老年対策
老年落ちそうです><。
こないだの3連休は遊びに行っちゃったし、社医とかオスキーとかの予習で時間が足りない・・・
でもとりあえず授業プリント中心でやれば良いと思います!
授業プリからヤマ張ってみた。
★ 老化の定義
① 普遍性
② 内在性
③ 進行性
④ 有害性
★ 老年病の特徴
① 多数の疾患を合併
② 非定型性
③ 慢性化と寝たきり状態
④ 病歴聴取が困難
⑤ 薬物有害作用
★ 老化学説
プログラム説とエラー蓄積説
★ 検査異常値と加齢変化
① 栄養状態・疾患・・・アルブミン、ヘモグロビン低下
② 臓器機能低下・・・クレアチニンクリアランス、血中酸素分圧の低下
③ 体構成成分の変化・・・血清カリウム低下
④ 結合蛋白の低下・・・血清カルシウム低下
★ 老年者高血圧の臨床的特徴
・増大するもの=末梢血管抵抗、血圧動揺性(圧受容器機能障害)
・低下するもの=動脈コンプライアンス、心拍出量、循環血液量、主要臓器の血流・自動調節機能
★ 老年者心不全の主な原因疾患
① 虚血性心疾患=心筋梗塞
② 高血圧性心疾患=左室肥大
③ 弁膜疾患=僧帽弁狭窄症
④ 不整脈=心房細動
★ 拡張期心不全
高齢者で40%を占め、心筋収縮能は保たれるが拡張機能が低下している病態。
★ 心不全
・ 概念=心臓のポンプ機能低下で酸素需要に見合う血液量を供給出来ない。症状出現で生活機能に障害を生じる。全ての心疾患の終末的な病態。
・ 神経内分泌因子が病態悪化の原因
★ 左心不全徴候
・ 左房圧上昇=呼吸困難、起坐呼吸、Ⅲ・Ⅳ音、湿性ラ音、肺鬱血、肺水腫
・ 心拍出量低下=全身倦怠感、頭痛、食思不振、四肢冷汗、乏尿、脈圧低下
★ 右心不全徴候
浮腫、肝腫大、胸水貯留
★ 高齢者の呼吸器
・ 残気量が増加
・ 大脳基底核脳梗塞による誤嚥性肺炎
・ 喫煙による慢性閉塞性肺疾患、肺癌
★ 誤嚥を来しやすい病態
① 神経疾患=脳血管障害、神経変性疾患、認知症
② 寝たきり状態
③ 口内乾燥
④ 胃食道疾患
⑤ 医原性=鎮静薬、抗コリン薬、経管栄養
★ 誤嚥性肺炎発症機序
ドーパミン代謝低下–>サブスタンスP放出低下->咳反応惹起されない->嚥下・咳反射低下->不顕性誤嚥増加
★ 肺炎は老人の友
* 原因菌
・ 肺炎球菌(市中・大葉性)=稽留熱、悪寒戦慄、錆色痰、βラクタム、カルバペネム、ニューキノロン
・ インフルエンザ桿菌(市中)=βラクタム、カルバペネム、ニューキノロン
・ マイコプラズマ(市中・非定型)=比較的徐脈、白血球増多なし(ウイルス性も)、テトラサイクリン、マクロライド、ニューキノロン
・ 緑膿菌(院内)=肺膿瘍、空洞、3代セフェム、カルバペネム、アミノグリコシド
・ 黄色ブドウ球菌(院内)=MRSA注意(バンコマイシン)、肺膿瘍、空洞
・ クレブシエラ(院内・大葉性)=ESBL注意、肺膿瘍、空洞、3代セフェム、カルバペネム、フルオロキノロン
・ 嫌気性菌(誤嚥性)=肺膿瘍、空洞、クリンダマイシン+3代セフェム・カルバペネム
* 抗菌薬効果判定は投与後3日目と7日目に行なう。
★ 胸水細胞診
・ 多核球=急性細菌感染
・ 単核球=結核
・ 単球=ウイルス性
・ 血性=悪性腫瘍
★ 肺結核後遺症
肺性心と肺高血圧症
★ 高張性脱水=細胞内脱水、5%グルコース輸液、日射病・尿崩症、口渇、深部反射亢進、痙攣なし
★ 低張性脱水=細胞外脱水、生理食塩水輸液、ツルゴールと血圧低下、脳神経細胞浮腫による痙攣
★低Na血症
・ 腎からNa喪失=尿中Na増加
・ 腎以外からNa喪失・心不全・肝硬変・ネフローゼ=尿中Na減少
・ SIADS=ADH分泌が抑制されない(尿崩症の逆)。水分過剰だが浮腫なし、尿中Naは摂取Naと等量。尿浸透圧は高くなる。
★ パーキンソニズム4徴
① 安静時振戦
② 動作緩慢
③ 筋強剛
④ 姿勢反射障害
★ 高齢者のパーキンソン病
・ 認知症、精神症状(幻覚・妄想)、自律神経症状(便秘・排尿障害・起立性低血圧・性機能障害・発汗障害)
★ レビー小体型認知症(瀰漫性レビー小体病)DLBD
・ パーキンソニズム
・ 転倒しやすい
・ 生々しい幻視・・・ドネペジル有効
・ 被害妄想
・ 失神
・ one year rule(パーキンソニズム発症から1年以内に認知症)
・ レビー小体の大脳皮質・脳幹への蓄積
★ 進行性核上性麻痺
・ 核上性眼球運動障害(下方視)
・ 鉛管様筋強剛
・ 左右差なし
・ 病理:神経細胞脱落+グリオーシス+神経原繊維変化
・ MRI:中脳被蓋萎縮+脚間窩のU字状拡大+第3脳室拡大
★ 皮質基底核変性症
・ 左右差あり
・ 失行
・ パーキンソニズム・認知症
・ 垂直性眼球運動障害
・ 頭頂葉優位の萎縮
・ Ballooned neuron
★ 治療可能な認知症
① 外傷(慢性硬膜下血腫)
② 髄液循環障害(正常圧水頭症)
③ 内分泌障害(甲状腺機能低下症)
★ 認知症診断基準
① 記憶障害
