ハイサイ、RIN(凛)ですニコニコ


【本題は1円なのに、送料が250円もかかってしまい、ちょっと損した気分】



「ライスカレー」というテレビドラマが放映されたのは1986年のことだから、

もう、かれこれ29年も経っているので、若い方はおそらく知らないはず。


Amazonの中古本で、

その「ライスカレー」(倉本聰・著、理論社)の本が1円で買えたので、

一気読みしてしまいました。 

ドラマのSTORYは、

銚子の高校野球部のチームメイトだった三人の若者、

ケン(時任三郎)、アキラ(陣内孝則)、ブンタ(布施博)が、

同じ野球部の先輩で、

バンクーバーで手広く寿司屋をやっている次郎(北島三郎)に誘われ、

残りの青春を懸けて、

「カナダでライスカレー屋をやろう」

と思い立ち、悪戦苦闘し、それぞれが別々の道に進んでいく、という内容です。

私としては名作に入る部類だと思っています。

3年間、さほど真剣に修行しなかったコック見習い経験しかないのに

プライドだけは高いアキラ(陣内孝則)は、周りに認められるはずもなく

やがて挫折していくのですが、

ホテルの仕事を紹介されたアキラが、実は皿洗いだったことを不服として

ドタキャンしてしまい、

このドラマの中でホテルの総支配人(カナダ人シェフ)が、

英語でアキラに諭す場面が印象的だったのです。

(アキラは英語がほとんど出来ないために、知人が通訳)

「3年じゃ、まだ修業とはいえない」

「みんな最初は皿洗いから始める」

「ここのコックは、みんな10年は修行している」

「山が険しければ険しいほど迂回して遠回りをしながら登らないと頂上にはいけない」

「修行を真剣にせずに、シェフになるなんて近道はない」

ことを、総支配人は淡々と諭していたのです。



【南西諸島の固有種オキナワキノボリトカゲがエアコンの室外機の上に。姿は恐竜っぽい】



「石の上にも三年」

「雨垂れ石を穿(うが)つ」

といいますが、それは「3年の辛抱」ではありません。

「少なくとも3年=最低でも3年」

3年でも、5年でも10年でも、

努力して、辛抱しないと成功できない、という例えですよね。

「沖縄でコーヒー栽培をする」

というのも、相当な覚悟が要るのです。

春に白い花が咲いて、その6,7か月後に実を収穫するのに、

その開花から結実して、緑豆の成長過程が沖縄では台風シーズンに重なるのです。

台風で、結実した緑豆が揺さぶられて落下したり、

木が倒壊してしまったりと、かなりの被災があるのです。

沖縄での柑橘(かんきつ)類ではシークワーサーとかタンカンが有名ですが、

これらの栽培地は、ほとんどが本島では、東シナ海側の西海岸側です。

太平洋側の東海岸では、集落の古老が

「東側は果樹はムリ。台風の暴風でやられた」

と言っています。

そう考えると、

「本島東海岸側の東斜面」

といったら、もうコーヒー栽培には、もっとも不向きな地勢といえるわけです。

沖縄でコーヒー栽培をしようと思い立った人は、

そんなことを知る由(よし)もないし、

東海岸だけでなく、ようやく借りられた土地で頑張るしかないのですから、

始めてみて、初めて知ることが実に多いのです。

奇跡を除けば、それ以外は失敗だらけのはず。

本当のスタートは、ここからなのです。

だけど、撤退する人たちは、

「3~5年で大成功」

と、失敗を計算に入れず、

奇跡の積み重ねで最短のドリーム計画に仕上げているために、

一度や二度の失敗で、早々と見切りをつけて撤退してしまい、

「沖縄ではコーヒー栽培はムリ」

と、大合唱するのです。

自分の失敗を隠したいのはわかるけど、

頑張っている人たちの邪魔をするな、と言いたい。

戦後、沖縄でコーヒー栽培を最後まで全うしたのは数人ですが、

この方たちが

「沖縄ではコーヒー栽培はムリ」

というなら、ともかく、

失敗して逃げ去った人たちがいうのは、説得力がないんですよ。


【こっちもオキナワキノボリトカゲ。性別で姿が違うのかな?ともに絶滅危惧種指定です。】



映画「風と共に去りぬ」で、

南北戦争で故郷タラが焼け野原になり、

廃墟になった自宅に戻ったスカーレット・オハラ。

それまでのスカーレットは、親の庇護(ひご)のもとにぬくぬくと育ち、

愛や結婚の何たるかも知らず、アシュレイという偶像を盲目的に追いかける、

箱入りの破天荒お嬢様だった。

しかし、戦争で何もかも失い、彼女の大きな保護者だった父親さえ

病気で当てにならないと分かると、

自立した一人の女として目覚め、絶望の淵から立ち上がる。

沖縄でのコーヒー栽培でも、

スカーレットのような不屈の闘志がないなら、

無謀な挑戦というしかないのです。

学校の花壇で、ジョーロで水をあげれば育つ朝顔とはわけが違う。

「テクマクマヤコン テクマクマヤコン 沖縄のコーヒー王になれ」

「ラミパス ラミパス ルルルルル……」

こういうのは、漫画の世界だけ。

頑張り続ければ、いつかきっと天がご褒美(ほうび)をくれるさ。

ご褒美の大小は別にして。

天のご褒美よりも、最後まで頑張った自分に対して、

自分へのご褒美の方が、価値が高いはず。

「ライスカレー」のドラマでは、初回の冒頭部分に、

「カレーライス」と「ライスカレー」の違いが語られていました。

その違い、わかりますか?

正解がどうなのかは私はわかりませんが、

このドラマでの「ライスカレー」の定義は、

・ご飯の上に粘度の高いカレーソースが乗っている

・口直しとして福神漬とラッキョウが添えられている

・スプーンは水の入ったコップに刺さった形で供される

・具のジャガイモやニンジンは大き目のものが入っていて、

 飾りとしてグリーンピースが3つ上に乗っている

・冷めてくると、カレーソースの上に膜が張る

というものでした。

昔の昭和カレーは、小麦粉多めの給食カレーみたいだったし、

たしかにグリーンピースがのっていましたよね。

「急がば回れ」

「急いては事を仕損じる」

昔、「浪花節だよ人生は」という演歌がヒットしましたが、

「回り道だよ人生は」

ということですね。


【夜7時の東の空に、大きな満月が上がりました。(今日の日の入り19:18)】