リゾート地、サルデーニャ島 (後編) | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
https://arlnata.com/index.html

今回の記事は前回(前編)の続きです。

<参照:リゾート地、サルデーニャ島 (前編)



 サルデーニャ島滞在二日目、イタリア人の友人達と8人で超高級リゾート地porto cervo (ポルトチェルヴォ)からやや北にある観光の港町Palau(パラウ)という街でゴムボート(モーター付き)を一日貸し切り、周囲の小島などをボートで自分たちで回るという、イタリア人がいなければ想像もつかなかったであろう体験をしました。値段は8人乗りボート代が300ユーロ、ガゾリン代50ユーロ程をみんなで割る勘定で、時間は一日朝10時半から夜18時半までです。友人がもう何度か経験しているため運転は彼らに任せて、行き先も任せ、全て任せて僕はただただ景色を楽しむだけでした。

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sardegna palau map


 何度も言うようですが、なんと言っても海がキレイ!本当に真っ青なんです。そして陸に近い所はきれいな水色に透き通っていて、ただただキレイ!と思うしか無い景色が全面に広がっているのです。そしてこの辺りには小さな島がたくさん点在しており、それらをゴムボートで立ち寄ったりする訳ですが、中にはビーチがあるところもあったりで、そういうところにはもうすでにたくさんの人が海水浴を楽しんでいる訳です。当然の事ながらボートが無ければ来られませんので、来ている人はみんな僕たちの様にボートを借りているか、自分たちのボートを持っているという事になるわけですよね。とにかく、みんなこういった穴場の場所で競って楽しむのがツウなのかどうなのかはわかりませんが、もう常連さんばかりのような感じでした。

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 今回の旅で一番印象的だったのはなんと言ってもやはりボートでしょうか。ボートってあんまり日本人には縁がない様な印象がありますが、ヨーロッパでは間違いなく日本人より認識されていると思います。なんてったって、僕の住むミラノのnaviglio(ナヴィリオ運河)沿いでは春先くらいでしょうか、一般人(金持ち)向けのボートの展示会をやっていたりするのです。やはり、夏=海=ボート(金持ちならば、、、)というのがもう常識なのでしょうか。値段はあまり覚えていませんが、ボートって生産台数の違いもあるかもしれませんがそこら辺の高級外車よりよっぽど高いんですよ。ほんのちょっとの小さい形でも2万ユーロ(今だと約280万円)以上したり、ちょっと大きくなればもう7万ユーロとか10万ユーロとかはざらなんです。カッコいい!って思ったら、それはフェラーリとかポルシェを見てカッコいいと言うのと同じでもう既に20万ユーロ、30万ユーロ~、、、、とキリはありません。豪華な船になったら本体の値段に加えて、駐車場代(停泊代?)、運転手を雇う代金、などの維持費、そして基本的に夏の短期間しか使わない事を考えると、、、、、いやあ、相当贅沢品という事になりますね。日本ですと、成功の証としてまずは良い車、そしていい家っていうのがイメージとしてあると思いますが、ヨーロッパにはそれプラス、別荘とボート(船)っていうのが追加されている様な感じがあります。もちろん、上下の経済格差が 大きいヨーロッパは、日本よりも顕著に金持ちはとことん金持ちになり、貧乏人はなかなか金持ち組には上がれないという環境なため、こういったとんでもない富豪がたくさんいるのでしょうし、しかもイタリア国内だけでなく世界中の富豪が集まるので(地理的に)、日本と単純に比較する事は安易過ぎるかもしれません。今の日本はそれだけ中間層が厚く、ほどよく豊かな家庭が多い比較的安定した状態であることは個人的には日本の非常に誇れる点だと思います(ただし経済格差を開かせる様な政策、例えば不必要な所での規制緩和や外国人労働者の増加等、が進んで行けば日本も将来的には欧米型の様に経営者と被雇用者の格差が欧州の様に広がって行くかもしれません)。ですが、こういったヨーロッパの(一見良い)一面を見てみると、やはりすごいなと思わざるを得ませんし、頑張ってこんなモノを持ちたいとかというような、夢を与えてくれるきっかけになっているとは思います。


 結論はいつも同じなのですが、上記で言った様な頑張ろうと思える様な環境が日本のファッション業界にあるのだろうか、あるとしたらそのような頑張った結果、素晴らしい能力が備わった結果として成功している様な人達を業種・職種を超えて表に出して行くことで次につながる人に夢・希望を与えて行くという事はもっともっと必要なのではないかなと思います。そしてそういった成功者が例えばアジアの中でのサルデーニャ島に行くことがステイタスになったり、そういうこともあってもいいのかな、なんて思います。ちなみに、今回特に紹介したporto cervo(ポルトチェルヴォ)という超高級リゾート地は、数時間歩き回っただけですが、アジア人をほとんど見かけませんでした。そのかわりイタリア語じゃない言葉はあちらこちらから聞こえました。今やだいたいの観光地はもうアジア人で溢れ返っているのが常となってしまいましたが、ここサルデーニャは本当にアジア人が少ない穴場です(アジア人がいるからダメとかという意味ではなくて、アジア人が少ないので僕たちアジア人からすれば雰囲気としてより外国だなという感覚がするという点で言っているだけです)。来年の夏、ヨーロッパの海を満喫したいのであれば、是非サルデーニャをお勧めします(ミラノからたった一時間です)。そして、ヨーロッパの富豪が過ごす夏を少しでも垣間みて、そこからどういったものを彼らが求めているのかということもわかるでしょうし、その経験がまた新たなデザインソースになるかもしれません。そして僕もまだたった一回だけの経験だし、大型クルーザーに乗って豪遊した訳ではないので、偉そうな事を言える立場ではありませんが、こういった体験をすればなぜファッション業界にリゾート(クルーズ)というようなコレクションが出てくるのかというのも少しはわかるようになると思うのです。



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