救急対策 | 単品の進級促進運動

救急対策

救急は直前に勉強する時間がほとんどないので早めに上げときます。
ほぼ全ての内容が載ってます。
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<体温異常>
●熱中症の種類
病態の違いから4つに大きく分類される。
1.熱失神(heat syncope)
・原因:直射日光の下での長時間行動や高温多湿の室内で起きる。発汗による脱水と末端血管の拡張によって、体全体の血液の循環量が減少した時に発生する。
・症状:突然の意識の消失で発症する。体温は正常であることが多く、発汗が見られ、脈拍は徐脈を呈する。
・治療:輸液と冷却療法を行う。
2.熱疲労 (heat exhaustion)
・原因:多量の発汗に水分・塩分補給が追いつかず、脱水症状になったときに発生する。
・症状:症状は様々で、直腸温は39℃程度まで上昇するが、皮膚は冷たく、発汗が見られる。
・治療:輸液と冷却療法を行う。
3.熱痙攣 (heat cramps)
・原因:大量の発汗後に水分だけを補給して、塩分やミネラルが不足した場合に発生する。
・症状:突然の不随意性有痛性痙攣と硬直で生じる。体温は正常であることが多く、発汗が見られる。
・治療:食塩水の経口投与を行う。
4.熱射病 (heat stroke) 日射病(sun stroke)とも言う
・原因:視床下部の温熱中枢まで障害されたときに、体温調節機能が失われることにより生じる。
・症状:高度の意識障害が生じ、体温が40℃以上まで上昇し、発汗は見られず、皮膚は乾燥している。
・ 治療:緊急入院で速やかに冷却療法を行う。
● 病院で行なう冷却法
・ 体表面にアルコールや温水をスプレーし、その気化熱によって冷却する方法
・ 冷水浴
・ 一定の温度で冷却できるクーリングマットを使う方法
*体腔内からの冷却法
・ 冷水による胃洗浄:「大量」注入は嘔吐・誤嚥を招くので禁忌)
・ 冷水による膀胱洗浄
・ 冷却生理食塩液による胸腔内・腹腔内洗浄
・ 血液を体外に出してから冷却し再度体内に戻しいれる体外循環
*氷嚢を皮膚に押し当てる方法は、皮膚の血管収縮により熱の放散を妨げ、シバリングを招くので勧められない
●労作性熱中症(労作性熱射病)Exertional type:E型
・ 運動選手、筋肉労働者、兵士などが温熱下の激しい運動で発症する。
・ 筋肉運動による熱産生の過剰が主
・ 若年男性に多い
・ 運動強度によっては比較的低温下でも発症
●古典的熱射病(非労作性熱射病)Classical type:C型
・ 乳幼児や高齢者、または循環器疾患や精神疾患を有する人が高温多湿環境にさらされて発症する
・ 夏季の酷暑下,日常生活中に発症。
●偶発性低体温症
・ 何らかの原因で中心体温(直腸温)が35°C以下に低下した病態。
・ 水難事故や冬山登山でも起こるが、一般には飲酒や睡眠薬の服用後に寒冷環境におかれて発症した低体温症。
・ 心電図ではT波逆転,PQ・QR・QTSの延長,種々の不整脈などがみられるが,特徴的なものとしてQRS群の終末に出る陽性動揺はJ波(Osborn波)として有名である。
・ 30℃以下では心筋の被刺激性が著しく高まり致死的な不整脈を発生しやすく,患者の扱いには愛護的な配慮が必要である。
・ 体温が30℃以下になると、ふるえすら起こらなくなり、加速度的に体温は低下する。
・ 体温が低下するにつれて 精神活動、運動能力ともに低下するため、その人本来の能力を発揮できなくなる。なかでも判断力は早い時期から低下する。
*前兆(36.5~35度):意識は正常。手の細かい複雑な動きができない。さむけ、ふるえがはじまる。
*軽症(35~33度):無関心状態、すぐ眠る。歩行よろめく。口ごもる話しぶり。ふるえ最大。(協力的にみえて協力的でない。まともそうに見えてまともでない。)
*中等症(33~30度)
・33~32度:会話がのろい。閉じこもる。逆行性健忘。意思不明。運動失調。
・ 31~30度:錯乱状態。支離滅裂。しだいに応答しなくなる。震え停止。歩行や起立は不可能。
*重症(30度以下)
・30~28度:半昏睡状態。瞳孔散大。心拍、脈拍微弱。呼吸数は半分以
・ 28~25度:昏睡状態。心室細動。
