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諸国を逃げる李斎が|伝手《つて》を|辿《たど》り、身を寄せていた山間の|隠者《いんじゃ》は、諦めろ、と言った。景麒には|字《あざな》はないの?」「ございません」「あら、可哀想に。そんな噂で官が浮き足立てば、いろいろと|障《さわ》りが出てくるから、どうしたものか、六官や将軍たちは相談をしていたこと。王が登極するのだってずっと簡単になるはずです。何しろ、これからやろうとしていることには前例がないからな。「いいんだ。そして信ずるに足るものであれば、喜んでその行為に報います。「李斎……私はその問いに答えられない。 驍宗が消息を絶ったのは琳宇の外れでの戦闘の最中、そして函養山からこれが見つかった。雁の周囲ばかりこうも次々と。だが、李斎は未だに体の芯が凍えているような気がする。「それは死ぬのを待て、ということですか!?」グッチバッグ 玉葉は顔を|逸《そ》らす。僅かに警戒する様子を見せた飛燕は、だが、すぐにそれが誰なのか思い出したのだろう、勢い込んで身を乗り出し、甘えるような声を上げた。心細くて不安だった。その|路亭《あずまや》の一つに、子供の影がある。

単に泰王が亡くなられ、、最も多いのは、宮中で|謀反《むほん》あって、泰王は|弑《しい》され、泰台輔もまた兇賊の手に掛かった、と」 自国のことであっても、王宮内部のことはなかなか外部に伝わりにくい。だが、それだけは、できない。 助力を、と言ったつもりだったが、果たしてそれが本当に声音になったかどうか。気候も厳しいその上に、偽王の圧政と災異があれば、どれほどの苦しみだろう。 ああ、と彼女は声を上げた。だが、罪を明らかにして公に処罰するのでなければ、それは一種の私刑だ。「……急?」「朝を|革《あらた》めることは必要です。眩しい輝きは感じられず、どこからか雨降るように降り注いでくる気脈の糸が恐ろしく細い。 驚いている陽子を振り返り、六太は苦笑する。話しても、僕では難しすぎて分からないって事をみんな分かってて、分からないのを僕が気にしたらいけないと思って、言わないでいてくれるんです。「……病は|祓《はら》おう。瘍医を呼んでくるついでに、陽子に耳打ちしてこよう」「うん。それは押し迫る壁のようにして、景麒らを排除する。この文章は、間違いなく天の条理を書き写してあるんだ。使令が震え上がるのも分かる。

「こんな場所があったんだ……」 陽子は呟いて|草原《くさはら》に腰を下ろした。「……|嘘《うそ》」 仰ぎ見た相手は、抜いた剣を振り|翳《かざ》した。|鬱金《うこん》色をしたはずの彼の影は、その|翳《かげ》りを深くしていった。山から掘り出して切り欠いたままの石を、文字通りの玉石混淆で送ってくる。……なぜ嘘だなどとおっしゃるのです?」「六官で話し合って僕には知らせないことにしたんだって、|琅燦《ろうさん》が教えてくれました」 李斎は眉を|顰《ひそ》めた。「泰麒が戻ってくれて心強いとは思ってる。「こういう場合は|延王《えんおう》、どうなるのです?」「どうなる、とは」「ですから──もしも泰王が亡くなっていれば、泰麒の次の王を選ぶわけですよね? もしも泰王が無事でも、泰麒が死んでいれば、泰王もじきに後を追うことになる。こちらこそ、|女御《にょご》には大変なご迷惑をおかけしているようだ。実際のところ、彼女らは|里《まち》を捨て、一丸となって逃げてきたのだが、わすが半月の行程で、これだけしか残らなかった、と言っていた。何か恐ろしく硬いもので閉ざされているのを感じる。 気のせいだったかもしれない。そして|瑞《ずい》州師では、李斎殿、|臥信《がしん》殿の二名ですね。夏が終わろうとしている。「ねえ、李斎──私たち、これで良かったのでしょうか」「……何が?」「主上がおられない、台輔がおられない、なのにもう国は新しい時代に走り出ようとしています……私、怖くて」「また?」 李斎が軽く|揶揄《やゆ》すると、花影は複雑そうに笑った。ちっとも一つ所に落ち着いていないな」 |李斎《りさい》は微笑む。