いわゆる“残業代ゼロ”の制度設計を検討してきた厚生労働省の審議会が「法律案要綱」を厚生労働大臣に答申した(3月2日)。法案は今国会に提出され、成立すれば2016年4月に施行される。

 どうせ年収が高くて専門職の人たちが対象でしょ?――。サラリーマンの間からはこんな声も聞こえてくるが、「自分には関係ないと思ったら大間違い」と警告するのは、3月18日に著書『2016年残業代がゼロになる 政府・財界が進める「正社員消滅計画」のすべて』(光文社)を発売する人事ジャーナリストの溝上憲文氏だ。


http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_309444?p=1


 財界が狙うのは「給与の歩合制」制度化、つまり残業代という概念をなくすということ。


 それを皮切りにあらゆる労働者保護政策を切捨てて労基法も労働安全衛生法も廃止して、労働関係係争対策法(仮称)にまとめて事後の訴訟対策における企業保護に一本化する腹だから会社に勤めるというメリットは何もなくなってしまうということだ。


 筆者のように自営ですべて完結する(自ら客を採る、経理も税務も自分でやる、あらゆる制度対応もすべて自己責任と本業以外の面でも多忙となって、基本休みも何の保証もないが)という生き方が主流にならざるを得ない時代を、先の総選挙で大多数の有権者が選んだという自業自得である。


2016年 残業代がゼロになる―政府・財界が進める「正社員消滅計画」のすべて/溝上 憲文
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