・ 25度以下:腱反射消失。仮死状態。
・ 20度以下:脳波消失。心停止。
*16度:救命しえた成人の偶発性低体温症の最低体温。
*15.2度:救命しえた新生児の偶発性低体温症の最低体温(66分間水没していた)。
● 復温方法
・保温、体表加温、中枢加温の3つの方法がある。積極的に行うか消極的に行うかの判断が必要。
*保温:毛布寝袋などで熱の放散を防ぐ方法で、低体温症全ての患者に行うことができる。
*体表加温:温水欲、電気毛布、自動保温マットレスなどを用い、積極的に加温する方法。
*中枢加温:主に医療機関で行う身体内部から加温する方法である。
・中心静脈への急速加温輸液:急速復温では末梢血管拡張により冷たい血液が急激に心に還流し心室細動を発生させる危険性(after drop)があるが、slow rewarmingでは死亡率は45%以上であるため、急速復温が優先される。
*積極的加温/消極的加温
・軽度の一次性偶発体温では消極的体外式加温法
・ 慢性で高度の低体温には四肢の加温は控える←核心体温の低下、血管が拡張に応じた心拍出量が得られずrewarming shockの危険性。
・ 核心体温32℃未満、循環動態不安定、新生児、高齢者、中枢神経障害、二次性偶発性低体温が疑われるときは積極的加温法。
*死亡確認は原則として核心温度を30℃以上にしてから行う

<災害医療>
●静岡方式トリアージ
・クラッシュ症候群の心配からSTART方式の一番最初に、2時間以上の圧迫があるかどうかが加えられている。
1.2時間以上の圧迫がある→赤タッグ
2.呼びかけに反応するか:ない→赤タッグ
3.呼吸の確認 
・ない→気道確保→ない→黒タッグ
・ある→30回/分以上、もしくは10回/分未満→赤タッグ(脈拍での判断でも可)
4.爪を押してから血色が戻る時間:2秒以上→赤タッグ
5.手を開閉する、目を開閉するなどの言葉に正確に応える:ない→赤タッグ
6.自力で移動できる
・できない→黄タッグ 
・できる→緑タッグ
●タッグの色の意味
*黒 (Black Tag) カテゴリー0 :死亡、もしくは救命に現況以上の救命資機材・人員を必要とし救命不可能なもの。
*赤 (Red Tag) カテゴリーI :生命に関わる重篤な状態で一刻も早い処置が必要で救命の可能性があるもの。
*黄 (Yellow Tag) カテゴリーII :今すぐに生命に関わる重篤な状態ではないが、早期に処置が必要なもの。
*緑 (Green Tag) カテゴリーIII :救急での搬送の必要がない軽症なもの。
●START法
・ 救助者に対し傷病者の数が特に多い場合に対し、判定基準を出来るだけ客観的かつ簡素にした物がSTART法 (Simple triage and rapid treatment) である。具体的には以下のようになる。
1. 歩けるか?
・ 歩ける→緑→状態の悪化がないか絶えず観察
・ 歩けない→2.へ
2.呼吸をしているか?
・ 気道確保なしで十分な呼吸が出来る→黄
・ 気道確保がなければ呼吸できない→赤
・ 気道確保をしても、呼吸がない→黒
・ 呼吸はあるが頻呼吸(30回/分以上)→赤
・ 徐呼吸である→3.へ
3.ショック症状はないか?
・ ショックの兆候がある→赤
・ ショックの兆候無し→黄

<中毒>
● アセトアミノフェン中毒
・ 摂取から数時間以内に胃腸炎,および1~3日後に肝毒性を引き起こしうる
・ AST,ALTが上昇することがあり,中毒が重度の場合には,ビリルビンおよびINRも上昇することがある。
・ 腎不全および膵炎を来す場合もあり,時に肝不全を伴わないことがある。
・ 5日後以降,肝毒性は消失するか,または致死的となりうる多臓器不全に進行する。
・ アセトアミノフェンが消化管に残存する可能性がある場合は,活性炭を投与する。
・ N-アセチルシステインはアセトアミノフェン中毒に対する解毒剤(拮抗薬)である。N-アセチルシステインはグルタチオン前駆体であり,肝臓のグルタチオン貯蔵の増加およびおそらくその他の機序によってアセトアミノフェン毒性を低減する。
・ 急性毒性では,アセトアミノフェン摂取量または血清中濃度に基づき肝毒性の可能性がある場合にN-アセチルシステインを投与する。これは,アセトアミノフェン摂取後8時間以内に投与した場合に,最も有効である。
