眼科対策 | 単品の進級促進運動

眼科対策

プリントに載っていることも載せちゃいましたので長文になっております。
てか臨薬再試になりそうで泣きそう。再試入るなら12/22までになりますように・・・(-人-)

11/29追加編集しました。

<両眼視機能検査>
●チトマス立体視検査・・・偏光レンズの眼鏡を用い、circle test,animal testなどで、絵が浮き上がって見えれば正常
●TNO検査・・・赤緑眼鏡を用いる。正常では、片眼では形態が知覚出来ないが、両眼でみると視野から形態が浮き上がって見える。
●Worth四灯検査・・・赤緑眼鏡を用い、4つの光点(赤、緑x2、白)を注視させ、点が4つに見えれば融像できている。融像が可能かどうか、抑制が働いているか、対応が正常か異常かを検査出来る。

<弱視の分類と治療>
①屈折異常弱視・・・眼鏡や遮蔽法(アイパッチ)
②不同視弱視・・・眼鏡、遮蔽法
③刺激遮断性弱視・・・原疾患の治療、遮蔽法、視能訓練
④斜視弱視・・・斜視手術、プリズムレンズ、遮蔽法、視能訓練

<流行性角結膜炎>
●臨床症状
・ 潜伏期は8~14日。
・ 急に発症し、眼瞼の浮腫、流涙を伴う。
・ 感染力が強いので両側が感染しやすいが、初発眼の方が症状が強い。
・ 耳前リンパ節の腫脹を伴う。
・ 角膜に炎症が及ぶと透明度が低下し、混濁は数年に及ぶことがある。
・ 時に結膜炎が出血性となり、出血性結膜炎(EV70, CA24 変異株による)や咽頭結膜熱との鑑別を要することがある

<咽頭結膜熱>
●臨床症状
・ 発熱で発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、咽頭炎による咽頭痛、結膜炎にともなう結膜充血、眼痛、羞明、流涙、眼脂を訴え、3~5日間程度持続する。
・ 眼症状は一般的に片方から始まり、その後他方にも出現する。
・ 結膜の炎症は下眼瞼結膜に強く、上眼瞼結膜には弱いとされる。
・ 眼に永続的な障害を残すことはない。
・ 頚部特に後頚部のリンパ節の腫脹と圧痛を認めることがある。
・ 潜伏期は5~7日。
・ アデノウイルスの血清型のうち、7型は心肺機能低下、免疫機能低下等の基礎疾患のある人、乳幼児、老人では重篤な症状となり、呼吸障害が進行したり、さらに細菌の二次感染も併発しやすいことがある。

● 検査所見:血清LDH の異常高値、血球減少傾向、ならびに高サイトカイン血症。
・高サイトカイン血症を示唆するフェリチン、β2 ミクログロブリンなどの上昇を伴う場合には、ステロイド剤の適応を含め、早急な対応が必要である。

<角膜ヘルペス>
● 検査
・ 細隙灯顕微鏡で角膜炎の有無を観察(ほぼ診断可能)上皮型では樹枝状角膜炎、実質型では円板状角膜炎
・ ウイルスの証明:蛍光抗体法や、ウイルスのDNAを検出するPCR、ウイルス分離(確定診断)
・ 角膜知覚検査:角膜の表面を綿花の先やナイロン糸の先で触れて知覚低下を確認
・ 血清抗体価

<内因性真菌性眼内炎>
・ 眼の症状が出る前に、ほとんどの症例で全身真菌症による発熱などの全身症状がある。
・ 発熱などが続いたあと、1週間前後で飛蚊症や、霧視などの初期の症状を自覚する。
・ 眼内で炎症が悪化すれば、視力の低下を自覚するようになり、眼の充血・痛みも生じる。
・ この時点でさらに放置すると、高度の視力低下に陥り、恒久的な視機能障害を残します。
・ 一般的に両眼に生じることが多い。

<両耳側半盲>
● 視交叉の障害。
● 下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫
<左同名半盲>
● 右視索、右視放線の障害。
● 脳腫瘍、脳梗塞

