寂れてしまった郊外のニュータウンで暮らす人々を描いた連作小説集。
「最後のブルガリ」
居候・絵理が家主の朱美が何日も留守しているのに、朱美の心配より自分の食事を気にしているのは呆れてしまう。 絵理は平凡な生活を送っていたが、母をガンで亡くし父は母の後追い自殺を図り、独りぼっちという悲しい境遇。しかも、結婚に最後の望みを託していたのに破局と辛すぎる。そんな時にキャバ嬢(中学の同級生)朱美と再会し、会社員を止めてキャバクラで働き始めるのは心配になる。ブランド品やアクセサリーにお金を注ぎ込み、借金取りに追われ、どん底の生活に陥るのは想像通りだった。朱美が居なくなり、ひもじい食生活を送る絵理に同じ団地の住人のおばさん・里子が肉じゃがを届けてくれたのは有難い!絵理は団地の住人を自分を探す探偵だと思い込み、夜逃げして隠れていて自分の事を言わないで欲しいと里子に言う。里子が今後の生活を解決案を出してくれる中に、朱美が帰ってくるのは一安心。絵理は朱美も里子もいて、一人ぼっちじゃないと思い、生きる気満々な前向きな姿勢は良かった。
「黒猫と団子」
落第し母の一言で高校中退、両親は離婚、居場所がなく一人暮らしを始めて、キャバ嬢になった経緯は同情してしまった。年が増すにつれ、待遇が悪くなるキャバ嬢生活に虚しさを感じた。離婚して以来、朱美は10年ぶりに父と再会。カッコ良くて金回りの良い父は、みすぼらしくなるが気楽に生活を送っていたのは良い。父の誘いにのって父の暮らす団地へ朱美は出かけて、そこで暮らし始めるのは、どういう風の吹き回しかと思ってしまう。朱美は絵理に慕っていると思ったら、嫉妬してブランドにハマるように仕向けたのだった。しかも朱美は数日行方をくらませて、計算して絵理を困らせようとするのは冷血でガッカリ。
「遠い遠い隣町」
里子の夫は10年前に睡眠中に心不全で亡くなり、落ち度があったのではと自問自答する里子が辛い。里子の息子の嫁は美人で堅実で何とも理想的。一人きりの団地生活が寂しく、隣町に住む息子夫婦の元をしょっちゅう訪ねるが、里子の肉じゃががきっかけで嫁とギクシャクしてしまうのは悲しい。ほんの些細な事で嫁姑関係が悪くなるんだと感じた。大鍋いっぱいに料理を作り配るのが生き甲斐だが、息子や夫はそれを口にする事はないとは切なすぎる。
「いつか響く足音」
ニ度も結婚するが離婚、長男は暴力団員、次男は医者で結婚していて、一人で団地に住む静子。50歳過ぎて一人が嫌で何となくで、よく知らない人物と三度目の結婚をするのは、軽々しく感じる。その結婚して1年半後に次男が医療ミスで、5千万の示談金を用意しなければいけないのは困ってしまう。静子は金策で悩むが、ちょうど良い時に夫が事故死して二千万円の生命保険を受け取る。お金の問題は消えるけど、また一人ぼっちになって何だか複雑。
「闇の集会」
幼い頃の母の一言と猫の呪縛に捕らわれ、猫の集会を求めるカメラマン克也は優しすぎていた。克也の母は二度も結婚するが夫の不貞で離婚し、幼い克也を抱えて必死になるのは、いたいけない。父を恨み父のようになるなと言う母が原因で、萎縮してしまう克也が気の毒になってしまう。だが写真に興味を抱き、ゲイクラブで働きながらもカメラマンを目指すようになったのは良かった。やっと雑誌に載り、母に報告できると思ったら母は心不全で亡くなり落胆してしまう。母を楽にしてあげたいとの一心で頑張ってきた克也が報われない。母が猫の集会の写真を持っていたので、天才カメラマンになった今でも克也は猫を追い続ける。克也はいつまでも幸せになれないんじゃないかと思ってしまう。
「戦いは始める」
里子が絵理を借金地獄から救いだそうと団地の住人の集会をするのは、お節介な気もするが有難い。頼りになる人だった。団地の皆、絵理の事は口実で、集まって美味しい物を食べながら、お酒を飲んで話をしたいというのは微笑ましい。絵理は熱心に借金の事を考えてくれた仲島の昔話を聞く。仲島夫婦は子が恵まれず、妻は統合失調症になり自殺。再婚するが子宮癌で妻をまた亡くすという辛い経緯。それでも、この団地に住み続けているのは魅力があるからと。仲島は絵理を応援し、ツテがあるからいつでも相談にのると言ってくれ心強い。
