藤沢周平の映画「山桜」を観てきました。
藤沢作品の映画化は「隠し剣鬼の爪」「蝉しぐれ」などいくつかある中で、「藤沢作品の映画化に一番成功した作品」だと感じた。
映画の上映時間は1時間半から長くても2時間余り。「蝉しぐれ」などのような長編作品をその時間の中に納めて、尚かつ作者の表現したいことを映像化することは、どうしても困難を伴うというか不可能としか思えない。
藤沢ファンの中には、作品のイメージが壊れることを恐れてあえて藤沢作品の映画を観ることをさけている人も少なくないようで、映画「蝉しぐれ」に落胆したのは私だけではないと思う。

「山桜」は文庫本でもわずか20ページほどの短編であることが、成功のベースとしてあって、そこに監督を始めとする制作者の「藤沢作品の忠実な映像化」へのこだわりがあって、すばらしい作品になったと思う。

原作の良さが一番ですが、主演の田中麗奈や、東山紀之、富司純子らの好演も光り、配役の違和感もない。
「久々にいい映画に出会えた」というのが率直な感想。 おすすめです。

公式HPはこちら http://www.yamazakura-movie.com/
新宿タイムズスクエアのテアトルタイムズスクエアで上映中