ハイサイ、RIN(凛)ですニコニコ


【黄色い花はキク科だけに菊に似て美しいのだけど、大増殖して生態系に悪影響が…】


最近10年くらいで、沖縄全土に、

みるみるうちに増殖中のアメリカハマグルマ(亜米利加浜車)。

見た目は、黄色い花が小さな菊のようで、タンポポより美しい。

けど、可愛らしい見た目とは裏腹に、生命力、繁殖力がとにかく異常に強く、

マングローブなど、沖縄の在来種の生態系に影響が出始めているのです。ガーン


【RIN(凛)君にとっては生態系なんか関係ないだろうけどさ~】


沖縄の花といえば「ハイビスカス」ですが、

このハイビスカスは、中国では

お墓に祀(まつ)る仏桑花(ブッソウゲ)で、

日本の戦国時代頃に琉球王国に移入したものだといわれています。

1609年の薩摩藩による琉球侵攻の翌年の夏、

薩摩藩主・島津家久に伴われた琉球国王・尚寧(しょうねい)王が、

駿府の家康,江戸の将軍秀忠に拝謁するのですが、

その時に琉球国を薩摩藩の従属国(=植民地)として認めてもらったのです。

島津家久は家康に、媚びを売った品の中に、

七色のハイビスカスの花があり、

家康は初めて見る美しい花を、たいそう喜んだといわれています。

この当時の7色のうち、白と紫の原種ハイビスカスが、

今は沖縄には現存していないようです。

沖縄で垣根や防風林などに使われる「アカバナー(赤い花)」は当時の原種なので、

もう優に400年を超えて帰化し、沖縄の在来種のような繁殖力を得るまでに至りました。

沖縄県花の「デイゴ」だって、インド原産の外来種ですから、

「ハイビスカスやデイゴは、もともとは外来種」

なのです。

それが数百年経って、もう帰化して、時効ということで

今や沖縄を代表する植物になっているのです。



沖縄には、もともとコーヒーは自生していませんから、

沖縄では、コーヒーは外来種になります。

そういえば、前に

「山原(やんばる)に外来種のコーヒーなんか植えたら、

自生して、森の生態系に悪影響が出て大変なことになる」

と、私に文句を言った学者がいて驚いたことがありました。

コーヒーが自生して勝手に増殖するなら、

熱帯地域はコーヒーのジャングルになっているはずさ~ね~。

山原(やんばる)でのコーヒーは、外来種の新参者。

言い換えれば、東京の山の手の小学生が、国頭(くにがみ)村の小学校に

転校してくるようなもので、

田舎の環境とかに慣れるまで、相当な時間がかかるのと同じこと。

沖縄でのコーヒー栽培は、農産物の栽培と同様で、

人的介在がないと生産が難しい「栽培作物」

なので、コーヒーが勝手に増殖するなんてことは、

少なくとも近100年内には、沖縄でコーヒーが自生するなんて有り得ないのですが、

学者だったら、そのくらいは知っとかないとダメですよね~。


【茎は地面を這いながら、新たな茎を伸ばし、マット状に生育する常緑の多年草】


本来、その土地での最強な植物は「在来種」です。

例えば、山原(やんばる)であれば、

山原(やんばる)に昔から自生している植物が最強なのです。

なのに、最近、繁殖力が異常に強い外来種が沖縄に入り込み

沖縄の生態系に悪影響を出し始めている。

その代表格なのが、アメリカハマグルマ(亜米利加浜車)。

日当たりの良い場所を占有して生化し,とにかく繁殖力が強い。

風媒花,虫媒花.種子だけでなく、

例えばエンジン式草刈機や草刈り鋏(はさみ)などで刈り取った時に、

残った茎や根の断面や葉の根元から発根して、再び増殖するので、

もう手におえない、やっかいな侵略的外来種なのです。しょぼん

アメリカハマグルマ(亜米利加浜車)はキク目・キク亜科に分類される多年草の一種で、

園芸種として「ウェデリア」とも称され、ネットでタネとか売られていますが、

国際自然保護連合では本種を

「世界の侵略的外来種ワースト100」

のひとつに選定し、

日本でも、外来生物法(2004年6月制定、2005年6月より施行)で

「要注意外来生物」に指定しているので、

こんなタネを売ってもいいのかな?

でも、今のところ日本で問題視されているのは沖縄だけ。

タネが売られている以上、本土でも、これが敵視されるのは時間の問題。


【原産は米国、中米。すでに農耕地にも大繁殖し始めて、生産にも影響が出始めている】


なぜ、これが沖縄に入って来たのかというと、

沖縄が日本に復帰(1972年)後、沖縄振興開発計画で

県内の道路インフラが急ピッチで進み、

これで赤土が流出して、サンゴなどが死滅したのですが、この道路建設で、

山地を削ったり、盛土をしたことで造られた人工斜面、または自然斜面は

「法面(のりめん)」と呼ばれ、斜面が崩れないように

落石予防、保護のための緑化として、アメリカから導入されたのです。

それが野生化し、予想外の大繁殖能力で、生態系に悪影響を及ぼし始めているわけです。

とはいっても、ハイビスカスやデイゴは、外来種のくせにとっくに帰化しちゃって、

トマトやトウモロコシ、バナナ、ジャガイモ、タマネギ、

白菜、キャベツなど野菜類のほとんども、みんな外来種なんだけど、

「アメリカハマグルマ(亜米利加浜車)はダメ」

「シロバナセンダン草(刺し草)やギンネムもダメ」

なんか、人間って身勝手ですよね。しょぼん

「あれはいいけど、こっちはダメ」

すべて、人間にとって都合がいいか悪いか、というのが判断基準。

虫を

「害虫、益虫、タダの虫」

と区別するのと同じで、なんかスッキリこないさ~ね~。


【6月14日(日曜)AM11:30現在の、自宅付近から見える太平洋】