ハイサイ、RIN(凛)ですニコニコ
【ローゼル(roselle)は、ローズ(バラの花)からネーミングされている】

バナナ園でローゼル(roselle)が咲き始めた。
スーパーに行くと、「ローゼルティー」というティーパック型の商品が売られていて、
タイ産やアフリカ産が多く、もちろん乾燥された商品なので
酸味の味や色がピンボケっぽい。
それに対し、沖縄産のローゼルは、採り立てで鮮度が高く、
フルーティな香りや鮮やかな赤ワインのような深みのある色、
酸味の効いた味が申し分ない。
農産物だから、やっぱり採り立てが一番美味しいよね。
沖縄では、もっとローゼルを宣伝すればいいのに、と思う。
【沖縄での収穫時期は、今ごろから12月初旬まで、と旬期が短い】

ローゼルは、フヨウ属( Hibiscus)アオイ目アオイ科の一年生植物、
フヨウ属=ハイビスカス属なので、「ハイビスカス・ティー」としても売られている。
日本でいうハイビスカスは、
中国のお墓周りに植える仏桑華(ブッソウゲ)のことを指す。
もちろん仏桑華もアオイ目アオイ科の植物だけど、
ハイビスカス属は、ハイビスカスだけでなく、
ローゼルやムクゲ、フヨウ(芙蓉)、ケナフ…、けっこう幅広い。
【これはオクラの花。ローゼルはオクラやケナフの仲間なので、花も似ている】

原産地がアフリカ西部のため、高温の気候を好むので、
日本ではコーヒーと同じように奄美、小笠原が北限。
ローゼルは、改良や交配種が増えて現在では150種前後もあるといわれている。
沖縄で栽培されている品種が、その中でどういうものかは判らないけど、
本島と石垣で栽培されている品種は違い、
石垣品種の方が実が小さく、ティーにした時の酸味や赤い色に深みがあり、
石垣産の方が断然美味しい。
私も昨年から石垣産の栽培を増やしている。
【那覇空港売店では、地元価格の3倍以上の暴利で売られている】

ローゼルは、花や果実(正確には肥大した萼と苞)を
ハーブティーやジャム、ゼリーなどに使う。
ローゼルはリンゴ酸が多いのでリンゴと相性が良いらしい。
でも沖縄にはリンゴがない。
スーパーで売られているリンゴはB品か小ぶりのリンゴで
冷凍の船積みで運ばれてくるので、美味しくない。
ブラジルの日系人は、酸味のあるローゼルティーを梅干代わりに飲み、
ローゼルを「草梅」と呼ぶ人もいるらしい。
種子から油を採ることも出来るともいうけど、
私はジャムやゼリーも作ったけど、お奨めはティーに限る。
【ローゼルの実のガクだけを使い、タネは栽培用に分けている】

ローゼルの種類にもよるけど、だいたい一人分で実が4~5個こらいかな、
これは人それぞれのお好みなので、アバウトだけどね。
熱湯にローゼルのガクを入れると、上品な赤ワインのような、
真っ赤ではなく、オレンジやピンクも加えたような、
鮮やかで見事な美味しそうな赤い色に変わる。
【緑の苞の中には約30個の小さな黒い種が入っている】

鮮やかな赤い色を楽しみたいので、透明な耐熱ガラスのコップか、
内側が白いカップでローゼルティを飲むのが定番。
この赤い色を見ながら「自然ってすごいな~」と感激して飲むのが醍醐味。
私は酸味の効いた爽やかな自然の味が好きなので、そのまま飲むけど、
ふつうは酸味が効きすぎるというので砂糖を加え、甘酸っぱい味にする人が多い。
台湾では「洛神茶(ロクシンティー)」がローズティーのこと。
タイの王室では、国賓をもてなすための飲み物としてローゼルティーが選ばれている。
【赤紫のガクには特にアントシアニン成分(赤い色素)が多い】

ローゼルティは、天然の酸味成分や豊富なミネラル類が体の新陳代謝を高め、
仕事やスポーツなどによる肉体疲労、眼精疲労の回復に効果がある、といわれている。
【沖縄では、この10年くらいで生産者は微増でしかない。もっと広まってほしいね】

ローゼルは、10月~11月に開花後、花びらが落ち、ガク片が赤く膨らみ、
約1ヶ月後に収穫期を迎える。
採り立ては「フレッシュ(生)」、赤いガクを乾燥させたものは「ドライ(乾燥)」、
「ドライ」は風味と味がボケるので、採り立てを使うのが美味しいに決まっている。
【タネ植えは5月~7月なので、台風シーズンと重なるのが問題】

沖縄の、亜熱帯気候で栽培可能な「伝承薬草ハーブ類」が本土で評価されつつあり、
「予防医学的な役目も果たす食文化を全国へ発信できる」
「エコツーリズム的な見地で、各生産地の香りと収穫を楽しめる」
「芳香療法、園芸療法が学べる」
などの、生産者が悦びそうな売り出しフレーズも付けることが出来そうで、、
この10年間では生産者は少しずつ増えている。
【地元市場では、実が1個15円前後のはず】

本島では、北部より南部の方が半月ほど開花や収穫が早いはず。
北部は酸性の国頭マージ、南部はアルカリ土壌のジャーカル(クチャ)、
なので、ローゼルは栽培土壌は何でもいいみたい。
【ローゼルの苗木はRIN(凛)君に踏み倒されたのが5本はあるはず】

ローゼルは、実(胞)の収穫とタネの摘出に手間取るのだけど、
これは栽培面積を増やすなら収穫装置と種とり機械装置を開発すれば
コストダウンが図れるはずだと思うけど、
問題なのは、
・連作ができない
・風(台風)に弱い
・油虫が付きやすい
こと。
【5~6月にタネを発芽させ、20cm程度になったら定植する】

収獲期が11月前後だけなので、単一栽培化はムリ。
なので、沖縄では複合的栽培の1つに組み入れるくらいしか出来ない。
けど、沖縄らしさを充分アピールできる農産物のひとつといえる。
【染色にも使われるので、飲む時は服とかにこぼせないよ】