フランスの優勝で幕を閉じたW杯。
元々、優勝予想はフランスだったので、当たっぞ!始まる前にそれ系のブログ書いておけば良かったと思ったが、時すでに遅しである。
早いもので来月からはリーグアンを皮切りに欧州主要リーグも開幕を迎えるので、その前にW杯の余韻に浸りつつ振り返ることとする。フランスと日本をメインに。
GLはなんなく勝ち抜けたフランス。初戦はオーストラリア相手に、VARと後にオウンゴールとなったポグバのなんちゃってゴールで勝利。内容は全く伴わずに勝ったので、やはり強いなと思わされた試合だった。続くペルー戦も勝ち、最終戦のデンマーク戦は談合したので、GLは特に苦しむことはなかったのではないだろうか。
本気モードになったのは、決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦だろう。ンバッペの反則的なスピードにCBロホがたまらずファールでPKを献上すると、グリエズマンがなんなくゴール。ここまでは順調だったのだが、前半終了間際にディ マリアにスーパーゴールを決められると、後半開始早々にもセットプレーからメルカドに逆転ゴールを許す。メッシを要しながら、連動性など皆無だったアルゼンチンに逆転を許し、雲行きが怪しくなったレ ブルーを救ったのは、開幕直前にレギュラーを奪った右サイドバックのパバールだった。左サイドバックのリュカ エルナンデスのクロスの流れたボールを豪快なミドルシュートを叩き込み同点。その後はンバッペの2ゴールで試合をほぼ決めた。終了間際にアグエロに1点返されるも反撃はそこまでに抑えベスト8進出。
準々決勝では、カバーニを欠くウルグアイを一蹴し、準決勝へ駒を進め、ベルギー相手に、セットプレーからンムティティのゴールを守りきった。最後はイタリアかと思うような時間稼ぎ。チェルシーでアンチフットボールを散々やっているクルトワやアザールにケチをつけられるも、なんのその。勝つためにすることが全て正しいのです。
決勝はご存知のようにクロアチアを殴り、20年ぶりの優勝。最後にロリスがやらかすも、「試合には影響なかっよね。」とどこ吹く風だ。デジャンは選手でも監督でも優勝という男前になりましたとさ。めでたしめでたし。
さて、優勝の立役者に挙げたい選手が2人いる。両サイドバックのパバールとリュカ エルナンデスだ。ジディベとメンディがレギュラー候補だったのだが、両選手とも故障明けで
コンディションに不安が残るため2人が起用されたわけだが、穴を埋める以上の働きぶりではないだろうか。リュカ エルナンデスはアトレティコだし、逮捕されてたので知っていたが、恥ずかしながらパバールに関しては開幕まで存じあげませんでした。どこぞのビッグクラブに移籍するのか注目です。
98年の初優勝以降、02年はGL敗退。06年は準優勝も、ジダンの頭突き。その後はアネルカが追放されたり、ベンゼマの恐喝事件等問題が山積みだったレ ブルー。異端分子を排除しデジャンの人徳でここまでまとめ上げた上に、現在の代表チームは個々の選手のスキルが元々高いのだから優勝したって不思議ではない。CBはレアル マドリーのヴァランヌと、バルセロナのンムティティ。中盤には1チームに1人は欲しいカンテとマテュイディに加え、強烈な個を持つポグバ、ンバッペ、グリエズマン。最前線には労を惜しまないプレーでチームに貢献したジルー。ベンチには、ンゾンジ、フェキル、ルマル、トヴァンらを揃えとにかく層は厚かった。
4年後も安泰かどうかは定かではないが、この国には世界に誇る育成システムがあり、そこが崩れない限りは大丈夫であろう。新たに創設されるネーションズリーグとユーロ2020でどれほどの成績を残せるかに注目が集まる。
さて、開幕2ヶ月前に監督を切るという劇薬を使った我らが日本代表。その甲斐あって?なのかなんなのか知らないが大方の予想を裏切ってベスト16入りを果たした。
積もるところ、コロンビア戦で相手が1人退場したのが大きいが、運も実力のうちである。1人少なかろうがコロンビアにしっかり勝てたのが大きかった。続くセネガル戦も一歩も引くことなく、最後はケイスケ・ホンダがケイスケ・ホンダであることを証明した。ポーランド戦は悪い意味でW杯の歴史に残るような試合になってしまったが、GL突破するためにの最良の手段だったということであろう。フットボールは、時にこのような矛盾を生むことを教えてくれた。様々な意見があるようだが、最終的には「勝つためにやることが全て正しい派」vs「常に美しさや潔さを求める派」に二分されるし、両者は永遠に交わることはないだろう。また、わかりあう日も来ないので議論するだけ無駄である。ちなみに私は前者なので、ポーランド戦は大いに満足だ。
世界からバッシングを浴びる中迎えたベスト16のベルギー戦は素晴らしかった。選手たちから、ポーランド戦は本当の俺たちじゃないと言わんばかりのフットボールを披露。だからこそ、最後のCKを本田が蹴ってしまい最終的に逆転を許すことになったのだが、これをポーランド戦で見せられてたら、西野さん帰国できなかったと思う。結果的に負けはしたが、今までで一番にベスト8に近い日本代表ではあった。
だがしかし、手放しで喜んではいられない。本田、長谷部といった主力選手の代表引退や、今大会で好パフォーマンスを披露した選手たちの高齢化。中島、久保、浅野といった面々をメンバーに入れなかったツケをこれから払っていかなければならないのだ。
イメージとしてはようやくザックジャパン終わったといったところだろうか。4年前、自分たちのサッカーで爆死してから、そのメンバー達が研鑽を重ね、今大会のベスト16を達成したのである。長谷部や西野監督からの口からも8年周期という言葉が出てきたが、まさにそういうことであろう。
しかし忘れてはならないことは、選手とのコミュニケーション不足などという不明瞭な理由でハリルホジッチ氏を切ったということ。今回のベスト16はは確かに立派な成績ではあるが、解任は正解ではないということだけはしっかり認識しておかなくてはならない。2度とあってはならない事案だということをJFAが認識していれば良いのだが。また。ハリルホジッチ氏が提言した、デュエルや縦への推進力といった部分は宿題として残ったままだし、ベスト8を達成するためには欠かせない要素なので、この先どのように解決し、日本サッカーのレベルを上げていくのか。そのために必要な人選を次期代表監督にできるか。次の代表戦は9月になるが、それまでのJFAの動向は大いに注目だ。