ハイサイ、RIN(凛)ですニコニコ
琉球犬、猟犬、浜下り、天然記念物、縄文犬

沖縄は、正月やお盆は新暦と旧暦の2回あるけど、
3月3日の行事も新暦と旧暦の2回ある。

明日4月9日(土曜)は旧暦の3月3日で
「浜下り(はまうり)」
という、海岸でのピクニックイベントが行われる日。

琉球犬、猟犬、浜下り、天然記念物、縄文犬

新暦の3月3日「ひな祭り」は、
女子のすこやかな成長を祈る節句イベントで、
ひな人形や桃の花を飾って、白酒や寿司などの飲食を
室内で楽しむ日本独特の文化。

だけど最近は、ひな人形を飾らない家が増えているようで、
この行事は廃れ気味だと感じて久しい。

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ひな祭りに近くなる時期は、
AEONとかのスーパーやデパートで演出的に琴の音色が流れたり、
一部コーナーがそれらしく作られ、
「明かりをつけましょぼんぼりに~、お花をあげましょ桃の花~」
と、幼稚園や小学校あるいはテレビ番組などでも、
この時期の定番ソングとしても歌われるけど、
正月、節分、七夕、七五三、端午の節句などの年中行事やお中元やお歳暮、
クリスマスやハロウィンとかのキリシタン系イベントや
バレンタインデーやホワイトデーみたいな菓子メーカーの策略などもあり、
年中行事やイベントは、商魂たくましいデパートや大型スーパーの
販売強化策の商売道具と化しているみたいで、なんかイヤ。

日本古来の伝統行事や、どうでもイベントが同列の商売道具にされたことで、
伝統行事の由来とか、あまり考えなくなってしまった。


節分の恵方巻だって、5年くらい前から突如はやり出したけど、
コンビニやスーパーの販売戦略に決まっているよね。
あんなの左つむじの阿呆巻きみたいなもので、
食べたって「縁起がいい」わけがない。
神社のおみくじで「吉」が出たようなもの。
消費者が悪徳商人越前屋におだてられているだけに過ぎない。

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年中行事にはそれぞれ由来があり、
それを理解できれば、もっと楽しめるはず。

なので、ひな祭りに相当する「浜下り(はまうり)」イベントを
掘り下げてみたら、
「(女の子は)この日は家に居てはいけない」
つまり
「浜(海岸)に乗り出して楽しむイベント」
なんだね。

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名護市立図書館で借りた
「沖縄昔ばなしの世界(著・石川きよ子、沖縄文化社1991年発行」
に、「浜下り(はまうり)の由来」があり、これを以下にコピペする。
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むかし、ある海辺の村に、とても美しい娘がいました。
村の若者たちを、恋のとりこにするほどの娘でしたが、
どうしたことか、いつも家の中で過ごしてばかりいました。

そんなわけで、村には、誰一人、娘の心をとらえる若者は
いませんでした。


「そろそろニービチ(結婚)して、安心させておくれ」
心配になった母親は、何かにつけてそう言うのですが、
娘は聞く耳を持ちませんでした。


そんなある日、娘がほほを赤らめながら、まじめな顔でいいました。
「お母さん、好きな人がいるのです。
どうか、その人と、一緒にさせて下さい」


母親は、ほっと胸をなでおろし、ニコニコしながら言いました。
「で、相手は、いったいどこの誰なの?」


ところが、娘の話に、母親は顔色を変えました。
相手はお侍(さむらい)とのことですが、
娘は名前も所もしりませんでした。
しかも、娘は、子供さえ身ごもっていたのです。


母親は、お侍の身元を確かめることにしました。
しかし、何とも妙なことに、そのお侍は、
毎晩、どこからともなく現れ、
明け方になると、いつの間にか姿を消してしまうのです。