<眼窩吹き抜け骨折>
●治療:ほかの部分から骨を採取して移植

<糖尿病性網膜症>
●検査
・ 眼底検査:網膜疾患の基本的検査。定期的な眼底検査が望まれる。日本糖尿病眼学会は定期的眼科通院を促すため、糖尿病眼手帳を配布している。
・ フルオレセイン蛍光眼底造影:フルオレセインを静脈内投与し、撮影する。無血管野の確認、新生血管の確認、病期・治療法の決定に用いる。網膜光凝固術を施行する際にはこの結果を参考することが多い。
●病期
① 単純型網膜症
・ 糖尿病網膜症の初期の状態で、自覚症状はない。
・ 眼底検査で網膜に毛細血管瘤や出血、硬性白斑。
・ 糖尿病の治療(血糖コントロールの改善)と網膜循環改善薬などの内服薬の服用で進行を防ぐ。
・ 初期の単純網膜症なら、血糖コントロールの改善で軽快することもある。
② 前増殖型網膜症
・ 白斑の数が増えると同時に、毛細血管がふさがり大小の血管瘤ができる。
・ また、網膜に血流が届いていない部分ができて、ふくれて形が変形した血管が見られるようになり、出血も大きなものがでてくる。
・ 途中から完全にふさがってしまった毛細血管が増えてくるが、障害は網膜内にとどまる。
・ 自覚症状は、ほとんどの人が感じない。
・ 血糖コントロールの改善とともに、虚血部分の網膜にレーザー光凝固を行い(局所凝固)、増殖網膜症への進行を阻止する。
・ 黄斑浮腫に対しては、レーザー光凝固や硝子体手術を行う。
③ 増殖型網膜症
・ 新生血管が出現するだけでなく、新生血管からの出血も起こる。
・ 新生血管からの出血が硝子体に広がると硝子体出血と飛蚊症、牽引性網膜剥離、血管新生緑内障(隅角に新生血管)をきたす。
・ 黄斑部を除く網膜全体に光凝固を行う(汎網膜凝固)。
・ 新生血管そのものを凝固することもある。
・ 硝子体出血や網膜剥離が起きてしまった場合は、硝子体手術などで視力の回復をめざす。

<白内障手術の手順>
① 手術の準備
② 麻酔
③ 角膜の縁に切開を入れる
④ 水晶体嚢を円く、くりぬく
⑤ 水晶体の中身を、水を使って水晶体嚢から分離させる
⑥ 水晶体の中身を砕いて吸い取る
⑦ 水晶体嚢にこびりついた水晶体の中身のカスを吸い取る
⑧ 眼内レンズを入れる
⑨ 切開を閉じる

<アルカリ外傷>
●合併症
・眼感染症→感染予防(抗生物質の局所・全身投与)
・ぶどう膜炎、腐食性眼炎など→十分な消炎(ステロイド投与)
・結膜侵入→眼表面再建術(角膜移植)

<視神経乳頭異常>
●検査
・ 眼圧検査
・ 眼底検査
・ 視野検査

<網膜色素変性>
・ 遺伝性、杆体細胞障害
・ 臨床症状:進行性の視野狭窄、視力低下、夜盲
・ 臨床検査所見
(1)眼底所見:網膜血管狭小、骨小体様色素沈着、白点状
(2)網膜電図の振幅低下又は消失
(3)蛍光眼底造影所見で網膜色素上皮萎縮による過蛍光
・無色素性網膜色素変性症も存在し、一概に骨小体様色素沈着があるとは限らない。
・ 視野は輪状暗点・求心性視野狭窄を認める。
・ 網膜電図(electroretinography:ERG)のflash ERGにてnon-recordableを示す。

<ドライアイ検査>
●シルマー試験
・ 涙の量を調べる検査のことで、5mm幅の濾紙を下眼瞼に挟み、5分間で濾紙がぬれる長さを測定する。
・ 基礎分泌と反射性分泌の両方を測定。
・ 10mm以上が正常、5mm以下は異常で、ドライアイの可能性が強い。
・ 似た検査に、綿糸を用いる方法もある。
●涙液層(涙膜)破壊時間(BUT)
・ 涙膜の安定性を測定。
・ 目の表面を覆っている涙が、どのくらいの時間で乾燥し始めるかを調べる。
・ 細隙灯顕微鏡で青色光を用いて目の表面を観察すると、涙に混ざった色素が黄色に見える。
・ フルオレセインという色素を点眼し、閉瞼(瞬目)してから開瞼し、まばたきを止めて、しだいに目の表面が乾いて色素が消える部分(ドライスポット)が出現するまでの時間をBUT(Tear Break Up Time)と呼び、10秒以上が正常、5秒以下なら異常でドライアイの可能性が高い。
●生体染色検査
・ 目の表面が非常に乾燥すると、角膜や結膜に障害を起こす。
・ 特殊な色素を点眼して細隙灯顕微鏡で観察すると、障害を生じた部分が染まる。
・ 色素には、前述のフルオレセインや、ローズベンガルという濃いピンク色の色素を用いることもある。
●全身検査
・涙の量が非常に少ない場合や、同時に唾液が少なく口の中が乾くといった症状がある場合は、シェーグレン症候群の可能性があるので、血液検査を行なう必要がある。

