みなさま

気分転換してますか?

 

(最終回)

 

*記事掲載につきましては本人許可の上、

大幅に加筆修正をしておりますので、

内容はほぼフィクションです。

また登場人物は全て仮名です。

ちょっと気分転換に短編小説を読んでいただくような感じで、

息抜きにお読みくださいますと幸いです。

 

 

登場人物;保育士 レイ子さん

 30歳代 女性

 

 

(第3話からの続き)

 

私が勤務する保育園に通っている

チイちゃんの父親はワタルパパ、

シングルファザーである。

 

私はそのワタルパパに、

何か惹かれるところがあった。

 

それが何かがその時はわからなかった。

 

10歳年上という年齢も顔もスタイルも

超越した何かだ。

 

子ども思いのワタルパパと、

素直でとても優しいチイちゃん。

 

私の中で「何か」が動いている。

 

 

それからしばらくして、

また、ワタルパパのお迎えが

仕事の都合で遅くなった時があった。

 

いつもの笑顔でワタルパパがお迎えにきて、チイちゃんと帰ろうとした時に、

 

チイちゃんが

 

「レイ子先生、

今度私の誕生日会を

お家でやるから来てね」

という。

 

私「嬉しい、呼んでね」

 

と社交辞令的に伝えたが、

チイちゃんはどうやら本気だ。

 

ワタルパパも

「先生は忙しいから、、」

と照れながらも

「もし良かったら、来ませんか」

と言う。

 

私は

「まぁ、都合が合えば、、、」

とお茶を濁すようないいぶりで答えた。

 

チイちゃん

「きっとだよ!」

 

数日後、

結局私はチイちゃんの誕生会に

行くことになった。

 

誕生会にはチイちゃんのおばあちゃんや

おじいちゃんもいて、

とても楽しい誕生会となった。

 

送り迎えだけの時にだけ

お会いするだけのワタルパパの

別の顔をうかがい知ることができた。

 

とにかくマイホームパパで

家庭を第一に考えるワタルパパ

であった。

 

そこには私が憧れていた

「何か」があった。

 

でも、

その「何か」がうまく表現できない。

 

それでもその「何か」を

無理やり表現すると、

 

私の奥底に隠れていたもの、

つまり「結婚」なのかもしれない。

 

それが明確に心の上段に

浮かび上がった時、

 

運命が動き出した、

と思う。

 

そういうことは、

相手にも伝わるものなのかもしれない。

 

 

結局、

 

 

私はチイちゃんのママになった。

 

 

 

 

結婚って?

 

「出会うべき時に、

出会う人に、出会うこと」

 

 

 

ですよ。