第9278回「中咽頭癌、入院17日目、余命宣告記念日、今日は満1歳の誕生日」
第9278回は、「中咽頭癌、入院17日目、余命宣告記念日、今日は満1歳の誕生日」です。
「余命6カ月、長くて1年」と宣告されたのは、昨年(2015年)の今日(6月3日)でした。その間、母親が自分の子どもを0歳児だと言わず、「8か月なんですよ」と月単位でわが子を紹介するように、私も「6月3日」が、第二の誕生日になりました・・・・。この間、月単位で日々を過ごしています。
『 「この味が いいね」と君が 言ったから 七月六日は サラダ記念日 』と歌ったのは俵万智さんでした。本歌取りというよりパクりですが、私の場合は
『 主治医が 半年の命 と言ったから 六月三日は 余命記念日 』と言ったところです。
ここで簡単に発症から現在に至るまでの経緯を記すことにします。
Ⅰ 発症からホスピス選択まで(2014年5月~6月20日)
のどに違和感を感じ始めたの昨年のゴールデン・ウィーク後半のことでした。毎日感じる痛みではなく、断続的に発症します。R病院の耳鼻咽喉科を訪問したのは、5月25日のことでした。「ステージⅣの中咽頭がんだと思われますが、この病院ではスタッフの関係から対応できません」と告げられました。
翌日(5月26日)、紹介状を携えK中央病院に行きます。診察結果は同じでしたが、病状を確認する必要があるから、詳細な検査が必要だと告げられます。その際、医師が提示したのが3つの選択肢でした。
1. 患部の摘出オペ・・・・ 現在の病状では難しいのではないか。
2. 抗癌剤、放射線療法・・・・ 大変な苦痛を伴うことを担当医が指摘。その場合の治癒率は30パーセント程度。
3. ずばり、なにもしないこと。
私の選択は「3. なにもしないこと」でした。検査結果を受け、6月3日に、「何も治療をしなければ、余命半年、長くて1年」と宣告されます。さらに、「何もしないことを選択するとのことですが、後日、考えを変えられましても、既に手遅れになっていることを了承しておいてください」
紹介された病院が、H病院でした。私が居住する県では、この病院を含めホスピス部門を持つ病院は2か所しかありません。6月20日からH病院への通院が始まります。ところで、発病から6月20日までの間は、鎮痛剤を服用していましたが、ごく弱いものでした。当時、辛い想いをしたことを鮮明に記憶しています。ですが、後の痛みとの比較も可能にしてくれました。
Ⅱ. 小康状態期(2014年6月20日~2015年2月5日)
この時期を、私は「トラムセット期」と呼んでいます。少なくとも8月から11月までの4か月間は、寝起きと食事の時以外は、一切の苦痛から解放されていました。私にとっては、まさに魔法の鎮痛剤でした。ただ、12月に入りますと、微妙に痛む時間帯が拡がっていくことになります。それでも至福の時と言えるかと思います。
Ⅲ. 病状悪化期(2015年2月5日~5月18日)
トラムセットでは限界だと考え、次なる鎮痛剤として服用したのが、オキシコンチンでした。日量20mgから60mgに1カ月ごとに増量しましたが、トラムセット期のような緩和作用はありませんでした。そして、次に挙げる症状が顕著になってきます。
1. 食事が喉を通りづらくなったこと・・・・ 十回ほど経験したのが、口に入っている食べ物が、全く呑み込めなくなることです。その時には、水も飲めず、一度吐き出すしかありませんでした。もちろん、一度に口に入れる食事の量は最小限にしているのですが、やはりそういう症状が出てしまいます。
その後、外食では麺類が中心となり、レストランは遠慮することにしました。
2. 痰のキレの悪さ・・・・ 日中は平気なのですが、夜寝ている際、さほど回数は多くはありませんが、痰が切れないということが起きていました。眠れないときには、落語などを聴き、ブログを更新したりしていました。
そして、最も危惧していた事態が起きたのは、5月18日のことです。未明に息苦しくなって目覚めたことです。あるいは、目覚めたことで痰が喉を塞いだのかもしれません。15分ほど、息ができませんでした。もちろん、わずかずつですが、吸気はあったと思います。ほとんど声を出せない状態になりました。
Ⅳ. 入院期(2015年5月18日~)
朝の早い段階で、担当医に連絡を取ります。「それでは入院した方がいいでしょう、緩和ケアにつきましては、入院した状態で一緒に考えましょう」との返事でしたので、入院を決断したというのが実情です。担当医の判断は適切だったと思います。
実際、入院数日後には、話しづらくなるなど、諸症状が次々と顕在化きました・・・・。それらのことにつきましては、随時ブログに取り上げていきたいと思います。今日は、とりあえず「余命宣告記念日」です。ささやかですが、昼食にはタキシードを着て、ケーキに代わるものを食したいと思っています。
(追記) 決して愉快な内容ではありませんが、ブログテーマ「ガン日記」に興味がありましたらアクセスしてください。