2025.12.27 94本目
本の扉をくぐり、〈真実〉に触れていくファンタジー。
本への強い執着。
それはやがて、ブックカース――《本の呪い》として姿をあらわす。
けれど私は思った。
本は独り占めするものじゃない。
読んだ喜びも、心が揺れた瞬間も、分かち合えるからこそ世界は広がっていく。
誰かの読み方に出会うことで、自分の見ていた景色が少しずつ更新されていくのだから。
自分が生み出した物語を、誰かに手渡していくことの尊さ。
主人公がハッピーエンドを愛していた理由が、胸に残った。
想像から生まれたキャラクターは、きっと我が子のような存在なのだろう。
私も、やさしさと思いやりのある物語を思い描いていたいと思った。
本の世界を舞台にしているだけあって、台詞の一つひとつ、言葉の選び方が実に美しい。
どんな言葉を使うか。
そこにその人の世界観が滲む。
つい似た表現に寄ってしまう自分を省みながら、物語の中を躍動する言葉たちに、胸が高鳴った。
そしてエンドロール。
YUKIの「Share」が流れた瞬間、涙がこぼれた。
部屋で聴くときは平気なのに、映画の余韻とともに大きなスクリーンで聴くと、
「Share=共有」というこの物語の核と重なり、心がじんわり温まっていく。
少し大げさかもしれないけれど、そこには確かに〈愛〉があった。
今年はあまり本を読めなかった。
読まなかった、のかもしれない。
だからこそ、来年はもっと本に触れようと思えた。
そんな気持ちをそっと灯してくれる作品に、2025年の瀬で出会えたことが、うれしい。
