2024年2月9日(金)18時30分〜

招待があり東京文化会館にて

【パリ・オペラ座バレエ団日本公演白鳥の湖】〈ヌレエフ版〉を観劇いたしました。


オデット/オデール パク・セウン
ジークフリード王子 ポール・マルク
ロットバルト ジャック・ガストフ

韓国出身のパク・セウンは10歳の時にバレエを始めアメリカン・バレエシアターと韓国国立バレエ団を経て2011年パリオペラ座へ。2021年6月バリオペラ座において初のアジア人エトワールに任命されました。
2023年に出産し2023年6月の産休開けの最初の舞台であります【マノン】を一緒に踊っておりましたパートナー
ポール・マルクとの再演になります。


バレエ音楽の最高傑作と言われております【白鳥の湖】はモスクワのボリショイバレエ劇場の支配人からの依頼により
1875年にピョートル・チャイコフスキーが作りました。チャイコフスキーにとって初めてのバレエ音楽であったことや踊り手に恵まれず初演は高評価を得ることは出来ませんでした。
理由として考えられますのは
音楽がストーリーをリードしていく
【白鳥の湖】は当時のバレエ音楽としてはあまりに斬新であったからです。
チャイコフスキー没後
1895年マリウス・プティパにより振り付けと演出が大幅に改善されてから大成功をおさめました。
ロマンティックバレエから自由で神秘的なクラシックバレエへと変わっていく変換期にあったことも考えられますが長いチュチュからクラシックバレエではテクニックが複雑になったことでチュチュが短くなったことや二人で踊るグラン・パ・ド・ドゥの成立があったことも考えられますが
これから素晴らしい変化だと感じます。


物語を簡単に〜

ある秋の日。
ジークフリード王子の成人を祝い宮殿には沢山の人や若者たちで賑わって楽しく過ごしております。
母である王妃から「明日の舞踏会で花嫁をえらばなければいけませんよ。」と伝えられ成人のお祝いに弓を授かります。
友人たちが帰りひとりになった
ジークフリード王子は物思いにふけり
弓を手に森へ出掛けていきます。
その森は悪魔ロットバルトの支配する地域で魔法により白鳥に姿を変えられた王女たちが住んでおりました。
王子は白鳥に弓を引こうとします。
すると白鳥は王子の目の前で美しい乙女の姿に変わっていきました。
昼は白鳥の姿で夜は人間に戻る魔法にかかった王女は「この魔法をとくのは誰にも愛を語ったことのない青年の真実の愛である」と告げます。
王子は明日の舞踏会に来るように王女に告げます。
次の日
その舞踏会には謎の騎士(悪魔ロットバルト)とその娘であるオデールが現れ王子を誘惑します。
オデットと全く同じ顔をしている
オデール(二役)になんと花嫁として結婚することを告げてしまう王子。それを見ていたオデットは嘆き悲しみ湖に戻ります。
直ぐに悪魔に騙されていたことに気づく
王子はオデットを追いかけ悪魔と闘います。激しい闘いのあと悪魔を倒す王子でしたがオデットの魔法はとけず二人は来世で一緒になることを誓い亡くなります。

(こちらの終盤はめでたく結ばれる
というストーリーも存在します。私はもちろん来世で一緒になるほうが断然好き。)


私はバレエの経験はなくウイーンやモスクワそしてパリで観劇するのみです。
今回ジークフリード王子を演じました
ポール・マルクは柔軟な筋肉をもち超絶技巧もなんなりとこなし難しい技術と感じさせないスキルの持ち主と感じます。
私はグラン・ジュケが素晴らしいと思いました。ふんわりと跳んでいて着地もそっと身体の負担がない。
オデールとのグラン・パ・ドゥ・ドゥのコーダはポール・マルクのグランジュテで始まりますが会場から1回目で歓声が湧き2回目で拍手喝采そして3回目では更に大きな拍手と歓声が湧きました。
パク・セウンは本人もおっしゃっているように「自分はおっとりしている」らしく踊りもそのようで最近のバレエダンサーはこういう感じなんだと思いました。西洋やロシアのダンサーと比べてとても細いですし軽そうです。身体が薄いですね。
テクニック面ではピエットの軽さが強みであるそうですがその通りだと感じました。
私はキエフ・バレエ団の
アンナ・ムロムシェワの人間とは思えない美しい身体と表現力でみる【白鳥の湖】が好きですがパク・セウンの【白鳥の湖】もこういう感じもあるんだと思います。
これから将来を期待するダンサーなのかもしれません。

演奏は
東京フィルハーモニック管弦楽団
指揮ヴェロ・ペーン
高開健ひきいる東京フィルはドラクエ公演が好評でとくにDQ5は大評判で席がとりにくいほど。音大生の卒業後の就職先としても人気の楽団は難しい時期も乗り越え素晴らしい演奏でした。
ただ
9小節目のスタートが速くて↓ここね


速すぎて個人的に落ち着かない。
耳コピーなので楽譜が違っていたら
ごめんなさいです。

そしてマチュー・ガニオ担としてはスケジュール的に無理でしたが
【マノン】がみたかったです。