<視力発達>
乳児は遠視であり、視力は3~4歳で1.0、5歳頃に虹彩が完成し、視力は6歳でほぼ完成する。視力発達の障害を見逃さないためには、3歳児健診時の視力に注意する。屈折の状態は、「眼軸長」、「角膜曲率」、「水晶体の屈折度」のバランスによって変化し、3歳で眼軸長は成人よりわずかに小さいかほぼ同じにまで成長する。角膜径は2歳で成人並みになる。眼位は生後2ヶ月で正位となり、眼球運動は生後4ヶ月で協調性をもつようになるが外眼筋の完成は3歳頃となる。
視力発達は環境条件と生体側条件に依存する。環境条件としては色鮮やかな絵本や様々な模様・形の玩具などが視力の発達に関わる。このような視性刺激は調節能の発達に非常に重要である。生体側条件としては、先天性の眼疾患や、生後3~6ヶ月頃の視力発達が著しい時期に炎症や外傷など眼の異常、斜視の傾向が見られると、視力の発達の妨げになる。乳児には安易に眼帯をしないことが大切である。

<緑内障性視神経乳頭変化の特徴>
乳頭陥凹と辺縁部のノッチ形成が特徴的である。眼圧により、乳頭部の視神経線維は死滅し、篩状板はひずむ。篩状板のつくりによって上下に陥凹しやすい。眼圧が正常な時でもおこりうる。眼底所見では乳頭部が白く、2重丸のように見える。乳頭血管は垂直に陥入し屈曲している。また視神経の死滅により、視野欠損が生じる。

<緑内障性視野変化>
・全体的沈下(網膜の機能の低下)
・Bjerrum領域の孤立暗点・弓状暗点
・Roenne(レンネ) の鼻側階段(鼻側の視野狭窄)

<急性閉塞隅角緑内障>
● 機序
・ 房水排出部である隅角が比較的短期間にふさがり、房水の排出能が急激に低下することにより眼圧が急激に上昇することで発生する。

● 症状
・ 突如激しい頭痛、目の痛み、腹痛、嘔吐などの症状が出る。
・ 対処が遅れると一晩でも失明の危険がある。
・ 緊急の場合には、外科的手術を必要とすることもある。
● 疫学
・ 中年以降の遠視の女性に好発する。
・ 通常、前房深度が狭くなる夜間~明け方に発症しやすい。
・ 視神経障害を生じると閉塞隅角緑内障となる。

● 所見・検査
・ 典型的には結膜充血,角膜混濁,中等度に散瞳したまま反応のない瞳孔,前房の炎症が認められる。
・ 視力は低下する。
・ 眼圧は通常40~80mmHgである。
・ 角膜浮腫により視神経は観察困難であり,苦痛があるため視野検査は行わない。
● 治療
・ 発作の治療は薬物療法で眼圧を下げた上で手術的治療を行う。
・ 手術は最近ではレーザー手術が主流
・ 眼の状態によっては観血的手術を行うこともある。
・ 通常は他眼も発作を起こしやすい眼なので、治療が一段落したら、他眼の予防手術(レーザー)を行う。
・ 慢性型の場合にはまずレーザーなどで隅角を広げる手術を行い、効果が不十分な場合には薬物や手術治療を選択する。

<原発開放隅角緑内障>
・ 両眼性で、眼圧上昇の原因となる全身異常や眼局所の異常が認められないもの
・ 隅角検査はほぼ正常
・ 治療は眼圧が正常になり、視神経や視野の異常がそれ以上進まないことが目標とされる
・ 薬による治療、レーザー治療[レーザー光線を隅角にあてる治療]、手術の3種類。
・ 最初は薬で治療(眼圧降下、点眼薬)し、薬で不十分な人、薬が使えない人ではレーザー治療や手術(眼圧を下げる)が必要。

