に更新し、信用できる業者だと考えた。メールの返信が遅いのは気になったが「システムトラブルだった」との説明を受けたという。3月30日にメールで請求書が届き、日本国内の銀行口座に料金を振り込んだが、その後、約束されていた受領書は届かず、連絡も取れなくなった。
せっかく入手した日本戦の「プラチナチケット」を無駄にはできない。残り1カ月余り。男性は「南アフリカは現地での移動が心配。他の業者を探さないと」と無念さを押し殺すように話していた。
(Yahoo!ニュース より 毎日新聞 配信)
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消費者側も大金を払うのですから
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