整形外科医(ryuuta19)の独り言 -149ページ目

たまには恋の話①

医療ドラマ

医療ドラマは数々ある。最近でいえば「白い巨塔」「Dr.コトー診療所」「ブラックジャックによろしく」などなど。アメリカでも「ER」とか、枚挙に暇がない。

なぜそんなに多いのかというと、一種の閉鎖性があり、専門性が強く、生と死を扱い、その根底に人間関係が色濃く流れているからだと思う。

僕は医療ドラマを見ない。あら探しをしてしまうからだ。フィクションはフィクションで楽しめればいいのだが、僕の悪い性格だ。医療ドキュメントでもそうだが、どうしても作り手の意図がちらちら見えてしまう。ここで泣かそうとか、ここで笑ってもらおうとか。

現実はもっとお気楽で、もっと厳しい。矛盾しているかもしれないが、医者をやって三年たつ僕の意見だ。お気楽にやらなければ体が持たないし、それだけでは医療はできない。

無我夢中で2年間の研修医を過ぎた今、徐々にまわりがみえつつある。そしてかつ医療界につかりつつある、それが今の僕の状態だ。

客観的に自分を見る癖をつけたい。それが来年の目標。

聖なる夜に

サンタは病院にやってくるの、と5歳児に聞かれ、
「やってくるよ。いい子にしていればね」
と今日言った嘘つきは僕だ。夢を壊すのは医者の仕事ではない。

クリスマスだろうと元日だろうと患者は来る。雨が降っても槍が降っても救急車はやってくる。そして僕は病院で診療をする。僕はナースから「コンビニ」と呼ばれる。24時間・年中無休だからだ。

ぺーぺーの整形外科医はそんなもので、今も病院から更新している。嫁さんはつわりが激しく、娘をつれて実家に帰っているから、逆にさびしくなくていいのかもしれない。ちなみに医者の離婚率は一般の二倍あると上司から聞いた。上司はバツイチだから真実味がある。

話がずれたけど、メリークリスマス。病院のサンタは医者なのかもしれない。プレゼントはもちろん「健康」。サンタのおじさんはクリスマスだけでなく頑張ります。

感謝の気持ちは全ての人へ

嫁さん、ありがとう。私生活にだらしない僕を支えてくれて。
娘よ、ありがとう。元気に生まれてきてくれて。
両親、ありがとう。健康すぎる体を与えてくれて。

ナースの皆さん、ありがとう。そっと指示をかきかえてくれて。
上司の皆さん、ありがとう。未熟な僕にいろいろ教えて下さって。
掃除のおばさん、ありがとう。病院を清潔に整えてくれて。

患者さん、ありがとう。僕をあんなに慕ってくださって。

ありがとう、ありがとう。

また来年もありがとうと素直に言えるように頑張りたいです。

手術

僕は手術をうけたことがない。縫合されたこともない。そんな人間がなぜかわからないが、今手術をする側になっている。

僕は整形外科医だから、主に手術するのは足や手が大半だ。三年目だろうと整形外科では手術をする。とりあえずは簡単なものからだけど。(ちなみに技術が未熟なうちは上級医と必ず手術する。僕もそのうちの一人)

不謹慎かもしれないが、手術は楽しい。実際に悪いところを見、触れ、そして治していく。直接的な治療で、目に見えるところが楽しい理由かもしれない。

一般外科の手術は悪いところ(癌とか)をとるだけの手術が多いが、整形外科の手術は再建が主だ。だから、手術前よりもうまく治ってくれることをもちろん期待される。

患者が良くなっていくところをみると安心もするが、それ以上に喜びも大きい。患者の笑顔が毎日の仕事のつらさを忘れさせてくれる。

逆に手術後の経過が思わしくない人もいる。うまく足が動かない、手の痺れが治らない、などなど患者の不満を聞くこともある。

手術は100%ではない。それは人間のやることだから仕方がないといってしまえば、医学の進歩はない。成功率を0.00001%でもあげるために日々外科医は精進している。

精進しない医者もいるが少数だ。その話は別の機会に。