<Vogt-小柳-原田病>
● 病因:メラノサイトに対する自己免疫疾患
● 全身症状;吐気、嘔吐、感冒様症状
● 髄膜炎症状;頭痛、頭部知覚異常
● 内耳症状;めまい、耳鳴、感音性難聴
● 眼症状
・ 急激な両眼の視力低下
・ 視神経乳頭の発赤、腫張
・ 多発性の漿液性網膜剥離(急性両眼性ぶどう膜炎)
・ 水晶体の前方移動に伴う遠視化
●病期
①前駆期 :発病の3~7日でみられる
・ 感冒症状、頭痛、発熱などの症状が出現する。
・ 耳鳴、めまいなどの髄膜刺激症状も出現する。
②眼病期
・ 両眼の肉芽腫性ぶどう膜炎および漿液性網膜剥離による視力障害がおこる
・ この際、80%の症例で感音性難聴を合併し、髄液が蛋白細胞解離(蛋白が増加し、細胞の増加なし)。
・ 視神経の発赤腫脹。水晶体の前方移動に伴う遠視化が起こる。
③回復期
・ 数ヶ月後、色素細胞の消失によって皮膚の白斑や、毛髪の白変がみられ、後期には眼底が夕焼け眼底、ダレン・フックス(Dalen-Fuchs)斑を認める。
・ 2次性の緑内障になることもある。

<エタンブトール中毒>
・ 色覚異常や中心暗点以外の視野障害(両耳側半盲など)が現れる
・ 早期に原因薬物を中止、ビタミン製剤(メチコバール、ビタメジンなど)の併用

<レーシック手術の長所>
・ 短い視力回復期間:手術直後から視力回復を感じることができ、手術翌日ならたいてい少なくとも最大矯正視力の70~80%位は回復する。
・ 無痛症手術:目薬点眼痲酔で手術中や手術後の痛症がほとんどない。
・ 手術後角膜混濁、近眼の再発等が非常に少ない。
・ 両目を同時に手術することができるので両目の視力回復期間が短い。
・ 再手術や追加矯正手術が必要な場合にも手術施行が容易い。
<レーシック手術の短所>
・ 角膜切片を作る過程で医者の熟練された技術が必要。
・ レーシック手術は最近はじめられた施術法でまだ長期にわたってのデータが得られていない。
・ もし角膜を削りすぎると遠視となってしまう。
・ 角膜のレーシック手術を受けた部分と、レーシック手術を受けなかった部分を光が通ってくることになり、像が二重に見えることがある。

<未熟児網膜症>
・ 活動期と瘢痕期に分けられる。
・ 線維血管増殖が起こるまでが活動期、それが収縮したあとが瘢痕期
・ それぞれ程度に応じて分類されている。
・ 活動期には網膜光凝固術、冷凍凝固術が行われる。
・ 凝固は無血管帯が標的になる。
・ 瘢痕期の網膜剥離に対しては硝子体手術
●厚労省分類
*活動期(active phase)
【Ⅰ型(比較的緩徐な経過をする群)】
1期(網膜内血管新生期)
・ 後極部:変化(-)
・ 耳側周辺部の網膜血管先端部:異常分岐(分岐↑)、異常な怒張・蛇行、走行異常
・ それより周辺部:無血管領域
2期(境界線形成期)
・ 後極部:血管の怒張・蛇行
・ 耳側周辺部:網膜血管先端部と無血管領域の間の境界が明瞭
3期(硝子体内滲出増殖期)
・ 後極部:血管の怒張・蛇行
・ 硝子体:硝子体内への滲出、血管・支持組織の増殖、硝子体出血(±)
・ 初期:硝子体内への極わずかな滲出・発芽
・ 中期:硝子体内への明らかな滲出・増殖性変化
・ 後期:中期の所見+牽引性変化
4期(部分的網膜剥離期)
・3期の所見+部分的網膜剥離
5期(全網膜剥離期)      

【Ⅱ�型(予後不良の群)】
・ 赤道部より後極側の領域:全周性に未発達血管の先端部の異常吻合・走行異常・出血、網膜血管の著明な蛇行・怒張、出血・滲出性変化
・ それより周辺部:広い無血管領域
・ 急速に網膜剥離へ進展

*瘢痕期
1度:周辺部にのみ瘢痕性変化
2度:牽引乳頭を示す
・ 弱度:黄斑部に変化なし
・ 中等度:黄斑部外方偏位
・ 強度:黄斑部に器質的変化
3度:後極部に束状網膜剥離
4度:部分的な後部水晶体線維増殖
5度:完全な後部水晶体線維増殖

