「なあ、聞いたか?」
緑色のジャージを着た4人組が、
コンロを囲んで顔を近づけた。
4人とも同じ刺繍の入ったジャージを着て、
箸を片手に理科の実験用具も持っている。
「あ、あの1年坊だろ?」
「まーた落とされたらしいな」
「……♪」
「なあ、何秒?」
「それがよ、3秒だったらしいぜ」
4人は『あのこと』を話していた。
階段の怪談。
ラッパッパへつながれる階段を上ったものは
テッペンを取るどころか、
降りてきて意識があったらすごいという物だ。
その降りてきた者にとどめをさし、
強いと陶酔するグループ。
チームホルモン。
「よしゃ、今回もとどめ、さしちゃう?」
言ったのはウナギ。
「やっちゃおうぜ」
面白そうに笑ったのはアキチャ。
「……♪」
嬉しそうにコクコク頷いたのはムクチ。
「やるか」
と箸を置いたのはリーダー、ヲタ。
チームホルモンは、
勝つ割合は少なく功績は残せないが、
団結力、これだけはどこにも劣らないと言う。
その存在はラッパッパにも知られているし、
優子にも知られているほどだった。
「なあ、でも今回降りてきた奴って……」
ウナギが難しそうな顔をして口を挟んだ。
ムクチは首を傾げると、ホルモンを口へ運ぶ。
なんだよ、とヲタは首を動かすが、
「…・いや、なんでもない。勘違いだろ」
と言葉を濁した。
ウナギは解らないような表情で、
「んー…」と言っていた。
それをアキチャは不思議そうに見つめ、
ホルモンをぱくぱく口へ運ぶ。
「なあ、知ってっか?」
アキチャは口を開いた。
全員が首を傾げた。
「階段って、幽霊出るらしいぜ。
優子さんそっくりの」
「優子さんだろ」
「違ぇんだよ、ヤバクネにタイマン張りに行ったときに出たとか。
しかも2人だって」
「頭ぶつけたか、可哀そうに」
誰も相手にしてくれなかったので、
拗ねたように頬を膨らませる。
本当なのにな、と内心思いつつ、
アキチャはそれを忘れようと思った。
