ウシオのブログ

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皆さん、こんにちは♪

ウシオです( ´ ▽ ` )

こんな訳わからないブログにコメントくれたかた、ほんとにありがとうございます!

今日も僕が体験した不思議な話しをしたいと思います。

ただ、今日の話しは凄くやるせなくて、悲しい話しなんで、閲覧には少しご注意ください

今だに幽霊なんて存在は信じてませんが、この経験をきっかけに、人の魂っていうか、何か科学では説明がつかない事ってあるんだなぁ
って僕が考えるようになった経験のお話しです。


葬儀屋で働きだして、初めての冬

葬儀屋の冬は大忙しです。寒くなると、やはり人の身体に負担がかかってるんでしょうね

冬は亡くなるかたが飛躍的に増えます。

春に葬儀屋に就職した僕は、色んな経験をして随分仕事にも慣れて来ていました。

その頃までには、いろんなご遺体も見て来ました。

夏場には山で首吊り自殺をされ1週間後に発見されたご遺体

飛びおり自殺をした女性のご遺体

焼死体に練炭自殺。

なんかね、やっぱり自殺をされたかたのご遺体を見ると

めっちゃやるせない気持ちになるんですよ…

首吊り自殺をされたかたは、夏場で死後1週間
もう全身腐敗してウジ虫まみれでした。

飛びおり自殺をされた女性は、足から地面に落ちたのか下半身がグチャグチャでした

目の前にいる動かないご遺体も、少し前までは笑ったり泣いたりしてたんだよなぁ

なんて思うと、ほんと精神的にくるんですよ

ただこのご遺体ほど、やるせない気持ちになった事は後にも先にもありませんでした

時刻は夕方

いつものように病院からご遺体引き取りの連絡が入りました。

その時の打ち合わせ担当は、1期上の先輩

死因は交通事故との事

病気で亡くなったかたに比べて自殺や事故での葬儀は、非常に大変です

そりゃそうですよね、ご家族は何の心がまえもなく最愛の家族を突然失ってるんですから

打ち合わせも冷静に進む事も困難だったりします

なので、僕も先輩のサポート役として一緒に担当する事になりました。

病院に到着、霊安室に向かうとご遺体の周りにはご家族が
みんな放心状態です。

ご遺体を運ぶために近づきます

若い…聞けば17歳の女子高生。

彼氏に会いに行く途中で車に跳ねられ亡くなったとの事

外傷はほとんど見られず、ほんと寝てるだけみたいな可愛らしい女性でした。

こんなに若くて可愛い子が…
しかも彼氏に会いに行く途中に…
凄く無念だろうなぁ…

そう強く思いました。


会館にご遺体を運び、喪主であるお父様と打ち合わせが開始です。

先輩が打ち合わせをしてる少し後ろで、僕も打ち合わせを見守ります。

こんな若い子を亡くされたばかりの父親です。
こんな時、ほんとに何と声をかけて良いのか迷います。

先輩もかなり緊張している様子です。

その時、お父様が言いました。

「お気遣いなく、打ち合わせは事務的にいきましょう…」

僕は凄くびっくりしました。
目の前のお父様は、娘さんを亡くされたばかりなのに、少しも取り乱した様子もなく逆にこちらを気遣ってくれてるんです。

お話しを伺ううちに納得しました。

喪主様は、まだ40代だと思うんですが、会社の社長をされてるとの事

祭壇も娘を綺麗に送り出したいと250万円の花祭壇に決まりました。

花祭壇っていうのは、よく芸能人の葬儀とかで見る
写真の周り全て花で埋めつくされた祭壇で、非常に高価なので滅多に受注されない祭壇です。

そのほか、棺や骨壷なども非常に高価な物を注文頂き、かなり大きな葬儀となりました。

こうなると葬儀の準備も大変です。

僕は引き続き、この葬儀専門のサポート役として先輩と一緒に担当する事になりました。

そして通夜が始まります。

お父様が会社の社長
また亡くなったのが女子高生との事で、非常に多くのかたが来館されました。

通夜の義も無事終わり、ホッとして本日の来館人数を確認し

明日の葬儀の香典返しの数量が足りるかどうかのチェックをしていると、会場から怒鳴り声が…

何と事故の加害者の若者が、多分警察のかたと一緒に来館してたんです。

ご家族を前に、震えながら土下座して泣いてる加害者の若者

それを見て怒りで震えながらも、必死に冷静さを保とうとする両親

そして泣きながら怒鳴り声をあげながら、加害者に掴みかかろうとして友人達に静止されている彼氏

もうね、僕ら部外者にはどうする事も出来ないんですよ…

はたから見てると加害者の若者も凄く可哀想で…

ただ、実際自分の娘や彼女を殺した人物が目の前にいたら、僕ならどうなっちゃうんだろう

また、車を運転する僕もいつあの加害者の若者の立場になってもおかしくないんだなぁ

なんて思いながら事の成り行きを見守ってました。

後日、再度キチンとお詫びに来ますとの事で加害者の若者も帰り
ふたたび静けさが戻ります。

喪主であるお父様は、来館された取り引き先のかたへの挨拶などで非常に忙しそうなので

僕は奥様と、よくお話しをしていました。
凄くおっとりとした優しいかたで

いつも泣きはらした真っ赤な目で、ただ僕達と話す時は笑顔で話しをしてくれるかたでした。