●一酸化炭素中毒:
・ 空気中に一酸化炭素が酸素の1/200あったら、その濃度は0.1%(1000ppm)。 この場合、 酸素と一酸化炭素は半分ずつヘモグロビンを分け合う: Hb-CO/(HB-CO + HB-O2) = 0.5 ( 50%)
・ 1時間の暴露では、500ppmで症状が現れはじめ、1000ppmでは顕著な症状、1500ppmで死に至るとされている。
・ 高い濃度の一酸化炭素を吸った場合には、自覚症状を覚えることなく急速に昏睡に陥る。
・ 治療は酸素吸入
・ 純酸素を吸入しても呼吸が不十分な場合は高圧タンク内で酸素を吸入する高圧酸素療法が必要となる。
・ 脳細胞(特に大脳基底核)への直接的な障害作用がある。
・ 淡蒼球の壊死や脱髄疾患には高圧酸素療法やTRH療法。
● 塩素ガス中毒
・ 曝露により、眼、鼻、口の灼熱間、流涙、鼻漏、悪心・嘔吐、頭痛、めまい、. 失神、皮膚炎を生じる。
・ 咳、窒息、胸骨下痛、低酸素血症、肺炎、気管支痙攣、肺水腫. が起きることもある。
・ 3.5ppmでは臭気を感じ、15ppmでは目・呼吸器の刺激作用、咳、窒息感がおこり、50ppmでは1時間以内の暴露で胸部の疼痛、喀血、肺水腫をおこす。100ppmでは瞬間的に呼吸困難になり、脈拍減少、チアノーゼ、咽頭痙攣がおこり、ショックとなる。1000ppm以上では即死。
● 有機リン系殺虫剤
・ ドイツのバイエル社によって1940年前後に開発された。
・ 典型的な酵素毒であり、体内のコリンエステラーゼとの間に共有結合を作り、その活性を特異的かつ不可逆的に阻害し、体内にアセチルコリンの蓄積をもたらす。
・ その結果として、コリン作動性の症状が現れる。(口渇は抗コリン作用。)
・ 特異的拮抗剤として、硫酸アトロピンと2-PAM(2-pyridine aldoxime methiodide:一般名プラリドキシムヨウ化メチル)がある。
・ 2-PAMはリン酸化AChEのリン酸基と結合し,自らがリン酸化されてAChEからリン酸基を脱離させる.
・ しかし,リン酸化AChEのリン酸基は時間の経過とともにアルキル基を遊離し,イオン化するため2-PAMと反応しなくなるため早期から投与を開始しないと十分な効果を期待できない.
・ 2-PAMの50%致死量は100mg/kgのオーダーなので不必要に大量使用してはならない
● ふぐ中毒 ふぐ毒(テトロドトキシン):呼吸筋麻痺(呼吸抑制・呼吸困難)、しびれ(口唇、手足)、めまい、脱力感、頭痛、言語障害、腹痛、下痢、嘔吐。 重症では意識障害、昏睡、運動麻痺、低体温、血圧低下になり死亡
● サリチル酸中毒:乳酸やケト酸などの産生を増加させる。サリチル酸は呼吸中枢に作用して過呼吸を起こす
●灯油は絶対に吐かせてはいけない。吐かせてしまうと吐物が気道に入って、誤嚥による重症の出血性肺炎を引き起こす。
● 嘔吐に対処するには,左側臥位とする.中毒では,胃内の毒物が腸へ流出するのを妨げるため,側臥位をとる場合は原則として左向きがよい.
●睡眠導入薬大量服用
・ 処置:胃洗浄、活性炭による吸着、フルマゼニルの投与
・ 症状:呼吸中枢抑制、気道狭窄→呼吸性アシドーシス
●胃洗浄
・ 毒物を経口的に摂取したのち1時間以内で,大量服毒の疑いがあるか,毒性の高い物質を摂取した症例に胃洗浄の適応がある
・ 胃洗浄は,中毒患者ではルーチンに行われるべきではない.実験モデルでは,除去率は安定しておらず,時間とともに除去率は低下する.
・ また,胃洗浄によって臨床転帰を変える証拠はない.
・ したがって,胃洗浄は生命にかかわる可能性がある量を摂取していて,かつ毒物摂取後1時間以内でないかぎり考慮すべきではない
・ 胃洗浄洗浄液:水は38度程度に温めておく。液温が低いと消化管の蠕動運動が亢進して胃内容が腸へ流入しやすい。また低体温の危険も増す。温水には塊を形成した薬剤を溶かしやすい利点がある。
● 緩下剤(cathartics)
・ 多くの臨床医が経口中毒患者で投与しているが,単独投与で臨床的転帰を改善するという臨床対照研究はない.
・ 中毒治療では,活性炭と結合した中毒物質の腸内滞在時間を短くするために,活性炭とともに使用することを推奨する.