② 認知機能障害(失語・失行・失認・実行機能障害)
★ アルツハイマー型と脳血管性の鑑別
・ 年齢分布、男女差、発症様式、経過、初発症状、病識、画像所見などの違い
★ 脳血管性認知症診断基準
① 認知症の存在
② 神経所見(歩行障害、構音障害、嚥下障害、意欲低下)+画像で確認される脳血管障害
③ a.脳血管障害から3ヶ月以内の認知症発症
b.認知機能の急速な低下、動揺性・階段性の悪化
★ 正常圧水頭症
・ 認知症
・ 歩行障害
・ 尿失禁
★ 薬物有害作用の要因
① 疾患関連=多剤併用
② 機能関連=代謝・排泄機能、誤服用、コンプライアンス低下
③ 社会的要因=過少医療
★ よくある有害事象
① 降圧薬=立ちくらみ
② 利尿薬=尿失禁
③ 経口抗凝固薬=消化管出血
④ 糖尿病薬=低血糖
⑤ NSAIDs=胃潰瘍
⑥ 中枢性降圧薬=健忘
⑦ 抗うつ・抗不整脈薬=便秘・口渇
⑧ 精神神経用剤=興奮、せん妄
★ 3S
① small=投与量を少なく。少量から開始
② simple=投与回数、薬剤種を少なく。
③ short=短期投与、(stop=効かない時や有害事象が出た時は中止)
★ CGA comprehensive geriatric assessment
簡易版CGA7は外来の短時間で総合機能評価が出来る7項目。
★老年症候群
① 若い人と頻度が同じの急性疾患関連
② 前期高齢者に増えてくる慢性疾患関連
③ 後期高齢者で急増する要介護関連
★ 基本的ADL
① 移乗
② 歩行
③ 階段
④ トイレ動作
⑤ 入浴
⑥ 食事
⑦ 排尿
⑧ 排便
⑨ 更衣
⑩ 整容
★ 反復性一過性脳虚血発作(TIA)の1/3ルール
① 3~4年内に脳梗塞に移行=1/3
② TIAを繰り返す=1/3
③ 自然に発作が消失する=1/3
★ 排尿と蓄尿
① 排尿筋
・ 収縮力が弱いと排尿しにくい
・ 過活動が強いと漏れる
② 膀胱出口
・ 閉塞が強いと排尿しにくい
・ 閉鎖・抵抗が弱いと漏れる
★ 尿失禁
① 切迫性
② 腹圧性
③ 混合性
④ 溢流性
⑤ 機能性
★ 高齢者に多い消化器疾患
① 上腸間膜動脈閉塞症=心房細動、血便、麻痺性イレウス、血管造影
② 虚血性大腸炎=糖尿病、高血圧、下血、拇指圧痕像、縦走潰瘍
③ 食道癌=男>女、内視鏡的粘膜切除術(早期)、扁平上皮癌
④ 胃食道逆流症=高齢女性、食道裂孔ヘルニア、LES低下、PPI、抗コリン薬禁忌
以下参考
★障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準
●生活自立 (ランクJ):何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
1.交通機関等を利用して外出する
2.隣近所へなら外出する
●準寝たきり(ランクA):屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
●寝たきり(ランクB): 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ
1.車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
2.介助により車いすに移乗する
(ランクC): 1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する
1.自力で寝返りをうつ
2.自力では寝返りもうたない
★ ウェルナー症候群(ウェルナーしょうこうぐん、Werner Syndrome )
・ 早老症の一種。1904年、ドイツ人内科医オットー・ウェルナー(Otto Werner)により臨床報告された。
・ 成人期以降に発症することが多いため、幼年期から好発する早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(プロジェリア症候群)に対して、「成人性プロジェリア (Adult Progeria) 」と称されることもある。
・ 患者は低身長、低体重、白髪、両側性白内障、皮膚の硬化・萎縮、嗄(さ)声などの外観を呈し、臨床像として耐糖能低下、骨粗鬆症、性腺機能低下、尿中ヒアルロン酸量の増加が顕著である。
・ 多くの場合、平均40-50歳で動脈硬化もしくは悪性腫瘍が原因となる疾患によって死亡する。
・ 常染色体劣性遺伝病であり、ヒト8番染色体上にあるWRNとよばれる単一遺伝子の異常(1塩基の違い)が原因であることが突き止められている。この遺伝子の役割はまだ完全に解明されていないが、DNAヘリカーゼと呼ばれる酵素タンパクをコードしており染色体の安定性の維持や遺伝子修復に関与していることがわかっている。
・ 世界各地で約1200例の症例報告がされている。その内の8割が日本人で、日本人10万人に対し3人がウェルナー症候群患者であると言われている。
