あなたの思うように生きればいいのよ | 猿の残日録

猿の残日録

いろんなことがあるが、人生短いから前だけを見たほうがいいですよ。江原啓之 今宵の格言

桐島洋子さん 2016 12月発行

 

どんな人かこの本を読むと今まで知らなかった

考え方がわかる 私には貴重な本です

 

昭和12年生まれ  まだ若いと思っていたのは

ついこの間までで、もういいお年なのでした

 

同じ年の人を何人も見てきて、時代背景を

想像しながら本を読んでいるのですが

もっと年上の人かと最初は思っていたから

今、もっと若い人だったと知り、かなり驚き

 

Wikiで想像した人とかなりちがって

やはりとてつもなくすごい人でした

そして、とても親しみを感じる人でした

もちろん、一方的はわかっていますが

たいした人だなと思いました

 

出版時点で、79  10月に 80

十数年前から、シェアハウスしてるというから

68かららしい  しかも次女と同じ年の同居人

家族3人  縁もゆかりもなくても、ずっと一緒に

住んでいると、家族になれるものです という

 

どうせ人生も仮の宿なのだから、ちまちました

家の観念で自分を縛らずに、水のように

風のように、あちこちを自由自在に住み歩くのも

いいのではないでしょうか  とか

 

人生、一寸先はどうなるかわからないから、面白いのよ

って、亡くなった先生も言ってたけど、この人も書いてる

 

入社1年後、月給と同じ額のマンションに住み

家賃は月給で、あとはアルバイトで生活費を稼ぐ

翻訳や大学生の論文の代筆、何でも引き受ける

キリ工房を結成 とか

 

たとえ親子でも、別々に暮らしていた者同士が

ある日を境に同居することになった場合

同じ空間にずっと一緒にいるとプライベートがなくなって

そのうちお互いに疲れてきてしまうでしょう

 

その点、近居なら、各自の生活はちゃんと守られてますから

いい具合なんです  同じマンションの別々のフロアに

暮らすというのもよいアイデアでしょうね  とか

 

場合によっては、近居の相手は自分の子供ではなく

友達でもよいかもしれません

子供がいない人だっているし、いても遠くに住んでいたり

気が合わなかったりすれば、近くで暮らすのも難しいものです

 

幼い頃から、両親には「あなたの思うように生きればいい」と

言われて育ちました

結果として、現在がそんなにひどい状態ではないわけだから

まあいいんじゃないでしょうか  とか

 

もちろん、もっといい選択肢があったかもしれないという場面

はたくさんありましたよ

でも、そんなことを考えても仕方ないでしょう

人生は、いつも分かれ道の連続なのですから

 

同年代の仲間に、もし金に糸目をつけないでよければ

何が欲しいか聞いてみると、やはり物ではなく

気持ちのいい時間の過ごし方をみんな望むのですね

 

とはいえ、充実した時間を持つために最も重要なのは

間違いなく愛情や健康、平和、さらに平穏な日常や

気のおけない友人たちだということも共通認識です

 

本当の贅沢とは、お金で買えないもの

 

老後、山村派、海岸派、都会派、海外派 色々

洋子さんは渡り鳥派

 

人生の秋、1番豊かな収穫の季節なのだから

ここでよく熟れた果実を存分に味わい尽くしてこそ

心残りなく淡々と葉を落とし、澄みきった冬を迎える

ことができるはず

 

これからは思いっきり我がままになろう

したくないことはするまい、できる贅沢はしよう

 

 

年をとるのは、案外いいことでもあるのよ

だんだん、自分が好きなことだけをすればいいように

なるし、我がままでも許されるようになるでしょう

ただ、確実に老化はしています

自分の可能性がじわじわと狭まっていくのもわかるから

今のうちにできることはしておかなくてはと思います

 

年をとってから急に誰かと一緒になるって

結構難しいところもあるでしょう

それぞれ、もう固まっているから

 

話のギブ・アンド・テイクがあってこそ

人づき合いの意味もあります

 

時間の重さを異にする人と、大事な時間を

分かち合うのは苛立たしいことです

だから群れには入れないのでしょうね

 

自分の時間を自分自身で背負って駆け巡る

一匹狼たちと、臨機応変にサッと西へ東へ

駆けさって・・・というつき合いが一番愉しい

 

