リュウスレイヤーのブログ 木原隆介のコラム 鉄の脛 -23ページ目

リュウスレイヤーのブログ 木原隆介のコラム 鉄の脛

直心会和歌山キックボクシング、会長の木原隆介が自己の知識、記憶、経験、観察力、洞察力を駆使して挑むバラエティーコラム
       鉄の脛(てつのスネ)
直心会和歌山キックボクシングの
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 MESSIAH (救世主メシア)

 読書でもしようと書籍を手に取り、缶ビールを開けソファーに寝そ
べったのだが、その内容が自身にとって新鮮ではあったが未知の
分野であるためなかなかリズムに乗れない。 傍らちゃぶ台の奥、
右下あたりに転がっていたTVのリモコンを足でキャッチしスイッチ
を入れた。
 BSで「将校は木を植えた」という題名のドキュメンタリーが流れ
ていた。実は依然この作品の予告をしばしば目にしていたので承知
はしていたが本放送は見逃した。今回はその再放送であるらしい。
私はもともと戦争物のドキュメント番組を好んでいる。すぐさま読書
からテレビ鑑賞に切り替えた。

 太平洋戦争時の日本の元軍人が退役してインドに渡り、干から
びた土地に植林して人々を飢餓から救う、という実話。 その軍人
とは杉山 龍丸(たつまる)将校である。 暴走する軍に対する反発
から東条英機への暗殺計画を企てるが、軍にそれを嗅ぎ付けられ
フィリピンの最前線へ飛ばされる。 実直で責任感の強い龍丸は
指揮官として立派な活躍をし部下にも慕われるが、なぜかある日、
突然戦場から姿を消す。 
 やがて生きて終戦を迎えた龍丸は、僧侶となったかつての
戦友にひょんなことから出くわし、インドの貧困の実情を知らされる。
 インド行きを決意し訪問した龍丸が目の当たりにしたのは、砂漠化
した土地に西洋人によって放り出された餓えた解放奴隷達であった。
 そしてその状況を打開しようと模索した結果、ユーカリを植林して
緑を増やし地下水を吸い上げ、肥沃な緑地帯を開拓することを
計画。 インド政府や地元民と共に計画を25年に渡って成し遂げ、
後に多くの貧民を救うこととなる。

 私はこの類の番組を観ていつも感じるのだが、やはり戦争を経験
した人は、やることのスケールが違う。 なぜ、他国のことにそんな
に夢中になれるのか? しかも先祖から受け継いだ不動産などの
莫大な資産すべて投げ打ってである。 しかも最後は借家暮らしだ
とか…。 最近の名声や名誉が見え隠れしたボランティアブーム
の中でこの見返りを求めない人助けの行き方は、彼こそ真の
救世主メシア!だ。   …と同時に振り回された家族の方々
には同情もするのだが…。
 しかしなぜ彼がこのような大それた事をやり遂げこの世を去って
いったのか。 それはやはり散っていった戦友への念、そしてひ
とり戦場から姿を消した時に宿った残していった同志に対しての
負い目。 それらをすべてチャラにしたかったのではないか?
自分の中で。  そんな気がする…。