これは、きっとマジムン(魔物)のしわざに違いない」
ある日、母親は、嫌がる娘の手を引くと、
ユタ(霊媒者)の家へと急ぎました。


ユタは、何やら占っていましたが、
やがてゆっくりした声で言いました。


「その者は、人間ではないようです。
細長い姿が浮かびましたが、とうとう判りませんでした。
正体を知るには、今度やって来た時、
その者の着物に、糸をつけた針を刺しておくことです。
後で糸をたどって行けば、その正体が判りますよ」


「アイエーナー(ああ)、どうしてこんな恐ろしいことに…」
あまりのことに、母親の顔は、いっぺんに十(とう)も
年をとったようにやつれてしまいました。


しかし、娘には、ユタの言葉が信じられません。
「ウソに決まってる。あの人が人間ではないなんて…。確かめてやるわ」
とつぶやいて、険しい顔でユタをにらみました。


その日も、辺りがすっかり暗くなると、
そのお侍がいつものようにやってきました。


娘は、ユタに言われた通りに、お侍の帰りぎわ、
そっと着物の襟(えり)に、針を刺しておきました。


「ごめんなさい。でも、あなたの身元を確かめなくてはいけないのです」
娘は、心の中で、針を刺したことを詫びました。


あくる日の朝、娘と母親は、糸の後をたどって行きました。
糸は、いくつもの畑や藪(やぶ)を抜け、
村はずれにある岩穴へと続いていました。


恐る恐る中を覗(のぞ)いた二人は、思わず声を飲みました。
薄暗い岩穴の奥で、アカマタ(赤いまだらのあるヘビ)が、
気味の悪い呻(うめ)き声を上げながらもがいていたのです。


アカマタの首には、あの針が刺さり、
そこから真っ赤な血が流れていました。
こともあろうに、あのお侍がヘビの化身(けしん)であったとは…。


娘は、悲しみのあまり、
「どうして、私を騙(だま)したの?」
と叫び、わっと泣き伏しました。
母親は、どうしようもなく、ただ震えて見ているばかりでした。


アカマタは、娘の泣き声に、
「あなたの美しさに心を奪われ、人間に化けていたのです。
どうか許して下さい。
明日、浜に出て、潮で身を清めれば、
けがれのない元の体に戻れます」
と、苦しそうな声でそう言い、そのまま息絶えて死んでしまいました。


あくる日の朝、娘は、母親の手を引かれるままに、
まだ冷たい波が寄せる浜へと向かいました。


浜に着くと、娘はゆっくりと潮水に浸かり、
足首、ひざ、腰のあたりまで身を沈めました。


すると、娘の顔が、ほんのりと赤く染まり出しました。
娘は、急に体が軽くなったような気がしました。


潮水で身を清めた娘は、アカマタの言った通り、
けがれのない元の体に戻っていたのです。


その日は、旧暦三月三日のことでした。
これに由来して、沖縄では、
けがれを祓(はら)う行事「浜下(はまう)り」が
行われるようになりました。


その日は、浜に出て、潮に手足を浸し、
持ち寄ったご馳走(ちそう)を食べながら、楽しく過ごします。


所によっては、女たちだけの行事として、
浜下りを行うところもあります。  
(おしまい)

琉球犬、猟犬、浜下り、天然記念物、縄文犬 【名護市21世紀の森公園のビーチ】

簡単にいえば、
「アカマター(蛇)が美男に化け、
マジムン(魔物)の子を身ごもった娘が海に浸かって身を清め、
アカマターの子供を流した」
その日が旧暦3月3日で、それが浜下りの由来だ、という民話。
琉球犬、猟犬、浜下り、天然記念物、縄文犬 【名護市21世紀の森公園のビーチ、ハワイのワイキキみたいだよね!】

この物語を読んで、
「引きこもりの娘が、どうやってお侍と知り合ったんだろう?」
とか
「娘が夜中に外出するのに、母親が気づかないなんてある?」
とか
「なぜ大潮の3月1日ではなくて中潮の3日なんだろう?」
とか
「なぜハブじゃなくてアカマタなんだろう?」
なんて邪推をする人は性格悪いよ!
琉球犬、猟犬、浜下り、天然記念物、縄文犬 【アカマタという南西諸島固有の無毒ヘビ】

