二十九日の東京株式市場は、中国景気の失速を懸念する売り注文が膨らみ、日経平均株価(225種)は大幅に続落し、一万七〇〇〇円を割り込んだ。下げ幅は一時六〇〇円を超え、取引時間中としてはことし一月以来約八カ月ぶりの安値をつけた。


大手鉄鋼会社が業績予想を下方修正するなど、中国経済減速の悪影響が日本企業に広がりつつある。東京市場はほとんどの銘柄が売られる全面安の展開になり、鉄鋼株や海運株などの値下がりが目立った。


中国の工業関連の経済指標が大きく悪化したことを背景に、前日の欧米市場で主要な株価指数が値下がりしたことも、東京市場の投資家心理を冷やした。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2015092902000251.html


 結局、大引けで714.27円安い 16,930.84円の17,000円割れを喫した。


 1月の年初来安値(大引け)を突き破る安値で、今年これまでの値上がり分が吹っ飛んだことになる。


 識者の意見として次の記事があるが、


http://jp.reuters.com/article/2015/09/29/instantviews-nikkei-fall-idJPKCN0RT08B20150929


 いずれも日本自身の景気悪化という事実関係を米中などの外因で覆い隠し(実際にはその比は7:3くらいで個人消費を中心とした内需が減退していることが大きい。外需が縮小する過程を支えるのが内需であるのにそこをないがしろにして「増税・物価のみインフレ」で「消費できない社会」にしてしまったことが大きい。)、それを打破するためにということで、これまでの経緯から現状のように効果が完全に消えた追加緩和や、累積財政赤字の上乗せに過ぎない公共工事頼みと従来型の破綻的財政政策を所望するありさま。


 さらに「輸出消費税還付」という補助金や、賃金を削ることで肥え太った大企業の内部留保を太らせることにしかならず社会に金が回らない「法人減税」という無効策を所望するバカもいる、何もわからないのだったら政策に口を出さず相場だけに目を向けて、年金運用担当者がいれば少しでも追加損失・目減りをなくすよう全力で取り組めということだ。


 いずれも最も国を支える個人消費の回復にはまったく言及しないという偏向振り、これだから海外投資家(すでにオイルマネーは日本から撤退したらしいが)から国民をないがしろにする衰亡国として敬遠されるのである。


 政策転換によって外為市場操作で円の貨幣価値を下落させる自殺行為を食い止め、消費税も5%に戻すなどの内需拡大措置を行う政策転換がない限り、一進二退の割合で株は下げ続けるだろう。


 最後に投入した年金の目減り額だが、年初来高値21,500円から4,000円の下落、率にして約20%。


 今年当初の年金資産138兆円ですでにその25%を投入で約35兆円、そのうち実に7兆円が暴落によってなくなってしまったということだ。


GPIFは指数採用銘柄だけを買って指数上げに利用しているから、指数下落がそのまま損害額につながるということで非常にその失政による損害がわかりやすい。


 厚労省試算では85年生まれの人がもらえる年金額が保険料総額の2.3倍だったそうだが、それは投入前の話。


 20分の1をすでにすってしまったわけだから、その額はさらに減るが、またこれから追加投入が行なわれるからさらに削られていくのである。


 不確かな株に依存するよりも、昨年末時点で5年前の試算よりももらえる額が増えた70歳前後というか現在もらっている世代の年金をいかに生活維持可能な範囲で減らせるかが制度維持のかぎとなる。


 なんせ保険料総額の5.2倍と今の30代の倍以上もらえるうえにその額5年前よりも増えているという、減らすべきときに減らしてこなかった小泉・安倍失政(法律違反だ)のツケがまわっての焼け太りだし。


 今のままでは長くとも10年で破綻、支払可能金額のペイオフを余儀なくされる。


 日経平均、年初に立てた年末15,000円割れ予測に変更なし、順調に下げている。


 来年は1万円を割って民主党時代の8,000円を下回る株価へ、日銀緩和も次やって今回までのように効果なしとなれば黒田総裁らネオコンメンバー一斉にクビで政策転換余儀なしとなるだろうし、それをやらないうちは下げ続けるだろう。


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