「エピローグ」
団地は老人ホームにする話があり心配になる。朱美は今の団地生活を気に入っていて、絵理は堅気の仕事を見つけて寮に入っていて安心する。団地をひっくるめて家族と考える朱美の考えが良かった。
皆、孤独や寂しさを抱えているが、人との繋がりを持っていて温かい気持ちになった。人との交流って大事だと思った。
変わり者のおばと姪・弥生にまつわる家族の話。
高校の音楽教師をする独身で地味なおばの生活は、実に変わっていた。プライベートは自分の思うがままの暮らしぶり、羨ましい。おばは祖父の葬式には出席せず、旅行に行くと言い、全く何を考えているのかわからず不思議。当時小学生だった弥生が本当の理由(泣き暮れている)のを分かるのは賢い!弥生はそんなおばを訪ねて、口ではハッキリ言わないが心通わすのは素敵。19歳の弥生は家出し、おばの家を訪ねてピアノの音色を聞き、初夏が始まる。弥生の家庭は幸せな中流家庭だが、何か忘れていると弥生は感じて、何だ何だと気になる。ある日、弥生は母に幽霊を見た事があると話し、母は小さい頃から敏感で多感な子だったと。感じやすい性質、どれだけ大変だったろうか。弥生が弟を過剰に心配し、依存するのは少し恐い。おばと弥生の生活はゆったりと流れ、私まで心休まる。弟から心配の電話があり、帰るが。このままの暮らしを続けるか弥生は迷う。どちらも取りたくなる。おばは弟が弥生を好きで、弥生も弟が好きというのを悟っているのは凄い!叶わない姉弟の恋が辛い。弥生は両親と血の繋がりがない事や、おばが本当の姉だと悟る。本当の両
親は家族旅行で事故死し、自分達は生き残ったのだとおばは語る。おばや弥生を引き取った今の両親や亡き祖父は優しすぎて、何故か心が痛む。優しさは時に人を傷つける。弟がおばの家を訪ねて、弥生は家に帰ろうと決めるが、おばは帰ってこないで心配になる。弟はおばの行く当て(軽井沢の別荘)を言い出し、弟と弥生の二人でおばを探す旅に出るのは、何だかルンルンしてしまった。別荘におばは居ないが書き置きがある。旅は愛を深めると。おばは一体どこに行ったのだろうか…。弥生と弟を結びつけようとするために、わざと行方不明になったのだろうか?おばが居なくなった意図がわからない。翌日、おばの教え子・立野(19歳)が別荘を訪ねてくるのはビックリ!おばは3ヶ月前に立野に立野の子を下ろしたと言っていて、仰天してしまう。立野はおばの授業は突飛で面白くそこに惹かれたと言い、納得。おばのような教師だったら、音楽の授業を楽しみにしてしまう。立野の恋する姿は目がキラキラしたような所を想像してしまう。弥生は弟におばに会えるまでは家に帰らないと。弟は中学生の時におばと弥生の事を知ってたが、今まで知らないフリ
をしていたと。やっぱり弟は賢い。弥生は養女の事やおばが本当の姉だというのを気にせず、人生が2倍になったようだと喜ぶ前向きな姿勢は素敵だった。弥生と弟は何も言わず口づけをするが、その後に弥生が孤独感を抱えていたのは何故だろうか?東京に帰った弥生と弟はこの恋を成就するために、色々考えるが良い案が浮かばず残念。血縁はないと言っても、戸籍上では姉弟な二人。やっぱりこの恋は叶わないの?と切なくなる。弟は家に帰り、弥生はおばの家へ。弥生はおばの部屋に入り、初めてその部屋に入った時におばが弾いたピアノの音を聞いたのを思い出す。ピアノにある青森のガイドブックを発見し、おばの行く先が今度こそわかるのは嬉しい。青森・恐山は家族旅行で行く予定だった。青森へ向かう弥生は家族旅行や実の両親を思い出し、あの幸せな家族には二度と戻れないと思うのは悲し過ぎて涙が溢れる。青森でやっとおばと再会し、恐山へ行って二人が姉妹となり、引きずっていた過去にようやく終わりを告げられるのは良かった。