<裂孔原性網膜剥離>
・ 網膜裂孔だけであれば、レーザー治療で網膜剥離への進行が抑えられることもある。
・ すでに網膜剥離が発生してしまった場合、多くは手術が必要で、手術は大きく分けて2つの方法がある。
① 強膜内陥術
・ 眼の外から網膜裂孔に相当する部分にあて物をあてて、さらに孔の周りに熱凝固や冷凍凝固を行って剥離した網膜を剥がれにくくし、必要があれば網膜の下に溜まった水を抜く。
・ 剥がれた網膜を目の中から押さえつけるために、眼内に空気や特殊なガスを注入することがあり、この場合は手術後にうつぶせ安静が必要。
② 硝子体手術
・ 眼の中に細い手術器具を入れ、眼の中から網膜剥離を治療する。
・ この方法では、剥がれた網膜を押さえるために、ほぼ全例で眼の中に空気や特殊なガスを入れる。

<緑内障疫学調査(多治見スタディ)>
● 有病率:40歳以上の5.0%
● 特徴
・ 40歳以上の緑内障患者のうち、89%は潜在患者
・ 診断のある患者では多くが正常眼圧緑内障
・ 年齢とともに有病率が高くなる
・ 失明原因の第1位が緑内障

<白内障術後合併症>
・ 最も多いのは、水晶体嚢の後嚢が手術後1~2年で濁ってくる後発白内障といわれるもの:特殊なレーザーを用いることにより外来で簡単に治療できる
・ 網膜剥離や術後感染性眼内炎など、重篤な合併症が起こることもあるがまれ。
・ 特に、術後感染性眼内炎は、場合によっては失明に至る。
・ 水疱性角膜症:角膜の内皮細胞が手術により減少して角膜混濁を起こし、視力が低下する。
・ 類嚢胞黄班浮腫:手術後の炎症が長く残ると網膜の中心部に浮腫が起こり視力回復が遅れる。特に糖尿病によく見られる。
・ 一過性の高眼圧症:手術後一時的に眼圧が上昇する場合があるが、点滴や内服、点眼薬で正常に戻る。

<ベーチェット病の主症状>
●四徴:口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状
①口腔粘膜の再発生アフタ性潰瘍
・ 境界が鮮明な、皮膚の浅いところに出来る有痛性潰瘍。
・ 口唇粘膜、頬粘膜、舌、更にさらに歯肉などの口腔粘膜に出現。
・ ベーチェット病のほとんどが必ず発症する症状
・ 初発症状として発症することが多い。
・ 10日以内に治ることが多いが再発を繰り返すことが特徴
②皮膚症状
・ 結節性紅斑、皮下の血栓性静脈炎、毛嚢炎様皮疹又は座瘡様皮疹など
・ 下腿伸側・前腕に結節性紅斑様皮疹がみられる
・ 顔、頸、胸部などに発疹
・ 皮下に血栓性静脈炎。
・ 皮膚の被刺激性亢進を反映する所見として針反応が認められる。
・ 針反応:清潔な針を軽く刺したところの皮膚が赤くなり、その赤みが次第に増して48時間後には明らかな発赤や硬結を示し、ときには中心に膿をもったできものにまで成長してしまう反応
・ 採血などの静脈穿刺によって皮下の血栓性静脈炎が誘発されることもある。
③眼症状
・ ぶどう膜炎が主体
・ 炎症が前眼部のみに起こる虹彩毛様体炎型と、後眼部におよぶ網膜ぶどう膜炎型(眼底型)に大別される。
・ 再発性前房蓄膿性虹彩炎は、べーチェット病のみに見られることが多い、特異性の高い所見。
・ 網膜ぶどう膜炎は視力予後に直接関連し、治療の面で重要。
・ 眼症状はベーチェット病の中でも最も重い。
・ ほとんど両眼が侵され、後眼部病変として網膜絡膜炎を起こし、最悪の場合、失明に至る。
④外陰部潰瘍
・ 有痛性の境界が鮮明なアフタ性潰瘍
・ 男性では陰嚢、女性では大小陰唇によく発症する。
・ 男性は、陰嚢、陰茎、亀頭に。女性は大小陰唇、膣粘膜にみられる
・ 痛みを伴うので、ときとして性病と間違われる。