・ ウェルナー症候群が日本人に多い理由は、最も大きな要因に、日本人の祖先にウェルナー症候群原因遺伝子を持つ人が他地域より多く存在していたという可能性があげられる。また、日本人の医師の間で、ウェルナー症候群がよく知られているために診断ができたという指摘もある(その他の国では知らない医師が多いためウェルナー症候群と診断できない事が多々ある)。
★高齢者のがんにおけるケアとチーム医療
高齢者のがん患者は病変の治療以外に様々なケアが必要な場合が多い。医師による治療だけではなく看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカーらによる精神的なケアや生活面でのサポートが非常に重要である。そういった全人的なケアと、がんという病気自体の経過に合わせた最善な治療を受けるためには、患者を中心に、各科の医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリ部門、ソーシャルワーカーといった様々な職種がチームを組むことが必要である。また、治療後の生活を見越した高齢者の評価とマネジメントも必要である。
★全身性浮腫
(1)心性浮腫(2)腎性浮腫(3)肝性浮腫(4)内分泌性浮腫(5)栄養障害性浮腫(6)医原性浮腫(7)特発性浮腫
★局所性浮腫
(1)リンパ性浮腫(2)静脈性浮腫(3)炎症性浮腫(4)立位性浮腫(5)内分泌性浮腫(6)妊娠性の浮腫
★誤嚥性肺炎の予防・ケア
・ しっかりと目覚めているか確認する。(ねむそうで、ぼんやりしていると、気管のなかに入り易くなる。)
・ 口の中を十分にきれいにする。
・ 口の中は十分に潤す。(乾燥していると飲み込みにくくなる。)
・ 十分に痰を出す。(痰でむせることがある。)
・ 食事に集中できる環境にする。(例)テレビに気を取られないように消す)
・ 食事中はよく噛んでゆっくり食べる。(食べるスピードが速いと気管に入り易くなる。)
・ 首が後ろにそらないように顎を引く。
・ 水分には必要に応じてとろみ剤を使う。(流れるスピードが遅くなり、気管に入るのを防ぐため)
・ スプーンは小さいもの(ティースプーン程度)を使う(一口の量は少なくした方が安全)
・ 口のなかにあるものをすべて飲み込んでから次を口に運ぶ。(食物が口のなかにどんどんたまってしまうと、のどに流れ込み、誤嚥してしまう。)
・ 疲れたときには休む(疲れると飲み込みも悪くなる)
・ 食物が口に入っているときは話しかけない(話しながら食べるとむせやすい)
・ 1回の食事に30分以上かかったり、摂取量が不十分な場合は、食事を何回かに分けたり、補助栄養食品を利用する。
・ 食べる方のペースに合わせて介助する。(速すぎないようにゆっくり介助)
・ 安全な姿勢と動作で食事を取る
・ 後30分は体を起こしている(胃や食道からの逆流を防止するため)
・ 食後は口の中をきれいにする(口のなかに残った食べ物が気管に入ることがある)
・ 必要に応じて吸引してのどのそうじをする
・ うがい、歯磨き、義歯の掃除
★誤嚥時の処置
●背中をたたく
①頭が胸よりも低くなるように、前かがみの姿勢にする。
②手のひらで背中(肩甲骨の間)をしっかりたたく。
●吸引する
口または鼻の穴からカテーテル(管)を静かに挿入し、異物を吸引する。カテーテルの先を動かしながら数回吸引し、カテーテルを回転させながらゆっくりと引き戻す。
●異物を手で取り出す
●ハイムリッヒ法
★細胞外液不足(欠乏性低ナトリウム血症)
・ 水欠乏を上回るナトリウム欠乏が起こっている。
・ 腎性体液喪失として尿細管障害やアジソン病、利尿薬の投与などでおこる。
・ 腎外性体液喪失としては嘔吐、下痢、経管ドレナージなど消化管からの喪失や、熱傷、膵炎、腹膜炎といったサードスペースへの喪失などがあげられる。
・ 発汗などで水分塩分を大量に失い、塩分を補給せず水分のみ大量に補給することでも陥りやすい。
・ 細胞外液不足のため腎臓への血流が極度に低下し、腎前性腎不全となる。
★水過剰(正常循環血液量性低ナトリウム血症)
・ このカテゴリーで最も多いのは高齢者の癌患者などでおこるSIADH
・ その他は甲状腺機能低下症、ACTH単独欠損症、多飲症、reset osmostatなどがあげられる。
・ 尿中ナトリウム濃度が20mEqを超えているのが特徴。
★細胞外液過剰(希釈性低ナトリウム血症)
・ ナトリウム過剰を上回る水過剰がある。
・ 多くは浮腫を伴っている。腎不全やその他の浮腫性病変として、うっ血性心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群などがあげられる。
・ 入院患者でよく見られる。
★フォレスター分類(Forrester分類)
Ⅰ群:Cl2.2以上、PCWP18以下(正常、死亡率3%)
Ⅱ群:Cl2.2以上、PCWP18以上(循環血流量が多い、死亡率9%)
Ⅲ群;Cl2.2以下、PCPW18以下(循環血流量がすくない、死亡率23%)
