ゆめ

始まりがわからない。
喜怒哀楽はある。
語るのは上辺？
私はどこ？



「夢があります。そのためにフリーターをしています。」



嘘つけ。
お前に夢なんかないじゃないか。

私には夢があった。
夢だった。

スポーツトレーナーになるのが。
スポーツトレーナーになって、サッカーやってる子供達を助けるんだ。

思ってたよ。
本当に。

私の夢だった！

三十才になるまでにプロサッカーチームのヘッドトレーナーになるんだ。
子供達の夢を守るんだ！

私の夢だった。

もういらない。
いつの間にか私の夢は格好を付けるだけの上辺。

他のトレーナーになりたい人達に迷惑だ。
私なんて死んでしまえばいいのに。

だが生きる。

はじめ

いつの間にか成人していた。

いつの間にか子供で居られなくなった。

いつの間にか素直でいられなくなった。

いつの間にか本音が語れなくなった。

いつの間にか生活の半分以上を嘘で塗り潰すようになった。

いつの間にか理由がわからなくなった。

いつの間にか道がわからなくなった。

いつの間にか目を輝かせて生活出来なくなった。

いつの間にか自分が知らない人になっていた。


私は誰だ。