朝起きて、リビングに降りる。
母は2階で洗濯物を干している。
妻は私の朝食を作りに台所に立つ。
私は新聞を読みながら、それを待つ。
朝食が出来上がると娘が寄ってきて、私の膝の上に座る。
私はトースト口に運びながら、娘が落ちない様に片手で軽く支える。
台所から聞こえる妻の声に、娘は私の膝から飛び降りて駆け出して行った。
強くなってきた初夏の日差しも、朝ならまだ心地良い。
木が多いウチの庭には多くの鳥が飛んできて、競うようにさえずる。
その声に振り返り、しばしこの季節独特の緑で寝起きの目に栄養を与える。
深く、鮮やかな緑は、目を潤し、頭の中までスキッとさせる。
この季節の緑は、生命力に溢れている。
華やかで、鮮やかで、力強い。
庭に溢れる緑と娘の笑顔の調和が妙に取れていて微笑ましい。
ん…?
おいっ!!そこっ!!!
オマエは何をニヤニヤと笑いながら庭を歩いているんだっ!?
しかも、裸足じゃんっ!!まぁ、靴を一人で履けないから当然だけれど…。
娘、朝の脱走劇。
大人の目を盗んで、大好きな庭へ。
「出ちゃった」
的な、大人を少し小馬鹿にした様な生意気な笑み。
なんだかそれが良くってね。
本当に娘と庭の緑が妙に調和していて、しばらく眺めてしまった。
私の驚いた声を聞いた妻が、笑いながら娘を保護しに行きましたが、彼女も同じように感じた様で急ぐ様子はありませんでした。
新緑の季節。
娘は2歳になりました。