Ⅳ群;Cl2.2以下、PCPW18以上(ショック状態、死亡率51%)
★ネフローゼ症候群
・ 高齢者において腎静脈血栓症、脳血栓症などを合併する。
・ 高齢者では続発性(二次性)ネフローゼの割合が高くなるという傾向が見られる。
・ 加齢に伴い膜性腎症の割合が増加し、中高年層では半数以上を占める
★ 漏出性胸水
・ 肺内の正常な圧力に障害が起こる(血管内静水圧の増加または血漿膠質浸透圧の減少)ことで引き起こす疾患で生じる。
・ 主な原因疾患として、うっ血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変などがある。
★ 滲出性胸水
・ 肺や胸膜の炎症や感染、悪性腫瘍などの疾患の結果生じる。
・ 主な原因疾患として、細菌性肺炎、胸膜炎、肺結核、肺悪性腫瘍(癌性胸膜炎)などがある。
★非遺伝性脊髄小脳変性症
●オリーブ橋小脳萎縮症 olivo-ponto-cerebellar atrophy: OPCA
・ 中年以降の発症。
・ 小脳性運動失調が主体であるが、経過とともに、パーキンソン症状、自律神経症状が出現。
・ 小脳・橋の萎縮が特徴的。
・ 日本のSCDの中で最も多い病型である(35%)。
・ 線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群とそれぞれオーバーラップする部分があり、これらの疾患をまとめて、多系統萎縮症(multisystem atrophy:MSA)と呼ぶ。
●晩発性小脳皮質萎縮症 late cerebellar cortical atrophy: LCCA
・ 中年以降の発症。
・ 小脳性運動失調主体で、パーキンソン症状や、自律神経症状は伴わない。
・ 小脳萎縮はあるが、脳幹萎縮はない。
★ 骨粗鬆症の治療
・ 「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の三つを基本として行われる。
・ 「薬物療法」においては、性別・患者の状態・治療目的などに応じて、骨密度を高めるための骨吸収抑制剤や、骨形成促進剤のほか、ビタミン製剤やカルシウム製剤など、色々なタイプの薬が使用されている。
・ 現在では「ビスフォスフォネート」など骨量を増やすのに有効とされる薬もある。
・ 骨粗鬆症にまだなっておらず、その予防という観点からは、 食事と運動の二つが
重要になる。
★老年症候群と廃用症候群の関連
老化現象に伴う肉体的・精神的な仕組みや働きが低下して、高齢者に特有の症状・病態、さらに心身の障害に陥ることを老年症候群という。
● 老年症候群5大徴候
① 生活機能低下:スムーズに身体が動かない
② うつ状態:気分が滅入る、将来に希望を持てない
③ 転倒:足腰が弱くなる
④ 失禁:排泄のトラブルが多くなる
⑤ 低栄養:食欲のむら、消化力の衰え
これらは、いずれも高齢者にとっては健康の維持に支障を来す。以上の老年症候群が原因で日常生活能力が低下すると、肉体的・精神的機能がさらに衰えて、廃用性筋萎縮(使わない筋肉が細くなる)などの「廃用症候群」が起こる。
★ 切迫性尿失禁
・ 高齢者で起こる持続性の尿失禁の中で最も一般的なタイプ。
・ 明らかな原因がない場合もよくあるが脳卒中や痴呆などの脳の変化が原因のことが多い。
・ 高齢者での切迫性尿失禁は、膀胱の筋肉の過剰な活動と収縮力の低下が組み合わさって起こる。その場合では脳の障害によって膀胱を抑制する神経系の能力が損なわれている。
・ 膀胱が慢性的に過剰に活動する状態(過活動膀胱)は高齢者でよくみられ、突然の強い尿意が起こるだけでなく、昼夜を問わず頻尿になります。
★ リピート病の神経疾患
●歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 Dentatorubropallidoluysian atrophy(DRPLA)
・ 小脳にある歯状核・赤核、大脳の中心部にある淡蒼球・ルイ体が同時におかされる
・ 脊髄小脳変性症の一つであり、遺伝性。遺伝を受け継ぐにつれて発症年齢は若くなる傾向(anticipation)を示し、若年発症の特徴であるME型へと移行する。
・ 若年発症者はミオクローヌスという不随運動、てんかん、痴呆を主症状とする進行性てんかんの臨床像をとり、成人発症例では小脳失調、舞踏病、痴呆が主症状となる
・ CAGリピートが蓄積し、一定数以上になると発症する。
● ハンチントン舞踏病
● 筋緊張型ジストロフィ
● 球脊髄性筋萎縮症など
★若年者の急性腹症
●婦人科疾患(子宮外妊娠(特に破裂時)、卵巣出血、卵巣嚢腫茎捻転など)
●イレウスやメッケル憩室、腸重積、炎症性腸疾患
こないだの3連休は遊びに行っちゃったし、社医とかオスキーとかの予習で時間が足りない・・・
でもとりあえず授業プリント中心でやれば良いと思います!
