宮崎駿監督作品
「風立ちぬ」
見てきました。
よかったです。
素直に。
主人公である堀越次郎さんの人生を淡々と、フィルムに収めたというかんじでしょうか。
そのあたりは、ドラマ見たいだったなと思う。たまに次郎の空想世界、夢の世界とリンクする場面があるが、そこはやはりアニメーションならではの美しい演出があって胸打たれた。
作りたい夢=武器。
このような矛盾を抱えながら生きること。
そんな葛藤が見てる側には否応なしに伝わってくる。
こんな時代ですから。
主人公自身は表だってそんな葛藤は出さない。いや、もしかしたら初めからそんな葛藤はなかったのかもしれない。皮肉を言う場面もあったが、本当のところは分からない。
でも、そこがこの映画のいいところ。
一人の男の人生が淡々と切り取られて並べてあるだけなのだから、心情とかは好きなようにいくらでも想像できるし、やったらいい。
そういう雰囲気がよかった。
大地震のシーンは、まがまがしかった。当時の日本の非力さとかをみたきがした。
なにもできない。ただ、街を覆う火が収まるのを待つだけ。誰も何にも逆らわない。
菜緒子とのシーンはつらかった。でも一言「きれい」だった。
ジブリアニメであんな、年頃の男女の恋愛は見たことがなかったのでどきどきした。
普段は飄々としている次郎が、涙を流したり焦ったり、「好きだよ」と言ったり・・・。
それを見ているだけで泣けてきて、
菜緒子がソッと立ち去るシーンからたたみかけで、感情が揺さぶられ涙がぼろぼろ流れてとまらなかった。
愛する人には「生きてほしい」。一方で自分が追い求め続けたまぶしい夢の、その行きつく先は殺戮兵器。
次郎の気持ちは、わからない。
時代がそうさせた。たまたま、次郎はその時代に生きた。だから「生きねば」ならない。
ただそれだけ。
サラリと風が吹き抜けるように、この映画も彼の人生の場面場面をサッと描いて終了。
ただ、見た後にはとてつもなくずしん、ときた。
彼が何を考えていたのかわからない分、見たものがいろいろな思いをめぐらすからではないかと思う。
映画館でもう一回くらい見てもいいかなぁと思う。
いい映画でした。