「どうしていつもそんな悲しそうな目でオレを見るんだ?」



オレには彼女がわからない。
わからないという発言すらおかしいのかもしれないが。
とにかくオレには彼女が本当にわからない。






「なぁ」
「なに?どうかした?」
「・・・いや、なんでもない」


そんなやりとりを何回しただろうか?
彼女に話しかけるのはいいが、話したいことが出てこない。
だからいつもなんでもないと言って、それだけ。
会話なんて続くはずもなく・・・



正直なところ、彼女と仲良しとかそういう仲でもない。
ただの、隣の席の、クラスメイト。
それだけ。


でもまぁ、気にはなってる。
けど告白とかそんなことオレにできるわけもなく。
クラスメイト、隣の席のお友達。
それだけだ。




「ねぇ」
「えっ・・・なに?」
珍しく彼女の方から話しかけられた。
こんなこと、初めてだ。


「あなたって可哀想な人よね」


わけがわからなかった。
彼女はいきなり何を言い出した?
「えっ・・・それ、どうゆうこと?」
「どうゆうこと?そうゆうことよ」


それだけ言って彼女は何も言わなくなった。
答えにも何にもなってないじゃないか。
可哀想な人?わけがわからない。


「一体何なんだよ・・・わけわかんねーよ・・・」





それからだ。
彼女が悲しそうな目でオレを見るようになったのは。
どうしてなんだ?
どうしてそんな目でオレを見るんだ?



「なぁ」
「・・・なに?」


「どうしてそんな悲しそうな目でオレを見るんだ?」


オレはその時初めて見たんだ。
彼女が目を大きく見開いてオレを見ていた、驚いた姿を。
そして彼女は静かに言った。


「もうすぐ・・・あなたは死ぬから」









数日後。
登下校中の男子学生が何者かに刺殺されるという事件が起きた。
第一発見者はその男子学生の同級生だと名乗る女子高生。
道端で倒れていたのを発見し通報したという。



男子学生は死ぬ間際、女子高生に言葉を残した。


「好きだったよ・・・。でも・・・君は本当に人間なのか・・・?」






「・・・さぁ?どうだろうね。おやすみ、○○くん。」







その事件以後、彼女の姿も消えたという。





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