JA解体(飯田康道著・東洋経済新報社)のまとめ
第1章 なぜJAは狙われたのか
・JAは農業者のための協同組合
→農家が互いの助け合うための仕組み。農産物や農業資材をまとまった量有利な価格で取引するための組織。
→15人以上の農家が発起人となって設立される。議決権は1人1票。
→農家以外でも出資をすれば准組合員となることができる。
→JAは非組合員からの貯金の受け入れは受け入れ総額の25%を超えてはいけない。
・JAの事業内容
→農業関連事業。組合員が生産した農畜産物を卸売りや小売りに販売する。肥料や農薬を組合員に販売する。
→金融事業。貯金や貸付。共済(生保や損保に似たもの)。
→その他事業。産直、A-COOP、ガソリンスタンド。
・JAグループ
→JA全中。地域農協の経営を指導する役割を担う。政策提言もしている。利益を生むような事業はしていない。
→JA全農。地域農業の農業関連事業の全国版。
→農林中金。JAバンク。JAに集まった貯金の一部を金融市場で運用している。
→全共連。地域農協と共同で共済契約を締結。地域農協は窓口となり、共済連は商品開発や資産運用を担当。
→厚生連。JAグループの病院経営の支援。
→中央会。都道府県レベルで経営指導や陳情、広報を行っている。全都道府県に設置。
→経済連。都道府県レベルで農業関連事業をとりまとめている。全国で8つの道県に存在。それ以外は全農と統合。
→信連。都道府県レベルで信用事業を取りまとめている。
・株式会社との違い
→出資する組合員の相互扶助の組織。組合員の利用を基本とし、利用制限がある。
→利益の配当は、①利用高配当と②出資配当の2種類が存在し、どちらかの選択もしくは併用が可能。
→非営利規定(8条)があったが、農協改革で利益を上げて利用高配当や成長投資に充てることができると変更された。
・JAはなぜ批判されてきたのか。
→金融事業へ依存し、農業関連事業がおろそかになっている。
→農業関連事業に人材や資金を集中し、農家の農業所得向上のために販売努力などをすべき。
→農林中金の運用能力疑念。規模が大きく、運用の失敗が金融システムに与える影響が大きい。
→准組合員に依存した経営。組合員<准組合員。
→経営者としての自覚を持った人材が不足。農産物の販売拡大やコスト削減への取り組みが進まない。
→平等への不満。質の高い農産物を適正な価格で売りたいのに、質の劣る農産物と同じ扱いとなり、安く買われる。
→流通過程で手数料をとられるので、コストがかさむ。JA、連合会、全農を経由。
・JA全中について
→JAグループからの賦課金により活動。
→地域農協に対する強力な指導・監査権限がある。(農協法改正により統制的な権限を廃止)
→地方の実情に即した農業を展開しなければならないが、指導力不足。実態にそぐわない方針を出している。
→全国農政連と一緒になって政治運動をしている。TPPなどに反対しており、政府の方針に合わない。
4章 JAはどう変わるのか
・利益を追求する職能組合に
→非営利から、「農業所得の増大に最大限の配慮」、「高い収益性の実現」を目指すように変更。
・理事は過半をプロに
→地域農協の理事の過半数に、認定農業者か農畜産物の販売や法人経営のプロを充てる。
・JA全農の株式転換
→信用・共済事業を行うものを除き、地域農協や連合会が株式会社になることができるよう規定。
・公認会計士監査を義務付け
→貯金量200億円以上の地域農協に、公認会計士による会計監査を義務付け。
・中央会に関する規定の削除
→監査・指導権限を持っている中央会を廃止し、地域農協の自主的な経営を促す。
5章 生き残るために地域農協はなにをすべきか(良い事例)
・JAみっかび→地域全体でみかん生産
・JA信州諏訪→レタス。大規模農業生産法人と提携
・JA梨北→梨北米の商標登録とブランド化。
・JA秋田おばこ→コメの海外輸出