希望が絶望へ変わった…
胸にあいた大きな傷
オイラは床擦れだと思ってた。
傷を見た先生の顔が歪んだ
『これは…ひどいですね…床擦れじゃないです…癌が皮膚を突き破って飛び出してきてるんです。』
癌が皮膚を突き破るってなに?
そんなことあるの?
甲状腺癌のクーさん
主治医だった先生は『高齢だしあれこれ治療しても体力が持たないから自宅でゆっくり過ごした方が…』
往診の先生『その見解は正しいです。普通のワンコならもう…ってレベルです。体力が有りすぎて逝けないんですね…これは可哀想です…』
元気過ぎたクーさん
食いしん坊で食欲がなくなることなんてなかった。
今は水も飲めない。
スポイトで口の中に流しても飲み込めない
『点滴に抗生剤を入れるしか出来ないですねぇ…この傷も塞がることはないんですよ…逆に広がっていきます。今は痛みと苦しみしかないですねぇ…生きているのが不思議なくらいです…可哀想ですねぇ』
先生の口から安楽死の言葉は出ない
傷は広がる
痛みと苦しみしかない
生きながら腐るクーさん
どーしたら
どーしたらいいの…
動かす度に傷口から膿みがドロドロと出てくる
マスクをしていても悪臭が鼻につく
まるで地獄
ホラー映画なんてマンガくらいにしか思えない光景
オイラの前の旦那に虐待されてたクーさん
棒で殴る元旦那の前に立ちふさがりいつもかばってた。
その度にクーさんはガタガタと震えながらオイラの手をペロッと舐めた
ジーッとオイラを見つめるクーさん
『お母さん…苦しいよ…痛いよ…どうして助けてくれないの?いつも助けてくれたのに…お母さん助けて…』って言われてるみたいな気持ちになった
『今後の治療についてご家族でゆっくり話し合って下さい。このサイズなのでお薬代も高額になりますし、なによりご家族の体力の消耗も大きくなります。』
決断しなければいけないのか…
オイラはどーしたら…
答えの出ないまま涙ばかり溢れる…

ごめんねクーさん
