冬の陣「虫歯」
その洞穴の奥の奥。
そこにそれはあった。
根元がごっそり削れている…感覚。
いやにギザギザとしている…感覚。
しかし痛みはない。
確認の仕様がない。
手を突っ込んでも、
舌で触れてみても、
はっきりとは、状態が分からない。
当然、一番奥なので、鏡では届かない。
歯科に行けばいいだけだが、他に何箇所も見つかったらもう逃げ道はない。
そもそも、過去には治療の途中で音信不通にした苦い記憶がある。
オレに出来ることは、歯を磨いてお祈りをするくらいか。
「…実は乳歯でありますように」
そこにそれはあった。
根元がごっそり削れている…感覚。
いやにギザギザとしている…感覚。
しかし痛みはない。
確認の仕様がない。
手を突っ込んでも、
舌で触れてみても、
はっきりとは、状態が分からない。
当然、一番奥なので、鏡では届かない。
歯科に行けばいいだけだが、他に何箇所も見つかったらもう逃げ道はない。
そもそも、過去には治療の途中で音信不通にした苦い記憶がある。
オレに出来ることは、歯を磨いてお祈りをするくらいか。
「…実は乳歯でありますように」