授業プリからヤマ張ってみた。
★ 老化の定義
① 普遍性
② 内在性
③ 進行性
④ 有害性
★ 老年病の特徴
① 多数の疾患を合併
② 非定型性
③ 慢性化と寝たきり状態
④ 病歴聴取が困難
⑤ 薬物有害作用
★ 老化学説
プログラム説とエラー蓄積説
★ 検査異常値と加齢変化
① 栄養状態・疾患・・・アルブミン、ヘモグロビン低下
② 臓器機能低下・・・クレアチニンクリアランス、血中酸素分圧の低下
③ 体構成成分の変化・・・血清カリウム低下
④ 結合蛋白の低下・・・血清カルシウム低下
★ 老年者高血圧の臨床的特徴
・増大するもの=末梢血管抵抗、血圧動揺性(圧受容器機能障害)
・低下するもの=動脈コンプライアンス、心拍出量、循環血液量、主要臓器の血流・自動調節機能
★ 老年者心不全の主な原因疾患
① 虚血性心疾患=心筋梗塞
② 高血圧性心疾患=左室肥大
③ 弁膜疾患=僧帽弁狭窄症
④ 不整脈=心房細動
★ 拡張期心不全
高齢者で40%を占め、心筋収縮能は保たれるが拡張機能が低下している病態。
★ 心不全
・ 概念=心臓のポンプ機能低下で酸素需要に見合う血液量を供給出来ない。症状出現で生活機能に障害を生じる。全ての心疾患の終末的な病態。
・ 神経内分泌因子が病態悪化の原因
★ 左心不全徴候
・ 左房圧上昇=呼吸困難、起坐呼吸、Ⅲ・Ⅳ音、湿性ラ音、肺鬱血、肺水腫
・ 心拍出量低下=全身倦怠感、頭痛、食思不振、四肢冷汗、乏尿、脈圧低下
★ 右心不全徴候
浮腫、肝腫大、胸水貯留
★ 高齢者の呼吸器
・ 残気量が増加
・ 大脳基底核脳梗塞による誤嚥性肺炎
・ 喫煙による慢性閉塞性肺疾患、肺癌
★ 誤嚥を来しやすい病態
① 神経疾患=脳血管障害、神経変性疾患、認知症
② 寝たきり状態
③ 口内乾燥
④ 胃食道疾患
⑤ 医原性=鎮静薬、抗コリン薬、経管栄養
★ 誤嚥性肺炎発症機序
ドーパミン代謝低下–>サブスタンスP放出低下->咳反応惹起されない->嚥下・咳反射低下->不顕性誤嚥増加
★ 肺炎は老人の友
* 原因菌
・ 肺炎球菌(市中・大葉性)=稽留熱、悪寒戦慄、錆色痰、βラクタム、カルバペネム、ニューキノロン
・ インフルエンザ桿菌(市中)=βラクタム、カルバペネム、ニューキノロン
・ マイコプラズマ(市中・非定型)=比較的徐脈、白血球増多なし(ウイルス性も)、テトラサイクリン、マクロライド、ニューキノロン
・ 緑膿菌(院内)=肺膿瘍、空洞、3代セフェム、カルバペネム、アミノグリコシド
・ 黄色ブドウ球菌(院内)=MRSA注意(バンコマイシン)、肺膿瘍、空洞
・ クレブシエラ(院内・大葉性)=ESBL注意、肺膿瘍、空洞、3代セフェム、カルバペネム、フルオロキノロン
・ 嫌気性菌(誤嚥性)=肺膿瘍、空洞、クリンダマイシン+3代セフェム・カルバペネム
* 抗菌薬効果判定は投与後3日目と7日目に行なう。
★ 胸水細胞診
・ 多核球=急性細菌感染
・ 単核球=結核
・ 単球=ウイルス性
・ 血性=悪性腫瘍
★ 肺結核後遺症
肺性心と肺高血圧症
★ 高張性脱水=細胞内脱水、5%グルコース輸液、日射病・尿崩症、口渇、深部反射亢進、痙攣なし
★ 低張性脱水=細胞外脱水、生理食塩水輸液、ツルゴールと血圧低下、脳神経細胞浮腫による痙攣
★低Na血症
・ 腎からNa喪失=尿中Na増加
・ 腎以外からNa喪失・心不全・肝硬変・ネフローゼ=尿中Na減少
・ SIADS=ADH分泌が抑制されない(尿崩症の逆)。水分過剰だが浮腫なし、尿中Naは摂取Naと等量。尿浸透圧は高くなる。
★ パーキンソニズム4徴
① 安静時振戦
② 動作緩慢
③ 筋強剛
④ 姿勢反射障害
★ 高齢者のパーキンソン病
・ 認知症、精神症状(幻覚・妄想)、自律神経症状(便秘・排尿障害・起立性低血圧・性機能障害・発汗障害)
★ レビー小体型認知症(瀰漫性レビー小体病)DLBD
・ パーキンソニズム
・ 転倒しやすい
・ 生々しい幻視・・・ドネペジル有効
・ 被害妄想
・ 失神
・ one year rule(パーキンソニズム発症から1年以内に認知症)
・ レビー小体の大脳皮質・脳幹への蓄積
★ 進行性核上性麻痺
・ 核上性眼球運動障害(下方視)
・ 鉛管様筋強剛
・ 左右差なし
・ 病理:神経細胞脱落+グリオーシス+神経原繊維変化
・ MRI:中脳被蓋萎縮+脚間窩のU字状拡大+第3脳室拡大
★ 皮質基底核変性症
・ 左右差あり
・ 失行
・ パーキンソニズム・認知症
・ 垂直性眼球運動障害
・ 頭頂葉優位の萎縮
・ Ballooned neuron
★ 治療可能な認知症
① 外傷(慢性硬膜下血腫)
② 髄液循環障害(正常圧水頭症)
③ 内分泌障害(甲状腺機能低下症)
★ 認知症診断基準
① 記憶障害
② 認知機能障害(失語・失行・失認・実行機能障害)
★ アルツハイマー型と脳血管性の鑑別
