ピグで出会った人たちは

みんな元気にしてるかな?


サービスが終了したと知った時は、

ぽっかりどころか、大事なものを失った喪失感で

心穏やかにはいられなかった。


何かの場面を思い出すというより、

たまに凄く人との繋がりの面で恋しくなる。


年老いてもきっと、

インターネットを通じた出会いや繋がりが

思い出されるんだろう。


それは、パソコンの前に座り続け、

手を叩き笑い、

必死になってキーボードを叩く自身の姿ではなく

画面の中に確かにあったパラレルな現実。


彼らのことは実名ではなくハンネで思い出され、

姿カタチもわからないまま消えた人達が大半。


どこかで同じ時間を過ごしてるんだろう、

もうどうしたって掴むことができない時間だろう、

彼らに会うこともかなわないだろう、と、

目の前の自分のリアルにスッと戻ってくる。


そんな思考が度々繰り返される。


僕は中学生の時、アバターを用いたチャットにハマった。

ポケモン掲示板で知り合った

レッドさん、ポチャコさんという方々は

今でも覚えている。


僕のハンネは当時テリーハワードか、ハワード。

KOFのテリー・ボガードと、

ロックハワードを足した名前だ。


彼らとの時間は実際、数日程度だったと思うけど、

体感すごく長く、密な時間を過ごした気がした。


その時はまだネットリテラシーもなく、

適当な掲示板で荒らし行為をしては

知らない人を装って入り直し、

見えない仮想敵を弄んだ気になってを繰り返した。


いつも荒らしであることを特定され、

"なぜわかる?"と聞くと、

"IDが同じだからわかるだろ"と言われ、

衝撃を受けると同時に、

今までの行為が浅はか過ぎた事を実感したのを覚えてる。

そんなことも知らず、

優越感に浸っていた阿呆だった。


でも、ポケモン掲示板の2人とは他愛もない話をし、

この人たちの前では嫌われたくないという思いから

その時だけは普通の田舎の少年だった。


この時間は、ピグの先に書いたような感情の前進で、

ある日思い出して入ろうと思うも、

調べてもページがわからなくなり、

結果2人とは全く関われなくなってしまった。


この寂しさというか、人恋しくなる感情は

多感な頃の自分にはどうしたって割り切れないものだった。


Yahoo知恵袋で、

"いつ頃にポケモン掲示板で絡んだ

レッドさんとポチャコさんを知ってる方はいませんか?

もしくは本人はいませんか?"

と人探しの投稿をしたくらいだ。


僕はネットのコミュニケーションツールに

どっぷり浸かって育った生粋のネット民だ。


ピグはまた違った多感な時期であったこと、

個性がより目に見えるアバターや会話であったり、

Skypeやメールなどに派生して、

よりアクティブでディープな時間を過ごした事が

親密さと一歩踏み込んだ関係性を実感させた。

割いた(過ごした)時間の長さが一番かもしれない。


どれくらいやっていたかは

わからないけど、僕が密にやっていたのは

なんだかんだ3、4ヶ月の出来事じゃなかろうか?


そこからは繋がる人は繋がったり、

ちまちまログイン頻度の高低はあれど

いつもの人と絡んだり、己の楽しみを見つけて

数年程度やってたと思う。


みんなに会いたいな、

会って合わせるような顔も話もないけど、

学校の同窓会より同窓会じみた気持ちになれる気がする。



明日9/16から4泊5日、

そんなパラレルな世界に入り浸った実家に帰省だ。

今その部屋はもうなくて、父が使ってるから、

子供部屋フラッシュバックを味わうことが

できないんだなぁ。


第二子をお腹に授かっている妻と愛娘と、

妻の両親を連れておもてなしの旅。


最悪の天気で、台風が直撃して

観光もだけど、帰りのフライトも中止なる可能性もある。

連日一時間単位で計画練ってたから、

すごくむなしく、残念。

まぁ、大金はたいて計画した以上、

まず自分が楽しんできます。


たまにこうやってみんなのことを思い出して、

人恋しくなりながらも

貴重にも忘れたいとは微塵も思わない時間と

僕は僕の時世を歩いていきます。