でも、これから先が弥生は大変そう。育ての両親に対してや弟との関係がどうなってしまうのか気になる。だけどおばとは姉妹として付き合えて、深い交流が以前より出来るようになるから良いかもしれない。全体的に哀しい予感や雰囲気が漂っていたけど、最後は幸福な方向に向かっていて安心した。
高校の音楽教師をする独身で地味なおばの生活は、実に変わっていた。プライベートは自分の思うがままの暮らしぶり、羨ましい。おばは祖父の葬式には出席せず、旅行に行くと言い、全く何を考えているのかわからず不思議。当時小学生だった弥生が本当の理由(泣き暮れている)のを分かるのは賢い!弥生はそんなおばを訪ねて、口ではハッキリ言わないが心通わすのは素敵。19歳の弥生は家出し、おばの家を訪ねてピアノの音色を聞き、初夏が始まる。弥生の家庭は幸せな中流家庭だが、何か忘れていると弥生は感じて、何だ何だと気になる。ある日、弥生は母に幽霊を見た事があると話し、母は小さい頃から敏感で多感な子だったと。感じやすい性質、どれだけ大変だったろうか。弥生が弟を過剰に心配し、依存するのは少し恐い。おばと弥生の生活はゆったりと流れ、私まで心休まる。弟から心配の電話があり、帰るが。このままの暮らしを続けるか弥生は迷う。どちらも取りたくなる。おばは弟が弥生を好きで、弥生も弟が好きというのを悟っているのは凄い!叶わない姉弟の恋が辛い。弥生は両親と血の繋がりがない事や、おばが本当の姉だと悟る。本当の両
親は家族旅行で事故死し、自分達は生き残ったのだとおばは語る。おばや弥生を引き取った今の両親や亡き祖父は優しすぎて、何故か心が痛む。優しさは時に人を傷つける。弟がおばの家を訪ねて、弥生は家に帰ろうと決めるが、おばは帰ってこないで心配になる。弟はおばの行く当て(軽井沢の別荘)を言い出し、弟と弥生の二人でおばを探す旅に出るのは、何だかルンルンしてしまった。別荘におばは居ないが書き置きがある。旅は愛を深めると。おばは一体どこに行ったのだろうか…。弥生と弟を結びつけようとするために、わざと行方不明になったのだろうか?おばが居なくなった意図がわからない。翌日、おばの教え子・立野(19歳)が別荘を訪ねてくるのはビックリ!おばは3ヶ月前に立野に立野の子を下ろしたと言っていて、仰天してしまう。立野はおばの授業は突飛で面白くそこに惹かれたと言い、納得。おばのような教師だったら、音楽の授業を楽しみにしてしまう。立野の恋する姿は目がキラキラしたような所を想像してしまう。弥生は弟におばに会えるまでは家に帰らないと。弟は中学生の時におばと弥生の事を知ってたが、今まで知らないフリ
をしていたと。やっぱり弟は賢い。弥生は養女の事やおばが本当の姉だというのを気にせず、人生が2倍になったようだと喜ぶ前向きな姿勢は素敵だった。弥生と弟は何も言わず口づけをするが、その後に弥生が孤独感を抱えていたのは何故だろうか?東京に帰った弥生と弟はこの恋を成就するために、色々考えるが良い案が浮かばず残念。血縁はないと言っても、戸籍上では姉弟な二人。やっぱりこの恋は叶わないの?と切なくなる。弟は家に帰り、弥生はおばの家へ。弥生はおばの部屋に入り、初めてその部屋に入った時におばが弾いたピアノの音を聞いたのを思い出す。ピアノにある青森のガイドブックを発見し、おばの行く先が今度こそわかるのは嬉しい。青森・恐山は家族旅行で行く予定だった。青森へ向かう弥生は家族旅行や実の両親を思い出し、あの幸せな家族には二度と戻れないと思うのは悲し過ぎて涙が溢れる。青森でやっとおばと再会し、恐山へ行って二人が姉妹となり、引きずっていた過去にようやく終わりを告げられるのは良かった。
でも、これから先が弥生は大変そう。育ての両親に対してや弟との関係がどうなってしまうのか気になる。だけどおばとは姉妹として付き合えて、深い交流が以前より出来るようになるから良いかもしれない。全体的に哀しい予感や雰囲気が漂っていたけど、最後は幸福な方向に向かっていて安心した。
