じこ報告書 -376ページ目

冬の陣「虫歯」

その洞穴の奥の奥。
そこにそれはあった。

根元がごっそり削れている…感覚。
いやにギザギザとしている…感覚。

しかし痛みはない。
確認の仕様がない。
手を突っ込んでも、
舌で触れてみても、
はっきりとは、状態が分からない。

当然、一番奥なので、鏡では届かない。

歯科に行けばいいだけだが、他に何箇所も見つかったらもう逃げ道はない。

そもそも、過去には治療の途中で音信不通にした苦い記憶がある。

オレに出来ることは、歯を磨いてお祈りをするくらいか。



「…実は乳歯でありますように」