飼い猫を手放す時に聞くお決まりのフレーズだ。

 

懐かない。噛む。引っ掻く。家具で爪を研ぐ。鳴き声がうるさい。服が毛だらけ。

 

どれも当たり前だ。猫なんだから。

何を求めて猫を迎えようと思ったのか。

思い通りにならないことがそんなに苦痛なのか。

 

切り取られた報道の一部しか観ていないので、深いところまでは分からない。

納得せざるを得ない理由があるのかも知れないが、それを知ったところで「棄てた」という結果が変わらないのであれば意味はない。

 

安易に購入できる環境があるから安易に棄てる奴が後を絶たないのだ。

欧州に倣ってショップでの生体販売を禁止しろ。

 

問題はそこじゃない。それはまた別の問題。

 

                    寝る時は一緒。それがウチでは当たり前

 

猫はきっと自分が「棄てられた」ことを理解している。

 

謝って欲しいなんて思っていないだろう。

涙を流せなんて言うつもりもないだろう。

 

彼らの望みは、変わらないこと。

 

目覚めたらいつもと同じ景色があって、決まった時間に食べ慣れたフードが出てきて、いつもと同じ場所で水を飲んで、いつもと同じ人が撫でてくれる。トイレはいつも綺麗で、いつもと同じ臭いがするふかふかのベッドで丸くなる。それがずっと続くことを当たり前だと思っている。

 

飼い主になりたいならもっと学ばなければならない。

こんなはずじゃなかったと後悔しないために。

こんなはずじゃなかったと猫に言わせないために。

 

ぼくは猫を棄てる人間を許さない。

 

画面に向かって許さないぞと呟くだけで、特に何かをする訳ではないけど。