明治初期に庶民の暮らしを守ろうと人命 保険結社を立ち上げた男が多くの困難に立ち向かう話。
タイトルが衝撃的!だが本の帯の解説で生命保険だとわかり、何だと気が抜ける。
明治12年、質屋を営む角田の知り合いの巡査が、強盗事件に巻き込まれ亡くなるが、遺族には一時金で微々たる額しか支払われず気の毒だった。戦死した遺族には毎年お金が支払われ不公平。巡査の妻・おはつのために町内から見舞金を集めたり、良い職を探してあげたりと角田は人が良い。だが、おはつは幼い息子を連れて生まれ故郷に帰ってしまう。この町だと夫の姿を思い出すという、おはつの想いはわからなくもない。巡査の生前の仕事ぶりが評価され、おはつには一時金以外に年金が下がる可能性が出て、少し安堵した。銀行や株式などお金を扱う商売の時代の流れを感じ、角田は今の商売に不安を抱く。そんな時に人命保険会社を作った安田の話を知り合い・太吉から聞く。巡査の死や残されたおはつ、もし自分が亡くなった時に残る妻・おさきのためになるかもしれないと考えて、角田は安田に会うが、まるで相手にされず腹が立った。悔しがる角田が、おさきに葉っぱをかけられて、人命保険を自分で作ろうとするのは大きく出たなぁと感心してしまう。大火事で職や妻を亡くした優秀な酒井を雇えるのは良かった。立ち上げた会社「友愛一銭社」という社名は意味が
あり、素敵だった。「転ばぬ先の金は、そば一杯の銭(一銭)」という宣伝文句も加入しやすくて良い。角田達は一万口の社員を集めるために、勧誘を始める。酒井は自分の身を持って知った残された家族の思いと、人命保険の大切さを話し、勧誘に成功するのは良かった。開業して1年経ち、二千口の社員が集まるが、東京には人命保険会社が次々と出来て、勧誘競争が凄まじくなるのはドキドキした。しかも、加入社員が新しく出来た明治生命の大会社に移ってしまうのは困り物。角田は加入者のフリをして明治生命の保険内容を聞くが、加入条件が色々とあり小難しい。詐欺めいた保険会社が多くなり、角田の会社も誤解され、悪い記事が新聞に大きく掲載るのは、弱ってしまう。角田は会社を止めようかと考えるが、病に伏せる酒井が「次の手を考えねば」という言葉で思い直しホッとする。酒井が火事が多い東京を考えて、火災保険を付け加えるのは良い案だった。それから5年後火災保険が功を奏し、着実に社員が増えて三千口になるのは良かった。都内ではコレラが流行り、おさきが勧誘しに行った先で生物を食べてコレラに感染するが助かったのは本当に良かった
。肩に力が入っていたのか、ほうっと抜け落ち着ちた。コレラの蔓延で東京は酷い有り様。角田はコレラで亡くなった遺族へ死亡救助金を渡す。遺族が社に入っていて良かったと感謝していて、これまでしてきた事が報われるようだった。コレラの死亡者の遺族に救助金をちゃんと支払う、角田達の会社の評判が上がり、加入者が増加するのはコレラも捨てたもんじゃないと思った。遺族への支払い金を巡って太吉と仲違いするが、角田は巡査の息子・源太郎という新たな片腕を手に入れるのは良かった。保険金詐欺に合い、大金を支払って騙された角田の悔しがる。人の死を金で弄ぶ馬鹿者と批難する角田の強い怒りが伝わってくる。源太郎は20歳にし19歳の妻を迎えて、二人は角田夫婦の息子夫婦のようで気持ちが上だってしまう。詐欺事件の事もあり源太郎の考えに従い、開業から10年を期に規則を見直すのは仕方がない。奏せざる得なかった。源太郎夫婦には子が生まれて、養子縁組にし孫が出来る角田夫婦が喜ばしい。そして、角田は出産保険をひらめき再出発する良かった。儲け仕事で始めた会社は結局は人助けだった。だけど、大金は手に入れられなくても
、角田夫婦は大切な物を得られた気がする。
人助けと連呼し給与金を見舞う角田の人情の厚さ、江戸っ子そのもので惚れ惚れした。弱気になった角田を励ましたり、支えたり、勧誘を手伝う、良い妻ぶりを発揮したおさきも凄く良かった。角田夫婦の人の良さで、集まる人も大概は良い人だった。人に情けをかける人は、人に恵まれるのだと思った。
