一幕と二幕は様々な感情を味わったが最後のライモンダは腰を据えて観ることができてとてもよかった。
ライモンダのオニール八菜の手拍子が先生のレッスンを受けているかのようでもあった。舞台鑑賞のトレーニングと言っ
たところか。オニール八菜が舞台の上の模範で、観客という『けもの』を奮い立たせ、手なづけるがごとく。このまま二
月のSwan Lake、マノンへと続くのだ。それまでの半年間はやがてフランスへ帰国する彼女が一番のバレエ教師、海の向
こう、ひとつの地球、そしてひとつの空の下の一番のバレエ教師であることを心にとどめながら、
自分は日本で晩夏、秋、冬という季節を踊り、少し成長した`観客‘という生徒としてやがて春を迎えようとする上
野で再会したいと思っている。