・ 急性中毒では,塩類下剤と糖類下剤(ソルビトール)が使用されるが,近年は,その効果からソルビトールが多用されている

<外傷>
●Primary Survey で治療が必要な病態と診断方法
・ 気道閉塞→身体所見
・ Flail chest→身体所見, 胸部エックス線撮影
・ 開放性気胸→身体所見, 胸部エックス線撮影
・ 緊張性気胸→身体所見, 胸部エックス線撮影
・ 大量血胸→身体所見, 胸部エックス線撮影, FAST
・ 心タンポナーデ→身体所見, FAST
●頚髄損傷→上肢にも麻痺を生じる。
●1~3腰椎横突起骨折では(腎)損傷がありえる
●右8~9肋骨骨折では(肝)損傷がありえる
●左7~9肋骨骨折では(脾)損傷がありえる
●恥骨・坐骨骨折では(尿道)損傷がありえる
●骨盤骨折
*概念
・大量の後腹膜出血や重篤な合併損傷を伴うことが多く死亡率が高い
・前方部の損傷のみでは機能障害を残すことは少なく、骨折に伴う下部尿路系損傷の合併が問題となる
・骨盤後方部の破綻は骨盤輪の安定性に大きく影響し、出血性ショック、神経損傷を呈しやすい(仙腸関節解離は骨盤後方部の破綻であり、不安定型骨盤骨折。)
*分類
1.安定型骨折:骨盤輪の破綻がない。ほとんどは保存的治療で治癒する
2.不安定型骨折:骨盤輪の破綻。大量の後腹膜出血を生じやすい
・回旋不安定型は創外固定のみで治療されることが多い
・回旋・垂直方向不安定型は創外固定のみでの治療は困難
3.寛骨臼骨折
*診断
・ショック状態や不安定型骨折が視診上疑われる患者は、正面単純X線による診断を優先
・バイタルサインが安定していれば、骨盤入口撮影、骨盤出口撮影を行う
・寛骨臼骨折の治療方針決定にはCTが不可欠
*急性期治療
・後腹膜出血の止血
・骨折した骨盤を整復・固定: 開大した小骨盤腔を狭小化
・帯、シーツによる緊縛、ショックパンツ: 前後圧迫型の緊縛
・創外固定: 回旋不安定型の固定
・経カテーテル動脈塞栓術: 輸液、輸血でショック状態が改善されないとき

<熱傷>
●熱傷の処置
・ 服は脱がせず、そのまま水をかけること。無理に脱がそうとすると損傷が酷くなる。
・ 水疱(水ぶくれ)は破らないこと。破ると感染を起こしやすくなる。
・ 乳幼児や老人は低体温を起こしやすいため、冷やしすぎに注意。ひととおり冷やしたらすぐに病院へ搬送する。
・ 気道熱傷のおそれがある場合は、息ができなくなってからでは手遅れになってしまうので、直ちに救急搬送を依頼する。
・ 電撃傷などで心肺停止状態にある場合は心肺蘇生が最優先される。冷却は二の次。
● 熱傷面積
・ I度熱傷は含めない。
・ II・III度熱傷で計測する。
・ 単位は%BSA。BSA:body surface area
●症状
II度:水疱、発赤、腫れ、湿潤。強い痛み、灼熱感、知覚鈍麻
III度:壊死、炭化、乾燥、白い。無痛、知覚なし
●III度熱傷の治療
・ デブリードマン(壊死組織を除去する)が第一選択
・ 広範囲であれば植皮の適応となるが、小範囲であれば湿潤環境で保護し周囲からの上皮化を待ってもよい。
・ 全周性のIII度熱傷には減張切開をおこなう。
・ 感染防止のため強力な外用抗菌剤を塗布し、時期を見て皮膚移植を行う
●感染予防
・ 広範囲熱傷で種々カテーテルの留置を余儀なくされる患者、気道熱傷患者では、広域スペクトラムを有し、腎、肝、造血器障害性の低い抗生物質を経静脈的に 2∼4g/日用いる。
・ 受傷早期熱傷創からの分離菌では皮膚の常在菌である S. epidermidis, Methicillin-susceptible S.aureus (MSSA), Corynebacterium 属などのグラム陽性菌が多く、ABPC, CET, CTM などを投与。
・ 感染予防の目的で第 3 世代セフェム剤、アミノ配糖体系薬剤を使用することは、耐性菌による感染を増加させるため好ましくない

<循環器>
●カテコラミン薬
イソプロテレノル:β1受容体に作用するがα作用も有する。
ドブタミン:β1受容体選択的
●市民による早期除細動(Public Access Defibrillation:略称PAD)システム
・倒れた者のすぐ隣に居合わせた一般市民(バイスタンダー)が、「AED」を使用して直ちに除細動(心臓への電気ショック)を行うこと。
・電気ショックが完了すると、ただちに心臓マッサージを開始する。心肺蘇生法を再開して2分経ったら、AEDが自動的に心電図の解析を再び行う。以後は、心電図の解析、電気ショック、心肺蘇生法の再開の手順を、約2分おきに繰り返す。
