ハイサイ、RIN(凛)です
沖縄の台風シーズンは、5月のGWから10月中旬までの、約半年余りに及び、
この間、沖縄本島に接近、上陸する台風は、例年4,5回、
台風は例年25号あたり発生しますから、
フィリピン東海上で発生した台風の、5,6回に1回は、
沖縄本島に接近、または上陸していることになります。
そんな沖縄の台風シーズンの間に開花するのが
「オキナワキョウチクトウ(沖縄夾竹桃)」
という、ゴージャスで良い香りがする白い花。
原産地は、インドやマレー半島 南西諸島からオーストラリアにかけての
熱帯、亜熱帯地域あたり。
本土のキョウチクトウは、江戸時代中期に、インド原産種を、
中国(清)経由で導入され、広く庭園で植えられたようです。
「葉が竹、花が桃の花に似るので、漢名で夾竹桃」
と書くのだそうです。
沖縄では自生種で、主に海岸地帯に自生していますが、
街路樹や公園樹として植えられているのもよく見かけます。
沖縄の方言名は「ミーフックワー」。
オキナワキョウチクトウはキョウチクトウ科ミフクラギ属なので、
そういう呼び名になっているのだと思います。
標準和名は「ミフクラギ(目膨木)」。
名前の由来は、樹皮や葉、種子に毒があり、
樹液が目に入ると腫れることから「目が膨らむ木」というらしい。
オキナワキョウチクトウの学名は「Cerbera manghas」。
「 Cerbera 」は、ギリシア神話に登場する怪獣「ケルベロス(Cerberus)」、
三つ首、蛇の尾、 首元から無数の蛇を生やした猛犬で、
冥府(めいふ)神ハデスによって「地獄の番犬」として飼われ、
時々、外国映画には何気なく登場していますよね。
夏以降に出来る実の、種子は猛毒で、昔はヤリや矢の先に、この毒を塗って
狩猟をしたとか、ネズミ駆除の毒団子を作る材料にしたそうです。
オキナワキョウチクトウは、白い花や樹形が美しい樹ですが、
棘(とげ)はないので、
「美しい花には毒がある」
ということでしょうか。
沖縄では、昔、トリカブト保険金殺人事件があったけど、
キョウチクトウ殺人事件は、聞いたことがないですね。
トリカブト保険金殺人事件は1986年(昭和61年)5月のことだから、
もう29年も前、若い人は知らないはず。
旦那が妻に2億円近い生命保険を、20日前に契約して、沖縄旅行へ。
妻にトリカブト粉末入りカプセルを飲ませ、
自分は急用が出来た、と大阪へ戻り、アリバイ作りの偽装工作をした。
トリカブトを飲んだらすぐに毒が回るけど、
カプセルが溶け出すまでの時間がかかったことで、
推理小説さながらの難事件になったのです。
もちろん、旦那は捕まり、事件は一件落着。
旦那は無罪を主張し控訴、二審も無期懲役、
さらに上告するも最高裁が上告棄却で無期懲役が確定したものの、
2012年(平成24年)11月、旦那は医療刑務所で病死。
こんなの、マネしないでね。
オキナワキョウチクトウは、最近咲き出したところなので、
まだ実は出来ていませんが、実の形状はキウイとか、
紫のパッションフルーツのような感じで、
熟す前は緑灰色、熟すとエンジ色、外観はきれいな実なんですよ。
2,3年に一度は、公園で幼児が口に入れたとかで
救急搬送された、とかのニュースがあり、
その時だけ、
「毒がある樹を公園なんかに植えてはダメ」
とか問題視されるのですが、
3日で忘れるネコのような一過性で、やがてうやむやになる。
松尾芭蕉の奥の細道の序章、
「月日は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行かふ年も又旅人也」
月日というのは、永遠に旅を続ける旅人のようなものであり、
来ては去り、去っては来る年もまた同じように旅人である、
というようなものでしょうか。
オキナワキョウチクトウの種子だけでなく、
枝葉や樹皮にもケルベリンなどのアルカロイドが含まれているようで、
知らないと危険な樹であることは確か。
ケルベリンはジギタリスの毒ジゴキシンに近い配糖体で、
心筋のカルシウムチャネルを阻害する。
この作用のため、摂取すると心拍が不安定になり、
最後には呼吸困難に陥って死に至ることも。
悪心、嘔吐、下痢、四肢の麻痺、全身の冷汗…、
こういった症状も出るようですから、
公園や街路樹であれば、注意書きくらい札を付けとけばいいのにね。
アルカロイドは、主に草食動物から身を守るための防衛・自衛策で
自ら植物毒を作り出しているのです。
・カフェイン(コーヒー豆、緑茶、紅茶、カカオに含まれる。中枢神経興奮作用あり)
・キニーネ(キナの皮に含まれる。マラリアの特効薬として使われる)
・コカイン(コカから抽出。中枢神経興奮作用あり)
・ニコチン(タバコ草に含まれる)
・モルヒネ(アヘンより抽出されるオピオイド。中枢神経抑制、鎮痛効果あり)
・アレコリン(ビンロウに含まれる。興奮、刺激、食欲の抑制作用あり)