<ベーチェット病の副症状>
●副症状
・ 出現頻度は関節炎以外は少ないが、特に腸管型、血管型、神経型ベーチェット病は生命の危険ともなる脅威であり、充分な警戒が必要。
・ 生命に直接危険をもたらすような症状は、ベーチェット病の中で「特殊病型」に分類されている。
①関節炎
・ 両腕、両足の四肢の大関節に認められることが多く、腫脹、疼痛、発赤が出現。
・ 変形や硬直を認めることはまれ
②副睾丸炎
・ 一過性、再発性の睾丸部の腫脹、圧痛。
・ 出現頻度は全体の6%程度だが、ベーチェット病に特異性が高い。
③消化器病変
・ 回盲部末端から盲腸にかけてが好発部位。
・ 多発性の潰瘍性病変が特徴。
④血管病変
・ 大中血管の炎症性、血栓性閉塞や動脈瘤形成が定型的な血管病変である。
⑤中枢神経病変
・ ベーチェット病症状の中で最も遅発性、男性に多い。
・ 発症から神経症状発現まで、平均五、六年かかることが多く、長い経過が特徴的。
・ 寛解憎悪を繰り返すが、次第に非可逆的な障害が積み重なっていき、重篤な後遺症を残すことが多い。
・ 中枢性運動麻痺と性格変化を中心とした精神症状が多く、髄膜刺激症状や脳幹症状を示すものもある。
・ 特に神経症状が前面に出る病型を「神経ベーチェット」と呼び、難治性で、もっとも予後が不良

<ベーチェット病の合併症>
●眼病変の虹彩毛様体炎や網膜ブドウ膜炎では、白内障や緑内障、網膜剥離などの合併症が高い頻度で起こる。

<アトピー性皮膚炎に伴う眼疾患>
● 眼瞼皮膚炎、角結膜炎、円錐角膜、白内障、網膜剥離など。
● 白内障や網膜剥離は重い視力障害につながる
● 皮膚炎、特に顔の皮膚炎が重症な方に多い。
● 10~30歳台に比較的多く、思春期、成人になるまで皮膚炎が長引いたり、その時期に重症になったりするタイプには注意が必要。

<高血圧症の眼底血管の分類>
・Scheie分類が広く用いられる。
・Keith-Wagner分類は、内科所見を主として眼底所見との相関を考えた分類法で、現在でも尚広く用いられている 
(1)Keith-Wagnerの分類
*眼底所見
+全身所見
【Ⅰ度】
*細動脈の狭細と効果が軽度
+血圧は日中動揺するが、夜間睡眠時は正常
【Ⅱ度】
*細動脈の狭細と効果が強い
+血圧は高く、動揺が少ない。
【Ⅲ度】
*出血、白斑
+心臓・腎臓障害
【Ⅳ度】
*乳頭浮腫
+心臓・腎臓・脳障害


2)Scheieの分類
度:分類
H:高血圧性所見
S:細動脈硬化性所見
第1度
H1/細動脈の狭細が第2枝以下で認められる。
S1/細動脈壁反射の軽度亢進と軽微な動静脈交叉現象
第2度
H2/細動脈の狭細が著明、著しい攣縮を示す口徑不動。
S2/S1の所見が更に著明。
第3度
H3/細動脈の狭細と口径不同が更に著明となり、網膜の出血・ 滲出の何れか、又は両者を伴う。
S3/銅線動脈と更に高度の交叉現象
第4度
H4/上記の第3度の所見に加え、乳頭浮腫が加わる。
S4/銀線動脈

●眼底血管の糖尿病の分類
*Scott分類
Ⅰ(a):毛細血管瘤
Ⅰ(b):大きい静脈の変化-たとえば静脈硬化症、拡張した静脈のコイル状(または結び目状)の変形。
Ⅱ:点状出血。これに点状滲出斑が伴うこともある
Ⅲ(a):大型円状の出血。融合性の滲出斑を伴う。/Ⅲ(b):出血斑と滲出斑はより数を増す
Ⅳ:硝子体出血。
Ⅴ(a):増殖性網膜炎/Ⅴ(b):増殖性網膜炎の血管型
Ⅵ:網膜剥離。著しい変形所見

*福田分類
A1:毛細血管瘤または点状出血
A2:しみ状出血。硬性白斑。
A3:陳旧性の新生血管
A4:陳旧性の硝子体出血
A5:陳旧性の増殖性網膜症
B1:網膜内細小血管異常、軟性白斑、網膜浮腫、線状または火焔状出血
B2:乳頭に直接連絡しない新生血管
B3:乳頭に直接連絡する新生血管
B4:硝子体中に立ち上がる新生血管
B5:糖尿病網膜症に起因する網膜剥離