まだ高校生だった頃
バイトをさせてもらえなかった私は
車校(親の意向で働かなければいけない為)や通学費など
お金が必要になる時は親に出してもらっていた。

というより、そうするよりほか無かった。
先述の通り、バイトが出来ないので稼ぎようもないから。


こういう理由で、この位必要


と説明をする度に、父親は露骨に嫌そうな顔をしていた。


なんでそんな金を出さなきゃいけないのか
別に必要無いんじゃないか


と、金を出したくないという気持ちを前面に押し出した態度を
半泣きで見ていたのを覚えている。


悔しくて、嫌で仕方なかった。
別に自分がしたくてそうしている訳じゃないのに、と。


だからこそ、弟や妹には同じ思いをさせたくない一心だった。


働き出してから、
弟が妹が車校に行けるように
成人式を綺麗に着飾れるように
好きな物を食べて
欲しいものを買えるように
嫌な思いをさせないように
給料を貯めてきた。


一番下の妹にいたってはまだ、現時点で小学生。
まだまだお金も必要。
私立には行かせられないかもしれないからと
厳しくしてしまったが、勉強だって教えてきた。


そのあげくが、

お前が関わると、一番下の妹の性格が歪む

だそうだ。


そうか。
私が関わると、歪むのか。
兄弟間の戯れ言を、一人間に受けて。
件の台詞。


どういう状況か、分かってもいないくせに。
笑顔でふざけていた筈なのに。


歪むのなら仕方ない。
残念ながら、私はこれ以上君には関われない。
本当にごめんね。
嫌な思いをさせないように頑張ったはずだったけど
手を出せるのはここまでらしい。

妹は何も悪くない。
でも、あそこまで言われて慈善活動は出来ない。
あの人が文句も言わずになんでもしてくれるんだよ。
きっと。
たぶん。


私から借りた5万は1年経ってもかえってこないけど。
君を不自由させないような貯蓄があるのかもしれないね。
私が知らないだけで。


さようなら妹。
どれだけ近くにいても、もう関われないし
関わったら私が壊れそうだから
ここに書きなぐる。