この奥様のためにも明日の葬儀も、何のミスもなく絶対滞りなく終わらせる

そう気を引き締め、夜中家に帰りました。

そして葬儀当日

早朝出勤して、祭壇周りのチェックをしていると

会場のすみにリンゴが…
拾ってみると、うっすら誰かがかじったような後が…

祭壇を見上げてみるとお供えもののリンゴがひとつ足りません。

どうやらこのリンゴはお供えもののリンゴのようです。

ただ、そうだと少しおかしいんです。

今回の花祭壇は、特大の祭壇です。

お供えものが置いてある高さはゆうに高さ3メートル

僕達がお供えものを設置した時は、祭壇上に登り設置してます。

誰かが登って取ったのか?
いや、今回は花祭壇です。
祭壇の壇上はお花でビッシリ敷き詰められていて、足の踏み場がありません。

それ以前に、通夜が終わって泊まっているのは親族だけです。

祭壇に登ってリンゴを取ってかじるなんて、不謹慎な事をする訳ありません。

とりあえずこのリンゴをどうしよう…

僕は奥様に聞いてみる事にしました。

事情を説明すると奥様は

「○○ちゃん、リンゴが大好きだったんですよ…お腹すいちゃったんですかね…
そのリンゴはそのままお棺に入れてあげますから大丈夫ですよ」

ってかるく微笑みながら言いました。

僕は奥様に怒られなかった事にホッとしつつ、多分ネズミがかじって落としたんだろうなぁ

と思ってました。

ただ、この後おこる事も考えると、今思えばほんとに奥様が言ってた通りだったのかなぁ
なんてちょっと思います。


葬儀も無事終わり、いよいよ出棺です。

棺の中に親族のかたでお花を入れてあげて、棺の蓋をしめます。

その時です

あれだけいつも冷静で、毅然としていたお父様が

「イヤだ…イヤだ…ウソだ…ウソだ…」

と、かぼそい声で娘様の顔を撫でながら、ボロボロと涙を流しているんです…

もう鼻水まみれで、顔をクシャクシャにして…


その姿を見て僕も涙が止まりませんでした。
司会者もサポートスタッフも、みんな泣いていました。

スケジュールの都合で、あまり長く時間は取れないんですが

その時は司会者も周りのスタッフもギリギリまでお別れの時間をとってあげました。

そして霊柩車に棺を乗せ、いよいよ葬儀も終盤です。

参列して下さった多くのかたに、喪主から最後の挨拶があります。

挨拶も無事終わり、霊柩車に喪主様と奥様が乗り込みます。

後は霊柩車がクラクションを数秒鳴らし、合掌してお見送りするだけです。

終わった…
僕の張り詰めた緊張の糸が少し緩んだその時です。

霊柩車のクラクションが鳴りません
ん⁉︎遅い、あまりに遅い

参列者のかたもざわつき始めました。

先輩が霊柩車に駆けつけます、僕も遅れて駆けつけました。

運転手に事情を聞くと、エンジンがかからないとの事

イヤイヤ!つい今さっき、この場所に霊柩車をスタンバイしたんです。

つい何分前にはエンジンかかってたんです。

定期的にメンテナンスもしてますし、こんな事は初めてです。

運転手をどけて、僕がエンジンをかけようと試みます。

ダメだ、かからない…

鍵をまわしてもエンジンが回る音すらしません…

あまりの出来事に、会館の1番上の責任者であるマネージャーも事務所を飛び出してきました

そりゃあそうです

こんな事態、大クレームに発展して当たり前の事態です。

しかも、かなり大きな売り上げをだしている葬儀です。

マネージャーからもう1台の霊柩車をすぐにまわすよう指示がありました。

司会者が参列のかたにも事情を説明して、代わりの霊柩車をスタンバイします。

霊柩車の車庫はすぐ近くにあるので数分でスタンバイ出来るでしょう。

僕と先輩はその間、喪主と奥様にひたすらお詫びの言葉をのべてました。

普通なら怒鳴られてもおかしくない状況です

その時、奥様が笑顔で言いました

「○○ちゃん、まだ火葬場に行きたくないんでしょうね…
私達があんまり引き止めちゃったから…」

すると喪主様も
「そうだな…まだ行きたくないんだな…
いや、ほんとに逆に申し訳ない、気にしないで下さい」

2人とも、つきものが取れたみたいな笑顔を見せてくれました。

そして代わりの霊柩車が到着です。

エンジンをかけたまま、棺を載せ替え
今度は無事出棺出来ました。

参列者のかたが帰った後、マネージャーが
霊柩車を動かすためにレッカー車が必要か聞いてきたので

ダメとは思いつつ、もう一度エンジンをかけてみました。

すると…

あっさりエンジンがかかりました

マネージャーも周囲のスタッフもみんな驚きまくりです。

結局、その霊柩車、念のため整備に出したんですが、全く異常無いとの事ですぐにかえって来ました。

その時の原因はわかりません。
もしかすると、ほんとにたまたま車の調子が悪かっただけかもしれません。

だけど、あの場にいたみんなは、不思議とあの時奥様が言った事と同じ意見でした。

幽霊がいるいない、そんな事関係なく

自然にそういう風に感じてしまう…

そんな不思議な体験でした。



って、いやぁ、マジで今回長くなり過ぎましたねσ^_^;

ここまで読んで下さったかた、ありがとうございました!

次回で、幽霊シリーズは最後にしようと思います♪

もしお時間あれば、また読んで頂ければと思います( ^ω^ )