高校野球ファンなら誰でも知っている
あまりにも有名な出来事です。

現オークランド・アスレチックスの松
井秀喜選手は高3夏、2回戦の明徳義
塾戦で5打席連続敬遠されました。

漫画「ドカベン」で4打席連続敬遠と
いうのがありましたが、まさか現実に
起ころうとは思ってもいませんでした。




※YouTubeの動画のタイトル(野球の高
等戦術)が、少し気に入らないですが汗

ちなみに、松井を敬遠した明徳・河野
は故障のエースの代役でした。



結果、星稜が3-2の僅差で敗れたので
なおさら松井への同情の声が全国各地で
上がりました。

と同時に、明徳に対する大バッシングが
日本中で沸き起こりました。



マスコミもかなり派手に取り上げ、社
会問題にもなったこの一件。

当然賛否ありましたが、みなさんはど
う思うでしょうか!?



私はやはり反対派です。

これは選手たちの意思ではなく、明徳
馬渕監督の徹底した勝利至上主義から
くるドライな戦術です。

試合後のインタビューで監督は

「高知代表として初戦で負ける訳には
いかなかった」

と答えていたようですが、正に自分の価
値観ありきのコメントです。

己の価値観のために、選手たちを、ある
いは高校野球を利用しているとしか思え
ません。

選手たちにとっては監督は絶対的な存在
ですから従わざるを得ませんが、選手た
ち自身も本意ではなかったでしょう。

仮に心底、監督の指示は正しいと思った
ならば、監督の洗脳に毒された、まさに
「監督のロボット」です。

「ロボット」を育ててしまっているのに
もかかわらず、「人間形成」が聞いて呆
れます汗2


確かにルール違反ではありませんし、一
つの作戦と言ってしまえばそれまでです。

しかし、勝つためには手段を選ばないや
り方は私は違和感を感じます。

スポーツの意義や本質はどこぞやといっ
た感じです。



松井は中学時代も敬遠された経験がある
ようです。

その時は勝負してもらえないことに腹を
立て、バットを投げつけて相手投手に怒
りを露わにしたとのこと。

それを見ていた自チームコーチが、一塁
に歩く松井に向かってビンタを食らわし
たそうです。

松井の驕った態度を戒めたんだと思います。



こういった中学・高校の敬遠された経験
が逆に松井を人間的に大きくさせるきっ
かけとなったのでしょう。

松井は5打席連続敬遠の際は表情一つ変
えることなく、一塁へ歩きました。

そして試合後のインタビューで、

「勝負して欲しかったけど、それも作戦
の一つだから、それについては何も言え
ない」

と我慢のコメントを残しています。



勝負事はきれい事だけでは片付けられな
い問題もあると思います。

しかし、少なくとも子供たちに話す場合
は、「悪い見本」と紹介せざるを得ない
と私は感じています。



特定の選手に対して、ここまでするとい
うことは滅多にないことですが、少年野
球レベルでも

「勝つことありき野球」

をやってくるチームがあります。



バント攻め、待球戦法、四球狙い・・・。

ゴロ打ちの奨励や、ノースリーから無条
件で1球見送るというのも、ある意味勝
利を優先するがゆえの指示に思えます。

作戦と言えばそれまでです。

しかし、往々にして勝つことを優先にし
た野球は見ていて面白くありません。

野球の醍醐味とは何か、楽しさとは何か
ということが分かっていれば、大人もそ
んな指示は出さないはずです。



そもそも「スポーツ」の語源は、ラテン
語では

「苦楽を離れて楽しむ」

という意味だそうです。

楽しくなければ「スポーツ」とは言わな
いのです。


ちなみに松井は、敬遠した明徳の投手、
河野と7年後に再会を果たしました。



松井は人間が出来ていますね。

本心か分かりませんが「ありがとう」と
はなかなか言えません。

これも時間の経過がそうさせたのでしょ
うが、松井の器の大きさを感じます。



それから8年後の河野



インタビューでは、試合後の監督がイン
タビューで言った言葉がそのままコメン
トとして本人の口から出ています。

確かに甲子園に出場できたのも、明徳義
塾というチーム、馬渕監督との出会いが
あったからこそなのでしょう。

それで、良い思いをしたというのも事実
なのかも知れません。

でも自分の息子にも

「勝たなければ意味がない」

というようなことを教えていくのでしょうかはてなマーク

末代まで続くというのはこういうことを
言うのかと・・・。

何か虚しさを感じます汗