「お母さん。」

「はい。」


さし?という言葉があってるかな・・・

真向かいには真剣な顔の娘。


「実は私、」

「・・・・」

「看護師になりたい。」

「・・・・・」

ん?


今、一度、言ってごらんなさい?

 

私の聞き違いか?

って、くらいビックリした私。


「・・・看護師って・・あの看護師?だよね。」

「ほかにあるの?看護師って。」

「いやいや・・そうじゃないけど・・。」

「○○ちゃんがしてる看護師。」

「・・・・・・・・・」


そう、姪っ子の名前を言った娘。


嬉しいというよりも

結構、ビックリの方が強かったかも・・。

だって・・・


血て何気に怖い~~

○○ちゃんみたいな

 

看護師なんて大変・・・

とか言ってなかったっけ?


どういう風の吹き回し?

ってくらい言葉がなかったんです。


確かに手に職を持つということは

私たちがいなくなってからも

 

いやいや、自分自身のためにも

 

将来的に役立つことはわかる。


結婚できない・・・

と、思ってるだろうし、

子供を授かる・・・

いやいや、結婚が先か・・

こうなったら、シングルもありだけどね・・

私的にですがね。

あくまでもです!!


そんなことよりもこのこは・・・


「実は退院してからじゃなくて

入院しているときに思ったの。」

「・・・・・・」


ほう・・

そんなに前から?


「抗がん剤治療の時、すごく助けてもらったの。

愚痴もいっぱい聞いてもらったし

何よりも怖かった時・・・。」

「・・・・・・・・・・」

「死ぬのかなって怖くなった時、

いろんな話をしてくれたの。」

「そっか・・。」


そばにいてあげられなかった分、

その恐怖は計り知れなかったことを思った。

そうだよね・・・

死の恐怖は

本人が一番感じたことだったんだよね。


私たちもあなたを失うんじゃないかって

恐怖で眠れない時もあったけど、

一番、精神的にも肉体的にも

つらく苦しい思いをしてたのは娘だったんだよね。

改めて、よくして頂いた病院へと感謝ですよね。

 

でもね・・・


「それでこの町にある専門学校を受験したいんだけど。」

「そう・・。」


こんな田舎にもその専門学校があるんです。

地方でましてや田舎は医師もそうだけど

看護師の確保がなかなか難しくて

なり手がいない・・

なり手がいても田舎は何もないから

中々、住んでくれない

イコール県外や街の方へと出て行ってしまう。


そこで、手だてを見つけ出そうと

医師会やその近隣の市町村の協力で

つくられた看護学校。


出来た当初は結構、倍率が高かったような・・

今はどうかな・・・



で?

どうしたいのかな・・・



「近々、そこに聞きに行ってみようと思ってる。」

「そう・・」


まずはそうだよね・・・

どういった感じで受験が出来るのか

社会人枠での受験はどこでもできるのは知っている。

果たしてそこもできるのか?


かれこれ、勉強という勉強自体、忘れてないか?


たしかに、ネット社会だから

調べてみることも大事だが

まずは近いんだから行ってみて

しっかりと聞いてくることが大事。


「まあ、そこにアポ取って行って

聞いてきなさい。」

「だから、そう言ったんじゃん。」

「・・・・・・」


この子ったら!!


どういった様子になっているのか、

さっそく電話をかけて

いく日にちを決めていた娘でした。

 

 

本気かな?