・電極パッドは心臓がパッドの間に挟まれるように貼ればよいが、胸骨右側と左側胸部が一般的。埋め込み式ペースメーカーや除細動器装着の患者にも使用できるが、そこから3センチメートル程度離して電極パッドを貼る。
・電気ショックの成功率は成功の可能性が1分ごとに7~10%低下する。
・ 電気的除細動 defibrillation:瞬間的に直流電流を通電させることで心筋細胞全体を同時に脱分極させ、洞調律に回復させる処置である。 心室細動、無脈性心室頻拍、不安定な多形性心室頻拍では同期電気ショックではなく、非同期の高エネルギー電気ショックを用いるべきである。
・ cardioversion : 同期装置でR波を検出しつつ、心筋受攻期を避けて通電するものをいう。通電量は疾患によって25~100[J]まで様々 である。 心房細動・心房粗動をはじめ発作性上室性頻拍などが主な適応となる。 なおR波非同期の電気的除細動は defibrillation という。
● 循環のサイン
・ 気道確保、呼気吹き込み式人工呼吸を2回行った後に、呼吸運動、咳、その他の体の動き等の有無を10秒以内に観察する。これらの徴候が全くなければ、循環のサインが無い心停止の状態と判断して、直ちに心臓マッサージを行う
・ 末梢における循環のサインは、爪もしくは指を血色が無くなるまで絞り、手を離してから血色が戻るまでの時間で判断する。概ね2秒以上かかっている場合、末梢循環不全が起きていると解釈する。
●救命の鎖(Chain of Survival)
*成人の救命の連鎖
1. Early Access→早期通報(119番など救急への通報)
2. Early CPR→早期心肺蘇生
3. Early Defibrillation→早期除細動
4. Early Advance Care→早期病院搬送(救急隊員への引継ぎ)
*小児の救命の連鎖
1. Prevention→予防
2. Early CPR→早期心肺蘇生
3. Early Access→早期通報
4. Early Advance Care→早期病院搬送(救急隊員への引継ぎ)
*成人と小児で順番が異なるのは、小児の方がより早期CPRに反応しやすいため(成人の心停止の多くは心臓に原因があり、小児では呼吸器に原因があることが多い)。
●特定行為
・心肺停止状態の傷病者に対して行う救急救命士による救急救命処置のこと。
・特定行為を行う際にはオンラインメディカルコントロールにより、指導医またはメディカルコントロール医師(MC医)の指示を得なければならない。(救急救命士法第44条)
1. 静脈路確保:乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液
2. 器具を用いた気道確保:食道閉鎖式エアウェイ(食道を閉鎖することで気道を確保するチューブ、またはラリンゲアルマスクを用いた気道確保。該当行為認定取得者による気管挿管(2004年より)
3. 薬剤投与:「薬剤投与認定」取得者によるアドレナリン(エピネフリン)投与(2006年法改定より)
4. 半自動除細動器による除細動

<ショック>
●旧厚生省DIC診断基準と欠点
1) 基礎疾患の存在:礎疾患のないDICは存在しないのに、基礎疾患の存在にスコアをつけるのはおかしい。
2)出血症状・臓器症状の存在:出血症状や臓器症状は、進行したDICでみられる所見であるにもかかわらず、これらの臨床症状の存在によりスコアをつけるのは、DICの早期診断に不向き
3)血小板数の低下
4)FDPの上昇:FDPは、敗血症/重症感染症に合併したDICででは上昇が経度であるため、旧厚生省DIC診断基準では、敗血症/重症感染症に合併したDICの早期診断に不向きである。
5)フィブリノゲンの低下:フィブリノゲンは、敗血症/重症感染症に合併したDICでは低下することはほとんどない。フィブリノゲンは炎症によりむしろ上昇することも多い。
6)プロトロンビン時間(PT)の延長:プロトロンビン時間(PT)は、DICのみならず、肝不全やビタミンK欠乏症で容易に延長するため、DICに特異的ではない。そのようなマーカーをDIC診断に用いるのは不適当である。
●ショック指数=脈拍数/血圧
ショック指数  循環血液量の減少
0.5      なし
1.0      23%
1.5      33%
2.0      43%
●循環血液量減少性ショック→まずは補液
●血液分布不均衡性ショック:アナフィラキシー、敗血症性、神経原性
● 心外閉塞性ショック:心タンポナーデ、緊張性気胸
●心タンポナーデによるショック
・従来まで心原性ショックに位置づけられていたが、最近の分類(病態による分類)では心外閉塞性・拘束性ショックを呈する疾患となっている。
