晴れ時々おせっかい
曇天の春の朝だ
君は地下鉄の車両のかなり奥で吊革をつかんでいた
ベビーカーと幼き子が二人
若き母親はホームで途方にくれる
満員の客を押しのけて乗り込む勇気がでないのだ
何台の電車に乗り損ねたのだろう
ため息混じりの、どうしたらいいの?
視界から消えた親子
一瞬間、雲間から陽の光がホームをよぎった
ドアは機械だ
親子の姿は見えない
おせっかいだ
こんな時おせっかいだ
堂々とおせっかいだ
奥からでも出向くのだ
ベビーカー抱えてよっこらせ
ちょっとごめん
奥つめてあげてくれるかな
どうぞ入って
みなさんありがとう
ホームに残ったのは
ひとりだけ
機械に見放された君
その君に手を振る二人の幼な子と
あたまを下げる若き母
すまなそうに何度もあたまを
曇天は途端に晴れ上がり
おひさんのオレンジ色がパッと広がる
君のこころもパッと広がって
清々しい気持ちで満たされる
車両を見送る君の肩をポンと
たたいてあげよう
君の一番大切なひとにかわって