・ 年齢分布、男女差、発症様式、経過、初発症状、病識、画像所見などの違い
★ 脳血管性認知症診断基準
① 認知症の存在
② 神経所見(歩行障害、構音障害、嚥下障害、意欲低下)+画像で確認される脳血管障害
③ a.脳血管障害から3ヶ月以内の認知症発症
b.認知機能の急速な低下、動揺性・階段性の悪化
★ 正常圧水頭症
・ 認知症
・ 歩行障害
・ 尿失禁
★ 薬物有害作用の要因
① 疾患関連=多剤併用
② 機能関連=代謝・排泄機能、誤服用、コンプライアンス低下
③ 社会的要因=過少医療
★ よくある有害事象
① 降圧薬=立ちくらみ
② 利尿薬=尿失禁
③ 経口抗凝固薬=消化管出血
④ 糖尿病薬=低血糖
⑤ NSAIDs=胃潰瘍
⑥ 中枢性降圧薬=健忘
⑦ 抗うつ・抗不整脈薬=便秘・口渇
⑧ 精神神経用剤=興奮、せん妄
★ 3S
① small=投与量を少なく。少量から開始
② simple=投与回数、薬剤種を少なく。
③ short=短期投与、(stop=効かない時や有害事象が出た時は中止)
★ CGA comprehensive geriatric assessment
簡易版CGA7は外来の短時間で総合機能評価が出来る7項目。
★老年症候群
① 若い人と頻度が同じの急性疾患関連
② 前期高齢者に増えてくる慢性疾患関連
③ 後期高齢者で急増する要介護関連
★ 基本的ADL
① 移乗
② 歩行
③ 階段
④ トイレ動作
⑤ 入浴
⑥ 食事
⑦ 排尿
⑧ 排便
⑨ 更衣
⑩ 整容
★ 反復性一過性脳虚血発作(TIA)の1/3ルール
① 3~4年内に脳梗塞に移行=1/3
② TIAを繰り返す=1/3
③ 自然に発作が消失する=1/3
★ 排尿と蓄尿
① 排尿筋
・ 収縮力が弱いと排尿しにくい
・ 過活動が強いと漏れる
② 膀胱出口
・ 閉塞が強いと排尿しにくい
・ 閉鎖・抵抗が弱いと漏れる
★ 尿失禁
① 切迫性
② 腹圧性
③ 混合性
④ 溢流性
⑤ 機能性
★ 高齢者に多い消化器疾患
① 上腸間膜動脈閉塞症=心房細動、血便、麻痺性イレウス、血管造影
② 虚血性大腸炎=糖尿病、高血圧、下血、拇指圧痕像、縦走潰瘍
③ 食道癌=男>女、内視鏡的粘膜切除術(早期)、扁平上皮癌
④ 胃食道逆流症=高齢女性、食道裂孔ヘルニア、LES低下、PPI、抗コリン薬禁忌
以下参考
★障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準
●生活自立 (ランクJ):何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
1.交通機関等を利用して外出する
2.隣近所へなら外出する
●準寝たきり(ランクA):屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
●寝たきり(ランクB): 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ
1.車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
2.介助により車いすに移乗する
(ランクC): 1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する
1.自力で寝返りをうつ
2.自力では寝返りもうたない
★ ウェルナー症候群(ウェルナーしょうこうぐん、Werner Syndrome )
・ 早老症の一種。1904年、ドイツ人内科医オットー・ウェルナー(Otto Werner)により臨床報告された。
・ 成人期以降に発症することが多いため、幼年期から好発する早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(プロジェリア症候群)に対して、「成人性プロジェリア (Adult Progeria) 」と称されることもある。
・ 患者は低身長、低体重、白髪、両側性白内障、皮膚の硬化・萎縮、嗄(さ)声などの外観を呈し、臨床像として耐糖能低下、骨粗鬆症、性腺機能低下、尿中ヒアルロン酸量の増加が顕著である。
・ 多くの場合、平均40-50歳で動脈硬化もしくは悪性腫瘍が原因となる疾患によって死亡する。
・ 常染色体劣性遺伝病であり、ヒト8番染色体上にあるWRNとよばれる単一遺伝子の異常(1塩基の違い)が原因であることが突き止められている。この遺伝子の役割はまだ完全に解明されていないが、DNAヘリカーゼと呼ばれる酵素タンパクをコードしており染色体の安定性の維持や遺伝子修復に関与していることがわかっている。
・ 世界各地で約1200例の症例報告がされている。その内の8割が日本人で、日本人10万人に対し3人がウェルナー症候群患者であると言われている。