ウチナーンチュはハブやアカマタを知らない人はいないけど、
本土の人はアカマタがどんなヘビなんだか知らないよね。

アカマタは奄美群島や沖縄諸島に棲息する固有種で、
ナミヘビ科に分類される大型(全長2m前後)のヘビ。
漢字では「赤楝蛇」書く。


アカマタの名前の由来は、沖縄方言で「駁(ばく)模様のある蛇」の意味。
「駁(ばく)」とは「混ざっている」という意味で、
アカマタほ表皮デザインは赤と黒のまだら模様。


アカマタは平地から低山地の森林、耕地、草原、水辺に住み、
地上も樹上も選り好みせず生活環境としている。
つまり、南西諸島であれば、どこにでもいる無毒ヘビ。


カエル、トカゲ、イモリ、ヤモリ、小鳥、ネズミなど小型脊椎動物が主食だけど、
自分と同じ大きさまでのヘビも、それがたとえ相手がハブだとしても捕食するし、
海岸に降りてウミガメの子供を捕食したり、
小川で魚を捕食することもあるらしく、食餌は幅が広い。


大宜味(おおぎみ)村や読谷(よみたん)村あたりでは、
子供の太ももの太さのアカマタ大蛇の目撃事例もあったり、
そういう民話もあるけど、
これが一概にホラッチョとは言えない。


私の住むエリアは北部の畜産基地内だけど、
ここの畜産飼料をエサに食べるネズミは、
沖縄のネズミの中ではかなり肥えて大きい。


これを捕食するのがハブやアカマタだから、
我が家の周りは、生態系の食物連鎖に従って
ハブやアカマタが多いのだけど、
ハブやアカマタの2m超級は、この辺では当たり前だし、
我が家の納屋に数年棲んでいたアカマタの胴は、
私の手首くらいの太さは有にあった。
また、我が家のすぐ近くで、
私の二の腕の太さのハブの大蛇を私は見たこともある。


ハブやアカマタが出産直後の
幼犬や幼猫を食べることだってあるかもしれないし、
その場合は消化するまでは胴が相当太くなることだってあるはずだ。


また、アカマタは「短気で凶暴」とか「夜行性」ともいわれるけど、
我が家の納屋で大蛇化したアカマタが数年棲みついていたけど、
私に威嚇したことは一度もなかったし、
我が家に入り込んで来るアカマタの子供が暴れたこともない。


RIN(凛)君の明け方散歩に出会うアカマタも、
まったく攻撃性は見せず、すぐに逃げていくから、
「ヘビ=危険=殺す」
というオーラを出している人に対して
先制攻撃をかけるんじゃないか、と思う。


日中は、どちらかというと木陰に潜んでいるけど、
必ずしも夜行性ではない。
我が家(室内)に入って来ようとするアカマタの子供は日中だから。
網戸を1cmでも閉め忘れていたら、アカマタやハブの子供が入ってしまう。
これが、年に数回はあるんだよね。

琉球犬、猟犬、浜下り、天然記念物、縄文犬 【浴室から室内に侵入しようとするアカマタの青年】

ティーダカンカンのところでは、さすがにハブやアカマタは見ないけど、
木漏れ日が当たるような半日陰エリアでは、彼らは活動しているよ。

そういう活動的なアカマタは、
沖縄では本土のキツネやタヌキのように、
「化けて人を騙(だま)す」
という俗説があり、
各地にアカマタが化けたイケメン男に女性が騙されたり、
かどわかされたり、といった民話がある。

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水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」には、
妖怪としてのアカマタが登場していた。

日本を征服する為に来日し、鬼太郎と対決した。

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アカマタは南方妖怪軍団を率いるリーダー格で、
目つきが険しい他は、人間の容姿をしていたので、
化けていたことを意味している。
琉球犬、猟犬、浜下り、天然記念物、縄文犬 【国頭村やんばる学びの森にある、無意味な鬼太郎ハウス。需要あると思う?】