こういうのは聞いたことがありますよね。
過去には、こんな事例が。
紀元前4世紀、ギリシャのアレクサンドロス3世(アレキサンダー大王)が
インド遠征の折に、追従したセレウコス1世率いる軍の1小隊約30人が
キョウチクトウ(夾竹桃)を串焼き肉の串として利用し、
中毒症で全滅しています。
また、ナポレオンの軍隊も。
1808年 ナポレオンはスペインのブルボン王朝が後継者問題で内紛に火が着くと、
傀儡(かいらい)王朝を打ち立てるために、
フランス軍の20万もの大軍をスペインに侵攻させ、
これに激しく反発したスペイン国民との間に、
6年間にも及ぶ半島戦争を引き起こします。
この半島戦争ではスペインブルボン王朝を支援するイギリス、ポルトガルとの
連合国軍との間にフランス軍は激しい戦いを交えています。
フランス軍は当初は優勢に勝ち進みましたが、
ナポレオンがロシア遠征のために、
フランス軍の主力をスペインから撤収させたことから、
その後は半島戦争で次第に劣勢になり、
1814年にはスペインから完全撤退に追い込まれてしまいます。
スペイン独立戦争とロシア遠征で敗退し、
ついには1815年、ベルギーのワーテルローの戦いにおいて決定的敗北をして、
ナポレオンは失脚してしまうのですが、
ナポレオン指揮下のフランス軍がマドリード侵攻中に、隊内で将兵7名が死亡し、4名が重態に陥るという事件が発生し、その原因が、
キョウチクトウ(夾竹桃)を串焼き肉の串として利用したことでした。
アレキサンダー大王の時と同じですよね。
当時、フランスではキョウチクトウがなくて、
兵士が見たこともない木を使ったことが原因だったようです。
同様の事件は日本でも起こっています。
明治初期の九州の西南の役で、
官軍の兵士たちがキョウチクトウ(夾竹桃)の茎を箸代わりに使い
中毒を引き起こしたという事件がありました。
ということで、
「キョウチクトウには毒があるので注意」
ということは、ガッテンいただきましたでしょうか。
おまけに、もうひとつ。
最近は、都会では都市公園法で焚き火は禁止されていますが、
毒樹キョウチクトウは、燃やした煙も有毒らしいですよ。
うっかり、燃やせないね~。
けど、危険だと大騒ぎして、危険を排除することも
ひとつの手段だろうけど、
危険を認知しつつ、うまく付き合っていくこと、
それを子供たちに上手に伝えること、
の方が大事なような気がしますが、いかがでしょうか。

沖縄の台風シーズンは、5月のGWから10月中旬までの、約半年余りに及び、
この間、沖縄本島に接近、上陸する台風は、例年4,5回、
台風は例年25号あたり発生しますから、
フィリピン東海上で発生した台風の、5,6回に1回は、
沖縄本島に接近、または上陸していることになります。
そんな沖縄の台風シーズンの間に開花するのが
「オキナワキョウチクトウ(沖縄夾竹桃)」
という、ゴージャスで良い香りがする白い花。
原産地は、インドやマレー半島 南西諸島からオーストラリアにかけての
熱帯、亜熱帯地域あたり。
本土のキョウチクトウは、江戸時代中期に、インド原産種を、
中国(清)経由で導入され、広く庭園で植えられたようです。
「葉が竹、花が桃の花に似るので、漢名で夾竹桃」
と書くのだそうです。
沖縄では自生種で、主に海岸地帯に自生していますが、
街路樹や公園樹として植えられているのもよく見かけます。
沖縄の方言名は「ミーフックワー」。
オキナワキョウチクトウはキョウチクトウ科ミフクラギ属なので、
そういう呼び名になっているのだと思います。
標準和名は「ミフクラギ(目膨木)」。
名前の由来は、樹皮や葉、種子に毒があり、
樹液が目に入ると腫れることから「目が膨らむ木」というらしい。
オキナワキョウチクトウの学名は「Cerbera manghas」。
「 Cerbera 」は、ギリシア神話に登場する怪獣「ケルベロス(Cerberus)」、
三つ首、蛇の尾、 首元から無数の蛇を生やした猛犬で、
冥府(めいふ)神ハデスによって「地獄の番犬」として飼われ、
時々、外国映画には何気なく登場していますよね。
夏以降に出来る実の、種子は猛毒で、昔はヤリや矢の先に、この毒を塗って
狩猟をしたとか、ネズミ駆除の毒団子を作る材料にしたそうです。
オキナワキョウチクトウは、白い花や樹形が美しい樹ですが、
棘(とげ)はないので、
「美しい花には毒がある」
ということでしょうか。
沖縄では、昔、トリカブト保険金殺人事件があったけど、
キョウチクトウ殺人事件は、聞いたことがないですね。
トリカブト保険金殺人事件は1986年(昭和61年)5月のことだから、
もう29年も前、若い人は知らないはず。
旦那が妻に2億円近い生命保険を、20日前に契約して、沖縄旅行へ。
妻にトリカブト粉末入りカプセルを飲ませ、
自分は急用が出来た、と大阪へ戻り、アリバイ作りの偽装工作をした。
