弟の自死は、私たち家族を大きく変えた。
下の弟は、
「お兄ちゃんみたいに苦しむ人を一人でも減らしたい」
という思いから、精神科医になった。
私も苦しみの中から学んだことがあった。
それは、
人一人の命がこんなにも尊く、失われてよい命など、この世に一つもないということ・・・。
そして、私もその命の一つであることを知った。
弟が自死を選んだのに、朝、日は登り、また沈む。
世界は変わらず周り続ける。
それが不思議でたまらなかった、
そんな時期に、苦しみの中から、弟が自分の命と引きかえに私に教えてくれたことは、
私自身も尊い命の一つである、ということだった。
本当に辛いとき、苦しい時には、試練は、乗り越えることは不可能だと思う。
でも、試練や悲しみと共に生きることはできる。
どれくらいの月日がかかるか分からないけれど、
その経験から必ず得られるものはある、
今振り返るとそう思う。