最近夢と現実の区別がつかないことが多々ある。夢だと思っていた事象が現実で、現実だと思っていた事象が夢であったりするのだ。スウィートガールに関しても同じことが言える。あれは夢であったようにも感じられるし、今思うと現実のような気がしてくる。正直本当に見当がつかない。
「エスカレーターをご利用の際は、手すりにお掴まりください」
と、エスカレーターが女性の電子音声で注意喚起している。階段を駆け下り、僕はホームに向かっている。いつもより階段が長い気がする。普段から測っているわけではないし、正直見当がつかない。今度は測ってみようと思う。
ホームについたところで例の端正な顔立ちの大和撫子に出会う。僕は呼び止めて話しかけてみる。
「ねえ、君のことがこの間からすごく気になっているんだ」
彼女は黙っている。そして再び歩き始めた。
僕は前に回り込もうと必死に追いかける。しかしいつまで経っても追いつける気配がない。むしろ離れて行っているのだ。そうして彼女が階段を上がって曲がったところで、彼女を見失ってしまう。
やれやれ、これも夢なのか。それとも...。
嗚呼僕のスウィートガール。君はどこに行ってしまったんだい?
「私を見つけて、そして抱きしめて」
電車に運ばれてきた風がそう答える。
やれやれ。