そういう狼が狼を呼び、連鎖的な出逢いが

どんどん広がっていくのを実感してきました

 

群れるのではなく、ただお互いの存在を

曠野のそこそこに意識し合う、その優しい気配に

包まれて日々暮らしています

 

血の流れだけが、サバイバルのロープではない

でしょう 細胞が滅びたって、人間は歴史や記憶の

中で生き続けることができます

その人を媒介にして知り合い、愛し合う人々も

少なくないと思うし、それによって多くの新しい人生も

スタートするでしょう

 

自分で産もうと産むまいと、結局すべての人間は

生命の再生産に関与し合いながら生きているのだと

思えば、自分の子孫を残さずに逝くことを、格別に

はかながることはないはずです

 

自由喪失の恐怖にだけは徹底的に臆病で

どんな些細な束縛の兆候にもたちまち敏感に

拒絶反応を起こして、激しく身構えてしまうのです

 

子どもなどという面倒な重荷をわざわざ背負い込むなんて

どう考えてもこの恐怖心と相容れないはずの所業です

 

私があれほど一生懸命手に入れてずっと大切に守り

抜いてきた自由を、どうして突然好き好んでこれほど明白な

危機にさらしたのか、誰もが呆れ、理解に苦しみ

私にその理由を問いかけました

 

ひと言でいうと、子どもを産むという面白く不思議なことを

すればできるのにしないなんて、私には我慢できなかった

ということでしょうか

 

要するに、好奇心の方が、恐怖心よりも、さらにまた強力

だったということなのです

 

でも、いったん好奇心に圧倒されて道を開いた恐怖心の

方も、決してそのまま引退してはいません

束縛への恐怖心は、依然断固として私を厳重に支配して

自由自由とわめき続けました

 

私は自由という概念に固執するわけではなく、ただそれが

なければたちまち呼吸困難になるという厄介な体質に

できる限り従順に生きてきただけです

 

そして一方には、とめどのない好奇心という度し難い

生理現象にも殉じなければなりませんでした

 

子どもと自由、あるいは好奇心と恐怖心という

両立すべからざるものをしゃにむに両立させようと

決心しているのだから、私の人生が乱暴に揺れ動くのは

仕方のないことで、私はその運命に喜んで従ってきました

 

おかげで面白いことがたくさんあったし、これからもあるはず

です

 

女は男の血を形見に巻き上げて、自分の子を作ってしまえる

のです

その男がどこかで老いぼれようと所帯じみようと知ったことじゃない

女の方には新しい生命がまるまる残って、

青春の再生産が始まるのだから

 

子どもも孫も、ちょっと離れたところから見守って

いるのが一番いい

幸せで元気で安全に暮らしてさえいてくれれば

そんなにしょっちゅう会いたいとは思わないんです

 

もっと一人前に話ができるようになってからの方が

仲良くできると思うので、その日が来るのを楽しみに

しています

 

アメリカでは、子どもと親の人生は別々だという認識

が確立しています

 

私はさっさと母親業を卒業してよかったとつくづく思います

 

自由と責任は表裏一体で、背負う責任が重いほど、

獲得する自由も増すもの

だから、確かに私は非常に自由です

組織にも夫にも縛られず、自分の意志だけで

好き勝手に生きてきたけれど、何もこれほどの自由を

抱え込むことも、ないのではないでしょうか

フリーランサーもシングルマザーも悪くないけれど

両方というのは、少し厳し過ぎるようです

 

 

 

最初の未婚出産の相手の話が書いてありました

かれんの父親

 

出産後、育児を全面的に託すことのできる人を

探した方法や、その方のことなど

 

 

かれんを産んだ翌年、二人目を身ごもった私は

今度は二か月間の海外旅行をして、その間に

出産しようと考えました

 

何しろ船の中で出産すれば、船医もちゃんといて

医療費がかかりませんから、幸い若かったせいか

人一倍元気な妊婦で、船長や周りの人たちを

ハラハラさせながらも好奇心旺盛に旅を楽しみ

まさに日本に到着するクリスマスの朝、無事

船の中でノエルが誕生しました

 

若いうちは我慢も修行になりますが、人生の

残り時間を数える年になったら、なるべく我慢など

しない方がいい