タイトルが衝撃的!だが本の帯の解説で生命保険だとわかり、何だと気が抜ける。
明治12年、質屋を営む角田の知り合いの巡査が、強盗事件に巻き込まれ亡くなるが、遺族には一時金で微々たる額しか支払われず気の毒だった。戦死した遺族には毎年お金が支払われ不公平。巡査の妻・おはつのために町内から見舞金を集めたり、良い職を探してあげたりと角田は人が良い。だが、おはつは幼い息子を連れて生まれ故郷に帰ってしまう。この町だと夫の姿を思い出すという、おはつの想いはわからなくもない。巡査の生前の仕事ぶりが評価され、おはつには一時金以外に年金が下がる可能性が出て、少し安堵した。銀行や株式などお金を扱う商売の時代の流れを感じ、角田は今の商売に不安を抱く。そんな時に人命保険会社を作った安田の話を知り合い・太吉から聞く。巡査の死や残されたおはつ、もし自分が亡くなった時に残る妻・おさきのためになるかもしれないと考えて、角田は安田に会うが、まるで相手にされず腹が立った。悔しがる角田が、おさきに葉っぱをかけられて、人命保険を自分で作ろうとするのは大きく出たなぁと感心してしまう。大火事で職や妻を亡くした優秀な酒井を雇えるのは良かった。立ち上げた会社「友愛一銭社」という社名は意味が
あり、素敵だった。「転ばぬ先の金は、そば一杯の銭(一銭)」という宣伝文句も加入しやすくて良い。角田達は一万口の社員を集めるために、勧誘を始める。酒井は自分の身を持って知った残された家族の思いと、人命保険の大切さを話し、勧誘に成功するのは良かった。開業して1年経ち、二千口の社員が集まるが、東京には人命保険会社が次々と出来て、勧誘競争が凄まじくなるのはドキドキした。しかも、加入社員が新しく出来た明治生命の大会社に移ってしまうのは困り物。角田は加入者のフリをして明治生命の保険内容を聞くが、加入条件が色々とあり小難しい。詐欺めいた保険会社が多くなり、角田の会社も誤解され、悪い記事が新聞に大きく掲載るのは、弱ってしまう。角田は会社を止めようかと考えるが、病に伏せる酒井が「次の手を考えねば」という言葉で思い直しホッとする。酒井が火事が多い東京を考えて、火災保険を付け加えるのは良い案だった。それから5年後火災保険が功を奏し、着実に社員が増えて三千口になるのは良かった。都内ではコレラが流行り、おさきが勧誘しに行った先で生物を食べてコレラに感染するが助かったのは本当に良かった
。肩に力が入っていたのか、ほうっと抜け落ち着ちた。コレラの蔓延で東京は酷い有り様。角田はコレラで亡くなった遺族へ死亡救助金を渡す。遺族が社に入っていて良かったと感謝していて、これまでしてきた事が報われるようだった。コレラの死亡者の遺族に救助金をちゃんと支払う、角田達の会社の評判が上がり、加入者が増加するのはコレラも捨てたもんじゃないと思った。遺族への支払い金を巡って太吉と仲違いするが、角田は巡査の息子・源太郎という新たな片腕を手に入れるのは良かった。保険金詐欺に合い、大金を支払って騙された角田の悔しがる。人の死を金で弄ぶ馬鹿者と批難する角田の強い怒りが伝わってくる。源太郎は20歳にし19歳の妻を迎えて、二人は角田夫婦の息子夫婦のようで気持ちが上だってしまう。詐欺事件の事もあり源太郎の考えに従い、開業から10年を期に規則を見直すのは仕方がない。奏せざる得なかった。源太郎夫婦には子が生まれて、養子縁組にし孫が出来る角田夫婦が喜ばしい。そして、角田は出産保険をひらめき再出発する良かった。儲け仕事で始めた会社は結局は人助けだった。だけど、大金は手に入れられなくても
、角田夫婦は大切な物を得られた気がする。
人助けと連呼し給与金を見舞う角田の人情の厚さ、江戸っ子そのもので惚れ惚れした。弱気になった角田を励ましたり、支えたり、勧誘を手伝う、良い妻ぶりを発揮したおさきも凄く良かった。角田夫婦の人の良さで、集まる人も大概は良い人だった。人に情けをかける人は、人に恵まれるのだと思った。