トリカブトを飲んだらすぐに毒が回るけど、
カプセルが溶け出すまでの時間がかかったことで、
推理小説さながらの難事件になったのです。
もちろん、旦那は捕まり、事件は一件落着。
旦那は無罪を主張し控訴、二審も無期懲役、
さらに上告するも最高裁が上告棄却で無期懲役が確定したものの、
2012年(平成24年)11月、旦那は医療刑務所で病死。
こんなの、マネしないでね。
オキナワキョウチクトウは、最近咲き出したところなので、
まだ実は出来ていませんが、実の形状はキウイとか、
紫のパッションフルーツのような感じで、
熟す前は緑灰色、熟すとエンジ色、外観はきれいな実なんですよ。
2,3年に一度は、公園で幼児が口に入れたとかで
救急搬送された、とかのニュースがあり、
その時だけ、
「毒がある樹を公園なんかに植えてはダメ」
とか問題視されるのですが、
3日で忘れるネコのような一過性で、やがてうやむやになる。
松尾芭蕉の奥の細道の序章、
「月日は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行かふ年も又旅人也」
月日というのは、永遠に旅を続ける旅人のようなものであり、
来ては去り、去っては来る年もまた同じように旅人である、
というようなものでしょうか。
オキナワキョウチクトウの種子だけでなく、
枝葉や樹皮にもケルベリンなどのアルカロイドが含まれているようで、
知らないと危険な樹であることは確か。
ケルベリンはジギタリスの毒ジゴキシンに近い配糖体で、
心筋のカルシウムチャネルを阻害する。
この作用のため、摂取すると心拍が不安定になり、
最後には呼吸困難に陥って死に至ることも。
悪心、嘔吐、下痢、四肢の麻痺、全身の冷汗…、
こういった症状も出るようですから、
公園や街路樹であれば、注意書きくらい札を付けとけばいいのにね。
アルカロイドは、主に草食動物から身を守るための防衛・自衛策で
自ら植物毒を作り出しているのです。
・カフェイン(コーヒー豆、緑茶、紅茶、カカオに含まれる。中枢神経興奮作用あり)
・キニーネ(キナの皮に含まれる。マラリアの特効薬として使われる)
・コカイン(コカから抽出。中枢神経興奮作用あり)
・ニコチン(タバコ草に含まれる)
・モルヒネ(アヘンより抽出されるオピオイド。中枢神経抑制、鎮痛効果あり)
・アレコリン(ビンロウに含まれる。興奮、刺激、食欲の抑制作用あり)
こういうのは聞いたことがありますよね。
過去には、こんな事例が。
紀元前4世紀、ギリシャのアレクサンドロス3世(アレキサンダー大王)が
インド遠征の折に、追従したセレウコス1世率いる軍の1小隊約30人が
キョウチクトウ(夾竹桃)を串焼き肉の串として利用し、
中毒症で全滅しています。
また、ナポレオンの軍隊も。
1808年 ナポレオンはスペインのブルボン王朝が後継者問題で内紛に火が着くと、
傀儡(かいらい)王朝を打ち立てるために、
フランス軍の20万もの大軍をスペインに侵攻させ、
これに激しく反発したスペイン国民との間に、
6年間にも及ぶ半島戦争を引き起こします。
この半島戦争ではスペインブルボン王朝を支援するイギリス、ポルトガルとの
連合国軍との間にフランス軍は激しい戦いを交えています。
フランス軍は当初は優勢に勝ち進みましたが、
ナポレオンがロシア遠征のために、
フランス軍の主力をスペインから撤収させたことから、
その後は半島戦争で次第に劣勢になり、
1814年にはスペインから完全撤退に追い込まれてしまいます。
スペイン独立戦争とロシア遠征で敗退し、
ついには1815年、ベルギーのワーテルローの戦いにおいて決定的敗北をして、
ナポレオンは失脚してしまうのですが、
ナポレオン指揮下のフランス軍がマドリード侵攻中に、隊内で将兵7名が死亡し、4名が重態に陥るという事件が発生し、その原因が、
キョウチクトウ(夾竹桃)を串焼き肉の串として利用したことでした。
アレキサンダー大王の時と同じですよね。
当時、フランスではキョウチクトウがなくて、
兵士が見たこともない木を使ったことが原因だったようです。
同様の事件は日本でも起こっています。
明治初期の九州の西南の役で、
官軍の兵士たちがキョウチクトウ(夾竹桃)の茎を箸代わりに使い
中毒を引き起こしたという事件がありました。
ということで、
「キョウチクトウには毒があるので注意」
ということは、ガッテンいただきましたでしょうか。
おまけに、もうひとつ。
最近は、都会では都市公園法で焚き火は禁止されていますが、
毒樹キョウチクトウは、燃やした煙も有毒らしいですよ。
うっかり、燃やせないね~。
けど、危険だと大騒ぎして、危険を排除することも
ひとつの手段だろうけど、
危険を認知しつつ、うまく付き合っていくこと、
それを子供たちに上手に伝えること、
の方が大事なような気がしますが、いかがでしょうか。