ハイサイ、RIN(凛)ですニコニコ

 

安室の母が書いた本「約束 わが娘・安室奈美恵へ」には書かれていないけど、
安室は2本の映画に出演している。

 

ともに1996年(平成8年)で、
安室が子供向け番組「ポンキッキーズ」に出演した1994~1997年の後期、
安室奈美恵 with SUPER MONKEY'S
「TRY ME ~私を信じて~」
でブレイクした翌年にあたる。

 

2本の映画とは、
・「That's カンニング! 史上最大の作戦?」(東映)
・「学校Ⅱ」(松竹)
で、

おそらく安室は、この2本ともオーディションを受けず、
制作側からの出演依頼があったものと思われる。
 
「That's カンニング! 史上最大の作戦?」
この映画は、私はDVDで観た。

 

もう20年近く前のことだけど、
私の長女がTSUTAYAかGEOで、映画のDVDを借りてきた中にあったので。

 

STORYは、ドタバタ学園コメディで、見るに堪えない内容だけど、
安室の可愛さだけが際立って、それだけが印象に残った。

 

けど、安室の演技力としては、大根の棒読みだったと記憶している。
当時の安室は18歳。

 

この映画には原作「東京都大学の人びと」(谷俊彦・著、新潮社)がある。
 
学生のカンニングを見つけては退学させることに
異常な情熱を注ぐ助教授と学生たちが対立、
ついに学生たちの完璧なカンニング作戦による挑戦、
それを阻止しようとする学校側との対決…。

 

他に、規則を悪用する呆れた地方公務員の生態「駱駝(らくだ)市役所の人びと」、
家族総動員で金儲けに明け暮れる一家の過激な日常「木村家の人びと」
という、風刺パロディの3編が、この本には収録されているけど、
私は、筒井康隆、小松左京も含めて、SFやパロディは読まない主義だから、
この本は読んでいない。

原作に基づき、この映画のSTORYは、
日本理科大学(東京理科大学がモデル)に通う学生が、
学生寮「シグマハウス」の生き残りをかけて、
悪徳大学教授を相手に、試験で様々な方法でカンニングをして挑戦するという
青春ラブコメディになっている。

もちろん、ヒロインは安室で、相手役はTOKIO山口達也(当時24歳)。

 

藤木直人(当時24歳、新人俳優)や、
今や国会議員の山本太郎も出演していたが、
安室は童顔で幼く見えるし、
山口はおっさんみたいで大学生にはとても見えず、違和感があった。

この映画は、東映とフジテレビ映画部の共同制作による
「ぼくたちの映画シリーズ」
という、ティーン、ヤング向けの映画シリーズの1つで、
当時の人気アイドルを主演に起用し、
「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」が正月映画なのに対し、
夏休み中の中高生をターゲットにしたマスコミの得意な話題先行映画で
そのため、意図的に60分程度の短めの作品に仕上げ、
2本の映画を併用する形式で一般公開されていた。

 

「That's カンニング! 史上最大の作戦?」
と併用された映画は、ともさかりえ主演の「友子の場合」。

こっちは「ビッグコミックスピリッツ(小学館)」に連載された
藤野美奈子の漫画が原作で、
漫画のSTORYは、
想像力と頭の回転が超人的だが、天然ボケで、
いつも考えが異常な方向へ向かってしまう女子高校生・友子の
日常を描いたギャグ作品。

 

映画のSTORYは、
埼玉県大宮市に住む高校2年生の田村友子が主人公、
受験前の最後の夏を満喫しようと
クラスメイト男女4人ずつ(仲間由紀恵、高橋一生など)の計8人で
伊豆へ一泊温泉旅行に出かける。

 

しかし友子が気を利かせて駅弁を買いに途中の駅で降り、
電車が出発してしまい…、
というドタバタ青春コメディに設定が少し変わっている。

 

私は、こっちの映画は観ていない、というか
こっちは長女が借りて来なかったから。

こっちの2本の映画の配給収入は4.5億円、寂しい数字のようだけど、
役者が若くギャラが安い、製作費も安いことで
これでも収支的にはトントンらしい。


ちなみに、
「ぼくたちの映画シリーズ」
が始まったのは、安室の「TRY ME」がヒットした1995年、
つまり安室の映画主演の前年から始まり、
内田有紀主演の「花より男子」と、併映作品は、
金持ちお嬢様が主人公の、松雪泰子主演「白鳥麗子でございます!」
だった。

 

2本の映画の配給収入は4.2億円。
宣伝費も含んだ2作品の総製作費は約4億円らしく、
収支的にはマイナスではないらしい。
意外と安上がりなんだね。

 

「ぼくたちの映画シリーズ」
は、安室主演の翌年1997年(平成9年)で終わっている。
そういう意味では、安室の映画主演はラッキーといえる。

 

1997年は、
吉川ひなの主演の「デボラがライバル」と、
榎本加奈子主演の「ときめきメモリアル」だった。


安室の2本目の映画は、松竹の「学校Ⅱ」。
「学校」は、山田洋次監督の映画シリーズ作品で、
製作は松竹・日本テレビ放送網・住友商事。

「学校」シリーズは、
芸術文化振興基金助成作品、文部省選定という
「That's カンニング! 史上最大の作戦?」
とは真逆の、まともな作品で、
1993年~2000年まで全4作が制作されている。

 

安室は、「学校」シリーズの2作目に出演し、
「GOOD-NIGHT」「Don't wanna cry」など安室の楽曲が、
CDやラジオから流れる曲として、作中で使用されている。

STORYは、高等養護学校を舞台に、
重い障害を持つ生徒と軽い障害を持つ生徒同士の
交流、葛藤、就職問題、先生と生徒の信頼関係など、
入学から卒業までの、3年間の出来事を描いた作品で、
西田敏行がクラス担任、それをいしだあゆみが補助し、
新米教師役の永瀬正敏が支え、障害生徒役に吉岡秀隆、
それに、西田の娘役で浜崎あゆみも出演している。

 

安室は、安室奈美恵 with SUPER MONKEY'Sとして
本人役でライブシーンに登場するだけ。

 

安室は、当時売れっ子歌手として映画に出演出来ただけで、
もし、オーディションから応募していたなら、
演技力が問われ、途中で落選していたと思われる。

 

安室は「TRY ME」のヒットに便乗して映画2本に出演出来た、
と言っても過言ではないと思うけど、
引退がカウントダウンに入った安室の芸能史でも、
映画出演はこの2本だけなのだから、
結果的には良かったんじゃないかな。