こんにちは、アワサカナです。
久しぶりの読書感想は、こちらです。
「この闇と光」 服部まゆみ 角川文庫(絶版)
賞を受賞しデビューした、銅板画家でもある推理作家でした。
寡作ですが、耽美・幻想的な作風で人気を博し、ファンの間では中井英夫先生の系譜を継ぐものと目さ
れていたようです。
この作品は、そんな服部ワールドの真骨頂と謳われる名作です。
そんな、「この闇と光」のあらすじは、
ある王国の、失脚した国王とともに、森の中の屋敷に幽閉されている盲目の美しい姫君、レイア。
優しい父と、魔女だと云われる侍女のダフネと共に、穏やかで満ち足りた日々を過ごしていた。
父の語る美しい物語と、移りゆく季節の中で成長するレイアの世界は、しかし、少しずつ崩れ、歪み始め
て行く。
服部まゆみさんの作品ということで読み始めた本書だったのですが、普段、ファンタジーを読まない私で
も、その作品世界にすぐに引き込まれていきました。
優しい父に見守られながらも、侍女のダフネに命を狙われているレイア。
「光の娘」と呼ばれ、美しく成長していく彼女の日々の暮らしが、四季を通して繊細な筆致で描かれて
おり、その行く末が気にかかってページをめくる指が止まらなくなります。
そして儚くも、美しいファンタジーの世界は、後半に至るや一転し、恐ろしい現実が待ち受けています。
タイトルが示す通り、前半部分の闇と、意外な真相が姿を表す光の対比が鮮やかで、読む者を陶然とさ
せるでしょう。
そして、光あふれる世界へと導かれたレイアですが、彼女にとっての幸福は、その光の中で見つかるの
でしょうか。
驚きに満ちた結末は、あなたの目で確かめて下さい。