旧暦の1日は新月、旧暦の15日は満月となっていて、共に大潮の日。
明日4月9日(土) =旧暦3月 3日(大安)の干潮は14時04分。

つまり、明日は昼過ぎから引き潮で浜が広がり、
手足を海水に浸して、身を清めて健康を祈願するという
古来の慣習を励行する人もいるだろうけど、
近年は海には浸からず、浜で白砂を踏むことだけでも
「身を清める日」
とされているらしい。


こういう伝統行事は、
昔は各集落で強制的な参加が義務付けられていたんだろうけど、
特に戦後の核家族化で参加者が減少傾向になり、
「ムリに海に浸からなくてもいいさ」
と基準を緩めても参加率を上げたい、という苦心も感じられる。


なので、近年は海に浸かる風習の名残で、
浜下りの日には家族や親しい女性グループで海岸にお弁当を持ち寄って
ピクニック気分でユンタクして楽しく過ごす人が多いらしい。


「浜下り」も、やがてはBBQになっちゃうのかな。
であれば、女性が主役の日なんだから、
合コンや婚活パーティみたいな企画も有りかもね。


明日は土曜日だし、もし雨が降らなければ、
女性は浜でランチした方がいいよ~!

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本島中部の沖合の平安座島では、旧暦3月3日から3日間、
「サングヮチャー」という神事が行われ、
その行事は、国土交通省都市・地域整備局の
離島振興を目的にした「島の宝100景」に選ばれているらしい。

「島の宝100景」は全国から選ばれた日本100選 で、
沖縄県では、
・南大東島 海辺の海水プール
・北大東島 空飛ぶ「漁船」
・野甫島 -小さな島の小さな商店
・平安座島 サングヮチャー(旧暦の3月節句)
・奥武島 トビーチャ(飛びイカ)を干す風景
・渡嘉敷島 魚が泳ぐ町並み
・オーハ島 老漁師とサバニ
・下地島 民間ジェットパイロット訓練空港「下地島空港」
・竹富島 和の中の気「種子取祭」
・西表島 島に息づく染と織
・波照間島 さとうきび畑
が選定されている。


平安座島での旧暦3月3日「サングヮチャー」では、
初日がは、海で亡くなった人のために、
浜に下りて竜宮にいる霊に向かって祈る「ドゥグマチー」、
2日目は、神人と婦人達による豊漁を願う「トゥダヌイユー」と
「ナンザモーイ(ナンザ拝み、ナンザは沖合の岩の名前)」、
3日目は、島の東西の漁民が太鼓や三味線に合わせて歌う「縄あぎもうい」が行われるらしい。


平安座島のイベントは、けっこう大がかりだね。
明日9日(土曜)の夕方の
ローカルNEWSでも映るかもしれない。

琉球犬、猟犬、浜下り、天然記念物、縄文犬 【今日8日(金曜)夕方4時半、西から雨雲が迫ってきていた。この後雷雨に!】

浜下りの日には、浜で遊ぶ以外にも、
潮干狩りをしたり貝を拾ったりする習慣があるらしい。

干潮で潮干狩りをしたり貝を拾うこと自体は珍しいことではないけど、
この浜下りの日は、潮干狩りが特に大きな意味合いを持つ、ともいえる。


ひな祭りでのお祝い料理には、
「はまぐり」や「あさり」など貝類が使われる家庭もあるはず。


貝類は、潮干狩りで入手できる食材なので、
その食材調達の意味も込めて、
浜下りの時に潮干狩りや貝拾いが行われるようになった、とも考えられる。


潮干狩りをするためには、浜の白砂を踏みながら進まなければならない。
これによって身が清められ、同時に貝拾いが出来るなら、一石二鳥になる。


浜下りの日の干潮は、大潮の影響で絶好の潮干狩り日和になるから、
天気さえ良ければ豊漁も期待できそうだ。


今日の国頭村は、朝から青空が出て、日中気温も27℃まで上がった夏日だったのに、
夕方6時前から急に雷雨になった。


TVの天気予報だと、明日の降水確率は60%。
予報が外れてほしいね。

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