息子を出産してから別れて暮らしている父が頻繁に母のマンションに来る様になりました。

父は我が息子を母の早産で7ヶ月で亡くしています。

父が望んでいたのは息子でした。

私が息子を産んでから産後の床上げが、まだ終わる前から母のマンションを訪ねては私の息子、父の初孫を見に来ました。

父は毎回、抱くのでは無くて見るだけ。

私が産まれた時、刑に服していた父は赤ちゃんを抱いた事が無いのか？

父が来ると母は父の好物を手作りして、もてなしていました。

傍から見ると普通の家族に見える風景です。

父は私が男の子を産んだ事が

よほど嬉しかったのか。

来るときは、いつもご機嫌でした。

−父が買ってくれたブランコ−

スキンシップが下手な父は孫にも私の時と同じく沢山のプレゼントを持って来ました。

母は母で離婚しても父と私が会うのを嫌がらなかったので、息子が産まれてから、我が家は家族団らんの時を持てました。

離婚している父と母。

一人娘の私に私の息子。

父は51歳で、おじいちゃんになりました。

そして

私が男の子を産み夫の両親は跡取りが出来たと喜んでくれました。

私が嫁いで数カ月後に夫の姉は33歳の若さで、幼い子供3人を残して乳癌で亡くなりました。

私が、まだ妊娠する前の事です。

義理の姉はたった一人の弟に嫁いだ私を凄く大切にしてくれました。

私達の結婚式には元気な姿で参列してくれました。

それから、わずか3ヶ月後に優しかった義理の姉は帰らぬ人になりました。

亡き義理の姉は、どんなに辛かったか。

義父母は癌の転移を本人には伝えていませんでした。

今の様に患者に直接、話さない時代です。

息を引き取る時、私は側にいました。

タンが喉に絡み呼吸が弱くなりました。

そのまま眠る様に亡くなりました。

結婚式の打ち掛けから葬儀の喪服を着る迄にわずか3ヶ月でした。

夫は一人っ子になったので私が息子を産んだ事で夫の義父母は、それは喜び益々、私を大切にしてくれました。

なのに、、、

−話は続きます−

ヤクザの娘に産まれて−頻繁に来る父−