・ ウェルナー症候群が日本人に多い理由は、最も大きな要因に、日本人の祖先にウェルナー症候群原因遺伝子を持つ人が他地域より多く存在していたという可能性があげられる。また、日本人の医師の間で、ウェルナー症候群がよく知られているために診断ができたという指摘もある(その他の国では知らない医師が多いためウェルナー症候群と診断できない事が多々ある)。
★高齢者のがんにおけるケアとチーム医療
高齢者のがん患者は病変の治療以外に様々なケアが必要な場合が多い。医師による治療だけではなく看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカーらによる精神的なケアや生活面でのサポートが非常に重要である。そういった全人的なケアと、がんという病気自体の経過に合わせた最善な治療を受けるためには、患者を中心に、各科の医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリ部門、ソーシャルワーカーといった様々な職種がチームを組むことが必要である。また、治療後の生活を見越した高齢者の評価とマネジメントも必要である。
★全身性浮腫
(1)心性浮腫(2)腎性浮腫(3)肝性浮腫(4)内分泌性浮腫(5)栄養障害性浮腫(6)医原性浮腫(7)特発性浮腫
★局所性浮腫
(1)リンパ性浮腫(2)静脈性浮腫(3)炎症性浮腫(4)立位性浮腫(5)内分泌性浮腫(6)妊娠性の浮腫
★誤嚥性肺炎の予防・ケア
・ しっかりと目覚めているか確認する。(ねむそうで、ぼんやりしていると、気管のなかに入り易くなる。)
・ 口の中を十分にきれいにする。
・ 口の中は十分に潤す。(乾燥していると飲み込みにくくなる。)
・ 十分に痰を出す。(痰でむせることがある。)
・ 食事に集中できる環境にする。(例)テレビに気を取られないように消す)
・ 食事中はよく噛んでゆっくり食べる。(食べるスピードが速いと気管に入り易くなる。)
・ 首が後ろにそらないように顎を引く。
・ 水分には必要に応じてとろみ剤を使う。(流れるスピードが遅くなり、気管に入るのを防ぐため)
・ スプーンは小さいもの(ティースプーン程度)を使う(一口の量は少なくした方が安全)
・ 口のなかにあるものをすべて飲み込んでから次を口に運ぶ。(食物が口のなかにどんどんたまってしまうと、のどに流れ込み、誤嚥してしまう。)
・ 疲れたときには休む(疲れると飲み込みも悪くなる)
・ 食物が口に入っているときは話しかけない(話しながら食べるとむせやすい)
・ 1回の食事に30分以上かかったり、摂取量が不十分な場合は、食事を何回かに分けたり、補助栄養食品を利用する。
・ 食べる方のペースに合わせて介助する。(速すぎないようにゆっくり介助)
・ 安全な姿勢と動作で食事を取る
・ 後30分は体を起こしている(胃や食道からの逆流を防止するため)
・ 食後は口の中をきれいにする(口のなかに残った食べ物が気管に入ることがある)
・ 必要に応じて吸引してのどのそうじをする
・ うがい、歯磨き、義歯の掃除
★誤嚥時の処置
●背中をたたく
①頭が胸よりも低くなるように、前かがみの姿勢にする。
②手のひらで背中(肩甲骨の間)をしっかりたたく。
●吸引する
口または鼻の穴からカテーテル(管)を静かに挿入し、異物を吸引する。カテーテルの先を動かしながら数回吸引し、カテーテルを回転させながらゆっくりと引き戻す。
●異物を手で取り出す
●ハイムリッヒ法
★細胞外液不足(欠乏性低ナトリウム血症)
・ 水欠乏を上回るナトリウム欠乏が起こっている。
・ 腎性体液喪失として尿細管障害やアジソン病、利尿薬の投与などでおこる。
・ 腎外性体液喪失としては嘔吐、下痢、経管ドレナージなど消化管からの喪失や、熱傷、膵炎、腹膜炎といったサードスペースへの喪失などがあげられる。
・ 発汗などで水分塩分を大量に失い、塩分を補給せず水分のみ大量に補給することでも陥りやすい。
・ 細胞外液不足のため腎臓への血流が極度に低下し、腎前性腎不全となる。
★水過剰(正常循環血液量性低ナトリウム血症)
・ このカテゴリーで最も多いのは高齢者の癌患者などでおこるSIADH
・ その他は甲状腺機能低下症、ACTH単独欠損症、多飲症、reset osmostatなどがあげられる。
・ 尿中ナトリウム濃度が20mEqを超えているのが特徴。
★細胞外液過剰(希釈性低ナトリウム血症)
・ ナトリウム過剰を上回る水過剰がある。
・ 多くは浮腫を伴っている。腎不全やその他の浮腫性病変として、うっ血性心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群などがあげられる。
・ 入院患者でよく見られる。
★フォレスター分類(Forrester分類)
Ⅰ群:Cl2.2以上、PCWP18以下(正常、死亡率3%)
Ⅱ群:Cl2.2以上、PCWP18以上(循環血流量が多い、死亡率9%)