・ 心外閉塞・拘束性ショックは心血管系回路内の何らかの閉塞が原因で生じる。心タンポナーデでは、心原性ショックと類似した所見が見られる。
・ 心収縮力が低下し、十分な心拍出量とならないため、血液は停滞する。よって、CVPは上昇する。
・ 心タンポナーデショックでは、循環血液量の減少はなく、左心の収縮力低下により肺水腫が生じやすい状態である。
●敗血症性ショックの臨床症状
*初期
・高心拍出状態
・ 悪寒戦慄、発熱、暖かく湿った皮膚、チアノーゼ、精神錯乱などが特徴的。
・ 循環動態は、心拍出量の増加と末梢血管抵抗の低下がみられる(CI=4~5/分程度、TPR≦700のことが多い)。
*末期
・低心拍出状態
・ 冷たい湿った皮膚、乏尿、チアノーゼなど重症心原性ショックの症状と同じ。
・ CVP(PCWP)は上昇、心拍出量は低下、末梢血管抵抗は上昇する。この状態になった時は、数時間内外で死の転帰をとることが多い。
●心原性ショック:最大の原因疾患は広範囲急性心筋梗塞症で、壊死量が左室心筋の40%を越すと心原性ショックをきたす

<神経>
● 高齢者に起こる昏迷
・原因:薬の中毒反応、ナトリウム濃度の上昇による脱水、感染症。
・検査:血液中の糖、ナトリウム、アルコール、酸素、二酸化炭素などの濃度。
●鉤ヘルニアによる動眼神経麻痺 :血腫の拡大によって側頭葉の鉤が中脳を圧迫し、特に動眼神経核が障害されやすい。 病側の瞳孔が散大し、瞳孔不同 anisocornia を招く。
● 脊髄損傷:首の部分の障害では上下肢麻痺(四肢麻痺)となり、胸以下の障害では両下肢麻痺(対麻痺)になる。
● 衝撃部の反対側に生じる脳挫傷が反衝損傷
● クッシング現象:頭蓋内圧亢進に伴う徴候で、血圧の上昇、脈圧の増加、徐脈が生じる。
●切迫するD :重篤な頭部外傷を疑うという意味。意識状態・脳機能の評価を行う。
・ 搬入後のグラスゴー・コーマ・スケールで2点以上の低下
・ グラスゴー・コーマ・スケールの合計が8点以下
・ 瞳孔不同やクッシング現象がある
のいずれかの徴候がある場合、「切迫するD(Dysfunction of central nervous system)がある」状態と呼び、ABCが安定し次第、脳に対する検査・治療を最優先に行う。
●GCS
GCS
>反応/評点
●開眼(E)Eye Opening
・自発的に開眼する(spontaneous)/4
・呼びかけにより開眼(to speech)/3
・痛み刺激により開眼する(to pain)/2
・全く開眼しない(nil)/1
●最良言語反応(V)Best Verbel Response
・見当識あり(orientated)/5
・混乱した会話(confused conversation)/4
・混乱した言葉(inappropriate words)/3
・理解不明の音声(incomprehensible sounds)/2
・全くなし(nil)/1
●最良運動反応(M)Best Motor Respponse
・命令に従う(obeys)/6
・疼痛部へ(localises)/5
・逃避する(withdraws)/4
・異常屈曲(abnormal flexion)/3
・伸展する(extends)/2
・全くなし(nil)/1
*3つの項目のスコアの合計で評価する

<呼吸器>
● 上気道狭窄症状:
① 吸気時の雑音や喘鳴,
② 臥位での呼吸困難の悪化,
③ 呼吸リズムに一致しない呼吸困難,
④ 気管支拡張剤に反応しない喘鳴,
⑤ 肺の虚脱,
⑥ 胸部レントゲン写真が正常にもかかわらず持続する咳嗽や血痰
⑦ チアノーゼ,呼吸補助筋の使用、いびき
●エアウェイ:気道閉塞がある場合挿入する。
● 食道気管コンビチューブ
・ 盲目的に挿入し、本来は食道に、本体が入ることを想定して作られている救命救急のために考えられたデバイス。救急救命士に広く使用されている。
・ 喉頭展開をせずに行う。ほとんどの場合は食道に入り、1番目のチューブで換気が可能。運良く気管に入ったら、2番目のチューブで換気する。
・ 食道の裂傷の報告があり、食道静脈瘤の患者などには禁忌とされている。
・ 重積発作を生じた気管支喘息の患者に用いても、十分な換気が出来なかったという報告もある。
●ヘモグロビンの酸素解離曲線
*酸素解離曲線に影響する因子(右シフト要因)
・温度:温度が上昇すると結合-解離平衡は解離側に傾くから、酸素親和性は低下する(右へシフト)
・pH:pHが酸性に傾くと酸素親和性が低下する(右へシフト)
・CO2分圧:CO2分圧が増すと、pHは一定でも酸素親和性が低下する。これは、ヘモグロビンのN末
のα-NH2にCO2が結合してcarbaminohemoglobinを作るためである(右へシフト)
