何事もなく日々がすぎるわけでもなく

それはそれなりに毎日を過ごしている

とは言えやり過ごしているわけでもなく

向き合いながら過ごしている



知ってか知らずか、まぁ知る由もなく
世間というものは、世界というものは
そんな自分の都合とは関係なく
規則正しく0:00きっかりに1日を終わらせる。

楽しかった1日だろうが、辛かった1日々だろうが
まだ今日のうちにやり残したことがあっても
今日のうちに伝えなきゃいけないことがあっても
0:00になればその日は終わり
規則正しく、寸分の狂いもなく
また次の0:00に向けて針を走らせる。



かく言う今日は花火大会があった。

ほんの数時間前は今いるこの場所も
人が溢れ、
空には大輪の光が溢れていた。

今、先刻と同じ場所から眺めている
同じ夜空は、
平穏を取り戻したといえば聞こえはいいが
色を失ったような、
改めて、夜は暗く、静かで、どこか怖い。
そんな感覚を覚えるほどに、
いつも通りのビルの呆けた明かりだけで
構成し直されている


あのひと時は確かに
同じ空に咲く大輪を
きっと数千の人たちそれぞれの想いを重ねて
眺めていたことだろう。



数秒か、いやそれすらない 一瞬。たった一瞬。
打ち上げられ、おおよそ決められた高度まで
光の筋を引きながら昇っていく。
想いの種。


抱えきれなくなった、見上げる人たちの想いを
まるで、なかったことにするように、
それとも誰かに伝えようとするように
届けようとするように、

其れは空に大きな音を立てて爆ぜる。

四方八方に空中に飛び出した一粒一粒は
きっと知らない。
自分達が、その次の瞬間には消えていることも。
数千の人たちが見上げたそこからは
美しい大輪の花のように見えていることも。



自分の生き方はそれでも良いと思う。


「おおよそ決められた高度」

自分にとってそれがいつなのか
それが終わりなのか、
そんなことは知らない。
知りたくもない。
終わることは怖いから。


そこで僕が、長いのか短いのか生きてきた時間の
全てを散らして、
果たしてどれくらい綺麗に咲けるのかは知り得ない


今日、いやもう昨日か。
23:59までに伝えられなかった、
それでも0:00に引きずってしまった
この気持ちを届けれるように


本音とか本心とかそんなんじゃなくていい


眺めていた、見つめていた
一緒にいた、その全ての時間が
“美しかった”。

そんな想いが重なればいい。ただそれだけでいい。
それだけのために散れるなら、終われるなら

どれだけ幸せなことかと思う。