Ⅲ群;Cl2.2以下、PCPW18以下(循環血流量がすくない、死亡率23%)
Ⅳ群;Cl2.2以下、PCPW18以上(ショック状態、死亡率51%)
★ネフローゼ症候群
・ 高齢者において腎静脈血栓症、脳血栓症などを合併する。
・ 高齢者では続発性(二次性)ネフローゼの割合が高くなるという傾向が見られる。
・ 加齢に伴い膜性腎症の割合が増加し、中高年層では半数以上を占める
★ 漏出性胸水
・ 肺内の正常な圧力に障害が起こる(血管内静水圧の増加または血漿膠質浸透圧の減少)ことで引き起こす疾患で生じる。
・ 主な原因疾患として、うっ血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変などがある。
★ 滲出性胸水
・ 肺や胸膜の炎症や感染、悪性腫瘍などの疾患の結果生じる。
・ 主な原因疾患として、細菌性肺炎、胸膜炎、肺結核、肺悪性腫瘍(癌性胸膜炎)などがある。
★非遺伝性脊髄小脳変性症
●オリーブ橋小脳萎縮症 olivo-ponto-cerebellar atrophy: OPCA
・ 中年以降の発症。
・ 小脳性運動失調が主体であるが、経過とともに、パーキンソン症状、自律神経症状が出現。
・ 小脳・橋の萎縮が特徴的。
・ 日本のSCDの中で最も多い病型である(35%)。
・ 線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群とそれぞれオーバーラップする部分があり、これらの疾患をまとめて、多系統萎縮症(multisystem atrophy:MSA)と呼ぶ。
●晩発性小脳皮質萎縮症 late cerebellar cortical atrophy: LCCA
・ 中年以降の発症。
・ 小脳性運動失調主体で、パーキンソン症状や、自律神経症状は伴わない。
・ 小脳萎縮はあるが、脳幹萎縮はない。
★ 骨粗鬆症の治療
・ 「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の三つを基本として行われる。
・ 「薬物療法」においては、性別・患者の状態・治療目的などに応じて、骨密度を高めるための骨吸収抑制剤や、骨形成促進剤のほか、ビタミン製剤やカルシウム製剤など、色々なタイプの薬が使用されている。
・ 現在では「ビスフォスフォネート」など骨量を増やすのに有効とされる薬もある。
・ 骨粗鬆症にまだなっておらず、その予防という観点からは、 食事と運動の二つが
重要になる。
★老年症候群と廃用症候群の関連
老化現象に伴う肉体的・精神的な仕組みや働きが低下して、高齢者に特有の症状・病態、さらに心身の障害に陥ることを老年症候群という。
● 老年症候群5大徴候
① 生活機能低下:スムーズに身体が動かない
② うつ状態:気分が滅入る、将来に希望を持てない
③ 転倒:足腰が弱くなる
④ 失禁:排泄のトラブルが多くなる
⑤ 低栄養:食欲のむら、消化力の衰え
これらは、いずれも高齢者にとっては健康の維持に支障を来す。以上の老年症候群が原因で日常生活能力が低下すると、肉体的・精神的機能がさらに衰えて、廃用性筋萎縮(使わない筋肉が細くなる)などの「廃用症候群」が起こる。
★ 切迫性尿失禁
・ 高齢者で起こる持続性の尿失禁の中で最も一般的なタイプ。
・ 明らかな原因がない場合もよくあるが脳卒中や痴呆などの脳の変化が原因のことが多い。
・ 高齢者での切迫性尿失禁は、膀胱の筋肉の過剰な活動と収縮力の低下が組み合わさって起こる。その場合では脳の障害によって膀胱を抑制する神経系の能力が損なわれている。
・ 膀胱が慢性的に過剰に活動する状態(過活動膀胱)は高齢者でよくみられ、突然の強い尿意が起こるだけでなく、昼夜を問わず頻尿になります。
★ リピート病の神経疾患
●歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 Dentatorubropallidoluysian atrophy(DRPLA)
・ 小脳にある歯状核・赤核、大脳の中心部にある淡蒼球・ルイ体が同時におかされる
・ 脊髄小脳変性症の一つであり、遺伝性。遺伝を受け継ぐにつれて発症年齢は若くなる傾向(anticipation)を示し、若年発症の特徴であるME型へと移行する。
・ 若年発症者はミオクローヌスという不随運動、てんかん、痴呆を主症状とする進行性てんかんの臨床像をとり、成人発症例では小脳失調、舞踏病、痴呆が主症状となる
・ CAGリピートが蓄積し、一定数以上になると発症する。
● ハンチントン舞踏病
● 筋緊張型ジストロフィ
● 球脊髄性筋萎縮症など
★若年者の急性腹症
●婦人科疾患(子宮外妊娠(特に破裂時)、卵巣出血、卵巣嚢腫茎捻転など)
●イレウスやメッケル憩室、腸重積、炎症性腸疾患