*2,3DPG
・赤血球で生産される酸素解離曲線移動の調節物質。
・たとえば高地に住んでいる人や慢性呼吸不全患者など、長い間低酸素血症に陥ってる人では 2,3DPG が 増加して酸素解離曲線が右シフトしており、組織に酸素を与えやすい状態になっている。
・貧血の人も 2,3DPG の作用によって酸素解離曲線が右方に移動している。
・保存血では2,3DPG が減少している。→輸血をするとヘモグロビンが増えて運ばれる酸素の量は増えるが、 保存血を大量に使うと 2.3DPG が減少しているので酸素解離曲線を左方に移動することになり、 組織に酸素を与えにくくする可能性がある。
●バッグ-バルブ-マスク Bag-Valve-Mask(いわゆるアンビュバッグ)
・自動的に膨張する弾力のあるバッグに酸素が流入する。
・一方向性のバルブ(弁)がマスク(透明なしっかりしたマスクがよい)とバッグの間に接続されている。
・病院内では最もよく用いられる換気補助のための器具である。
・患者の頭側に立ち、気道確保をして、左手で下顎を把持しながら右手でバッグをもんで換気する(EC法)。
・バルブには気管内挿管チューブの接続が可能である。
・バッグ-バルブ-マスクの欠点としては 一人で行うときには気道確保が困難で一回換気量が少なくなりがちである。これを補うために手の小さい人は、2人でバッグ-バルブ-マスクを使った方がよい。(1人はマスクの固定、もう一人はバッグをもむ)
・また余裕があれば 輪状軟骨を軽く押して食道に空気が入らないようにすると良い。
●動脈血酸素分圧(PaO2)
・若年健康者でほぼ100Torr(mmHg)、老年健康者で約80Torr。
・健康者の動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)は、40Torr前後に維持される。
・酸素解離曲線より、SaO2 90%はPaO2 60mmHg、SaO2 60%は30mmHgに相当する。これを3・6・9の法則という。それ以外にSaO2 97.5%はPaO2 100mmHg、SaO2 75%はPaO2 40mmHg、SaO2 30%はPaO2 20mmHgを覚えておくと便利。
● 鼻腔カニューラによる酸素吸入
・ 酸素流量1リットル毎分につき吸気酸素濃度は約4%づつ上昇する。
・ 大気を吸入するときの吸気酸素濃度は21パーセント。
・ 3L/minなら、吸気酸素濃度は21+3x4=33(%)
● 酸素供給量
・ 動脈血酸素含量が
CaO2 (mL/dL)=[1.39 (ml/g) x Hg (g/dL)x SaO2]+[0.0031 (mL/dL/torr) x PaO2 (torr)]
と表されるときに酸素運搬量は
DO2 (mL/min)=Q (dL/min) x CaO2
となる。(Hg:ヘモグロビン, SaO2:動脈血ヘモグロビン酸素飽和度, Q:心拍出量)
・ DO2 = CO × CaO2 ≃ CO × SaO2 × Hb
与式は PaO2 のかかわる部分を省いているが、細胞への酸素供給を考える場合には、PaO2 を見る必要はなく、むしろ動脈血酸素飽和度、Hb、心拍出量の 3 者を見ればよい。
●破傷風:喉頭けいれんによる呼吸障害
●換気障害と酸素化障害の違い
1.換気障害
・肺胞と大気中の間のガスの移動ができない状態で、酸素を肺胞に取り込めず二酸化炭素を肺胞から排泄できない状態。
・原因疾患にはCOPD(慢性肺気腫など)・重症肺結 核後遺症・中枢神経性急性薬物中毒などがある
2.酸素化障害
・低酸素状態で二酸化炭素は正常が減少。
・急性の酸素化不全は、主にシャントやシャント様効果の増大によって起こる。
・原因疾患には慢性間質性肺炎・肺胞淡泊症・成人呼 吸窮迫症候群など
3.混合型障害
・換気障害と酸素化障害が合併したもの。
*慢性呼吸不全:低酸素血症をきたすもの(I型呼吸不全)と、これに高炭酸ガス血症が加わるもの(Ⅱ型呼吸不全)がある。
1.炭酸ガス蓄積を伴わない低酸素血症(Ⅰ型呼吸不全)
①換気血流比不均等分布:肺の血流に見合うだけの換気が行われない部分が存在するため、肺動脈と肺静脈の間に一種のシャント(短絡)効果が現れることによる。急性では肺炎、気胸、肺塞栓症などがこれに相当し、慢性では肺気腫、慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症などが主としてこのタイプの呼吸不全を示す。
