インフルエンザワクチンを打つのは「Now or Never」
今年の冬はインフルエンザワクチンが益々推奨されます。
理由は簡単です。まずコロナウイルスの第三波の中、インフルエンザとコロナウイルスの症状は似ているため、臨床的に鑑別が困難です。
コロナで医療施設はただでも圧迫されることが予想される中、インフルエンザへの対応まで手が回らない医療施設も出てきます。
インフルエンザに関しては予防にはワクチンが一番効果的です。とにかく今年はできる限り接種することを心がけましょう。
しかし。。。。。。。
先日外来中に
「卵アレルギーがあるのですが、インフルエンザのワクチンは打てますか?」
というご相談を受けました。
今回は卵アレルギーとインフルエンザワクチンの関連について、簡単にご紹介したいと思います。
卵アレルギーとインフルエンザワクチンの因果関係
インフルエンザのワクチンにはごく少量の卵の成分が入っているため、卵アレルギーを持っている方だと反応するのではと不安があるかたもいらっしゃいます。
インフルエンザワクチンは、ニワトリの卵にインフルエンザウイルスを接種し、ウイルスを卵の中で増殖させて作ります。
この際卵由来の成分を完全に除去することは難しため、ワクチン製剤に少量の卵由来の成分が含まれていることは事実です。
卵アレルギーであればワクチンは打てるの?
結論から申しますとインフルエンザワクチンは「重度の卵アレルギーでない限り打ってください」。
卵の成分が入っていてもほんの「数ng」なので、まず体に影響するほどの量が含まれている可能性は極めて低いといえます。
また昨年アメリカのアレルギー学会から卵アレルギーの有無でインフルエンザワクチンによるアレルギー反応の発生率が差がないことが報告されました。そういった点を踏まえて、原則大人、子供関わらずインフルエンザワクチン接種は卵アレルギーの方でも推奨されます。
「重度の卵アレルギー」の定義は?
卵でアナフィラキシーを起こしたことある方、つまり軽度の蕁麻疹だけでなく、体全体の症状、例えば息切れ、失神、下痢や嘔吐など倦怠感が併発している方がアナフィラキシーだったと言えます。しかしながら時に蕁麻疹がなくともアナフィラキシーが起こりえますので、もし不安であれば医師にご相談ください。
