いまデザインで、できること | 渋谷美術学院、代表のひとりごと

渋谷美術学院、代表のひとりごと

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「いまデザインで、できること」



デザインというものを通して、
やってみたいことはいろいろあります。

そのひとつがデザイン教育です。
近年、デザインというものの重要性が社会的にも認知されてきています。
アナログな技術を身につけなくてもいいと思う人は、
Macの修得ができたことでデザイナーと名乗るかもしれません。
そういう人がいてもいいと思います。
しかし、こんな時代に確実で的確な仕事をしていくために、
ある一定レベル以上の学校を出ているということも
正攻法のひとつであると思います。
大学入試に合格するする為には、機械を一切使わず
自分の手と目でモノを作り出していく技術を磨く必要があり、
そもそもデザイナーはそういう鍛錬が必要であるべきと
個人的には考えています。
同時に美術大学のデザイン科の倍率は今も大変なものです。
そして美大進学のためには美術予備校へ通わないと、
(ほぼ)入れないというちょっと特殊な現実もあります。
しかし数年前、当時美大進学を目指していた従姉妹に
予備校でどんなこと教わっているの、とたずねると、
自分が予備校時代に教わっていたことと全く同じ、
ということに非常に驚きましたし、ガッカリしました。
時代がこれだけ動いているのに
指導は何も変わらないままでいいのだろうか。
そんな予備校界や美大の現況について、
デザインのこれからを考えた時、
何か変える必要があるのではないだろうか、
そして現役のアートディレクターとして今の自分にも
何か出来ることがあるのではないだろうか、と思うようになりました。

当たり前のことかもしれませんが、
いまの10代は自分が10代の頃とは明らかに環境が違います。
自分が10代の頃は、ネットがなくても
もっといろんな情報をキャッチするため、
知りたいことを探し出しに足しげくどこかに通い詰めたり、
そこで得たものをなんとか咀嚼しようと試行錯誤をしていた。
今は生まれた時から情報に囲まれて育ってるのに、
なぜかそういったものに対する感度が鈍い。
それは情報過多のせいかもしれません。
自ら求めていかなくても情報が向こうからやってくる。
Macのモニタや携帯のモニタを見ただけで
わかった気になってしまっているという感覚は異常であると思います。

数年前に会社を設立した時から履歴書やポートフォリオが
毎週送られてきますが、その作品や書類をみる度に、
どういう情報の昇華をしているのだろう、
大学や専門学校や、現在いる会社で
なにを考えて生きているのだろうか、と疑問に感じていました。
結局興味を持つ個人は少いのですが、
多くの作品から醸し出される全体感に不安をおぼえます。
 
そんなことから、いまの子供たちがどのように情報を拾い、
どのように取捨選択していくのか、
その様子を見てみたい気持ちが強くなりました。
というのも、いい情報を選択しているのに
活かせていない子も少なくなく、そういう子に
ちょっと教えてあげるとぐんぐん伸びていくんです。
いまの自分が教えられることをきちんと教えていくことができれば、
デザインそのものが変わっていくかもしれない。
技術的な面を教えるだけでなく、精神面もそう。
そういうことを考えるのも、またデザインであり、
アートディレクターの役割ではないかと思っています。
 
僕は基本的に
“デザインでできないことはない”という姿勢で仕事に臨んでいます。
いまデザインを通して自分ができることって、
「ポスターをデザインしました」、
「プロダクトデザインをしました」ということだけではないと思うんです。
それが概念的なものなのか、具体的な形になるのかはわかりませんが、
デザインという表現や方法や視点から取り組めることはもっとあるはず。
そう信じて、これからもデザインと向き合っていきたいと考えています。






出典 ブレーン JUNE 2009 VOL587



 
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6年前のインタヴュー記事(文字量カット前)でした
時間が経つのは早い!!!

学院設立3ヶ月後くらいに受けたインタヴューですが

たまたま雑誌をぱらぱらと読んでみたら
ほうほう、意外といいこと言っていってるじゃん!
と思ったので書いてみました


しかし芸大デザイン科が
15倍くらいの倍率になるとは思ってなかったなあ・・・・

 


未来がどうなるかなんてわからないなあ・・・・