②拡散障害:肺でのガス交換は肺胞中のガスと肺胞を取り巻く毛細血管血(ガスがへモグロビンに結合した状態で存在)との間で行われ、これを拡散という。両者を隔てている組織を肺胞間質というが、肺胞間質の病変のためにガス交換が障害されるものは肺胞─毛細管ブロックと呼ばれ、拡散障害の代表的な機序。急性ではオウム病、カリニ肺炎、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)、過敏性肺臓炎などが、慢性では特発性間質性肺炎、肺線維症、塵肺症などがこれに相当する。肺胞間質の病変の他に、肺胞気と毛細管血との接触面積が減少した場合にも拡散障害をきたす。肺気腫がこれに当たります。
2.高炭酸ガス血症を伴う低酸素血症(Ⅱ型呼吸不全)
・これは肺胞低換気(ガス交換に有効な換気量が減少すること)が原因となる。
・肺胞低換気をもたらすものは、肺結核後遺障害や脊柱側湾後湾症、高度の肥満などの拘束性障害(肺の拡張が制限され肺活量が減少すること)が代表的。
・他に、脳の病変や、ギランバレー症候群、重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症のような神経・筋疾患など、呼吸中枢や呼吸筋の障害によって引き起こされるものも含まれる。
・また進行した肺気腫や、びまん性汎細気管支炎、喘息発作重積状態などの高度の閉塞性障害(気管支狭窄のため、主に呼気が制限される換気障害)でも肺胞低換気をきたす。

●過換気症候群:PCO2の低下は脳血流の減少をもたらす。

<酸・塩基>
● 乳酸リンゲル液
・効能・効果:循環血液量減少時の細胞外液の補給、循環血液量減少時の細胞外液の補正、組織間液減少時の細胞外液の補給、組織間液減少時の細胞外液の補正、代謝性アシドーシスの補正
・ 類似薬リンゲル液の塩素は血漿より約 50mEq/L と多く含んでいるが、乳酸リンゲルは血漿濃度にほぼ等しい。 よって輸液による塩素過剰を防ぐ。
・ 組成:
Na:130mEq/L
K:4mEq/L
Ca:3mEq/L
Cl:109mEq/L
●3号液
・ 維持液。通常の状態で必要とされる電解質をバランスよく含む製剤。食事がとれない場合の維持輸液に用いられる。ソリタT3号®など。
・ 基本的に尿など体が排出するような水分の組成にあわせて作られている。すなわち3号液では基礎輸液の理論をそのまま輸液量として用いることができるという特徴がある。そのわかりやすさのため、維持輸液としては現場で最もよく使われる。
●アニオンギャップAGが増加する代謝性アシドーシス
・腎不全
・糖尿病性ケトアシドーシス
・乳酸アシドーシス
・出血性ショック・急性心不全(慢性の急性増悪)(乳酸が増加、重炭酸が減少)
・飢餓(ケトアシドーシス):絶食が始まると筋肉のグリコーゲンは分解されて乳酸に代謝され、再度、筋肉エネルギーとして利用される。(乳酸が血中に放出されることはないので乳酸アシドーシスとはならない)
*ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓など心血管系、肺機能に高度の障害のある患者およびその他の低酸素血症を伴いやすい状態では、嫌気的解糖が亢進して乳酸産生が増加し、また循環不全により肝での乳酸処理能が低下する。
*KUSSMAL:糖尿病性ケトアシドーシス、尿毒症、サリチル酸中毒、敗血症、メタノール、アルコール中毒、アスピリン中毒、乳酸アシドーシス
●AG正常の代謝性アシドーシス
・腸管からのHCO3喪失:下痢、膵全摘術後、膵液嚢、尿管結腸瘻、麻痺性イレウス
・腎からのHCO3喪失:尿細管性アシドーシス、Fanconi症候群、原発性副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、先天性副腎皮質過形成、低アルドステロン症、Addison病、呼吸性アルカローシスに対する代償、ダイアモックス投与
・酸の負荷:アミノ酸輸液など
●高カリウム血症:細胞内の水素イオンと細胞外のKイオンが交換されて、代謝性アシドーシスとなっていることが多い。血液ガス分析で強度のアシドーシスが認められる場合は、重曹(メイロン:炭酸水素ナトリウム)を投与してアシドーシスを改善させる。これにより細胞外水素イオン濃度が下がるので細胞内水素イオンが細胞外に移行しやすくなる。それによってKイオンが交換で細胞内に入ってくる。
*G―I(グルコース・インスリン)療法は、5%グルコース液と速効性インスリンを持続投与するものである。インスリンがブドウ糖を細胞内に取り込ませる際にカリウムを一緒に細胞内へ移動させる作用を利用している。陽イオン交換樹脂を経直腸的に投与することで腸液中カリウムを除去する方法もある。
●呼吸性アルカローシスの代償:腎臓が分担すべき負荷をこなし,腎機能が代償性に低下する.すなわち,不足するH+の排泄を減少させ,血しょう中のH+量が増大する。