コトが終わり、広いベッドに横たわりながら、二人でテレビを見ていた。


正確には私は見ているフリをしている。


Kさんがテレビを見ながら笑ったタイミングで、私も笑って合わせる。



私は妙に冷静で、少し虚しくなっていた。

寝ている私たちの間には少し距離があいていて、
この距離がなんだか切なくて、虚しい。

いつも終わった後は、彼氏に甘えて腕枕とかしてもらってるのに… なんて思ってしまう…



甘えても良いのかもしれないけど、
人見知りな私は、まだそんなに親しくも無い人に甘えられない。

逆に言えば、甘える事も出来ない様な人とお金の為だけにヤッた…


そんな現実を目の当たりにしている様な感じだった。


Kさんが予想外に優しく丁寧に抱いてくれたから、そのギャップで余計に虚しく感じるんだ…
私は何をやってるんだろう…


少し手を伸ばせばKさんがいるのに、その距離が遠かった。



そんな事を考えている私を見透かしてか、Kさんが突然手を握ってきた!

肉厚で暖かい手…


手を握られただけなのに嬉しくて、虚しかった心が満たされていく様だった。



もしこの時、Kさんが手を握ってくれなかったら、
私はもう二度とKさんに会わなかったかもしれない。

この時のKさんの手の温もりは今でも忘れてない。