《自分ってなんだ》



-----それでさ、あいつにお前は〇〇だなぁと決めつけられたんだ。
僕だって知らない僕自身のことを、あいつは知ったように言うんだよ。

あいつが言っている、僕とは本物なのだろうか。
僕が僕だと思っている今日までの僕は僕なんだろうか。

じゃあ、仮にその〇〇が合っていたとして証明するものなんて何1つない。



つまり、「僕ってこういうやつ」なんてカテゴリーは存在しないんだ。

だんだん、そういう名前以外のタイトルを欲しがって、結果
「弱虫」
「強がり」
「いじっぱり」
「正直者」
などの代名詞が僕の周りをうろちょろする。
決して嫌ではないそんな環境に浸かりながら染まっていく僕自身だけが抵抗しているのだろう。



--------じゃあ逆に僕はどんな代名詞が欲しいのだろう。
「ヒーロー」
「かっこいい」
「素直」
「頼りになる」
そんな完璧に近い単語が目の前をよぎってはまた僕の視界へ戻るを繰り返す。
僕という代名詞には存在しなかった複数の名前が次々と挙手してゆく。


そんな僕になれるだろうか、そんな君になれるだろうか。


そう思えたときが、僕の代名詞が変わる瞬間なのだろう。



そして、欲しい名前が見つかる。

それが自分だ、それがだ。

歩きたい路僕自身なんだ。




そう思う夜とおやすみ。